ACIM シャックマンと内的な声

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ACIMの解説 > シャックマンと内的な声 

ACIM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/30 17:06 UTC 版)

シャックマンと内的な声

Bradbyは、チャネリングによって得られた文章であり、イエス・キリストとのチャネリングによるものだとほのめかされていると述べている[1]。教えのソースがキリストであると匂わせる箇所は本にたくさんあり、「この講座はキリストにもとを発している」と書かれている[22]。シャックマンは、声は外部ではなく完全に内部からやってくるもので、自動書記ではなく聞き取りの際は自分の行動に自覚的であり、内的な口述筆記のようなものだと述べている[5]。シャックマンは内なる声による導きを書きだしただけと考えており、原作者であることを認めなかった[1]。また、なぜこうした仕事に選ばれたのか不思議に思い、内なる声の聞き取りが生活の中心になってしまったことをしばしば悔やんでいたという[23]

彼女の上位自己とある種の普遍的なソースの組み合わせが源泉であると考える人もいる[22]。講座の出版者シュディス・スカッチは、「シャックマンのエゴに発する理性的な心」にはコースを書くような能力はなく、彼女の中の「<すべて>につながっている部分」が、その時代に必要とされる形でメッセージを受け取ったのだと感じているという。シャックマンのその「部分」は「『コース』でキリストと呼ばれる、<創造主>の<心>と一体になった、わたしたちの永遠にしてスピリチュアルな<自己>」に他ならないと語っている[11]

心理学者のジェームズ・ファディマンは、関係者に会って作為的なものではないと感じたし、彼女の能力はこの仕事には不十分だと述べている[22]。シャックマンは「これはどこから来たのだろう?明らかに、わたし自身はこんなものについて書きはしない。こういうテーマについて何も知らないからだ」と語っているが、エスリン研究所の共同設立者マイケル・マーフィー (著作家)英語版によると、彼女の父親はスピリチュアルな本を扱う精神世界の書店を経営しており、彼女はそういった書籍に囲まれて育った[24]。マーフィーは、コースの思想はすべてが既存のもので目新しい内容はなく、シャックマンはこうした知識を十分得ることのできる育ちであり、キリストによる教えだとは信じないが、無意識からよくこれだけのものを吐き出したものだと思う、と述べている[24]トランスパーソナル心理学者のケン・ウィルバーは、何らかの超常的な洞察が関係しているという見解や、シャックマンが通常の自己を超えたものから来ていると感じたことを否定するわけではないが、コースは想像以上に彼女の色が強く、彼女が影響を受けたニューソートや様々な形而上学派からの引用がうかがわれ、またシャックマンが自分と内なる声を区別しているにもかかわらず、彼女の詩はコースとほとんど違いが判らず驚かされると述べている[11]


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Bradby, 宮坂清訳 2009, pp. 484–486.
  2. ^ a b c d e f クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 74–75.
  3. ^ A Course in Miracles. Foundation for Inner Peace. Introduction, Page 1. Accessed 29 December 2017.
  4. ^ a b 奇跡講座 2017, p. 19.
  5. ^ a b クリモ, プラブッダ訳 1991, p. 73.
  6. ^ https://facim.org/foundation-course-miracles/about-us/our-vision/
  7. ^ https://www.acim.org/welcome.html
  8. ^ Emily Bennington (2017). "About A Course in Miracles". Miracles at Work: Turning Inner Guidance into Outer Influence. Sounds True. ISBN 1622037243
  9. ^ a b c クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 76–77.
  10. ^ Melton, Gordon J. (1990). New Age Encyclopedia, 1st ed. Gale Research, Inc. p. 93. ISBN 0-8103-7159-6
  11. ^ a b c クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 80–81.
  12. ^ a b クリモ, プラブッダ訳 1991, p. 78.
  13. ^ Carol Howe (2009). Never Forget To Laugh: Personal Recollections of Bill Thetford, Co-Scribe of A Course In Miracles. Waterfront Digital Press. p. 101. ISBN 978-1-889642-21-5
  14. ^ a b A New Realities Interview with William N. Thetford, Ph.D. Foundation for Inner Peace
  15. ^ クリモ, プラブッダ訳 1991, p. 74.
  16. ^ Kenneth Wapnick (1989). Love Does Not Condemn: The World, the Flesh, and the Devil According to Platonism, Christianity, Gnosticism, and 'A Course in Miracles'. Foundation for a Course in Miracles. ISBN 0933291183
  17. ^ http://www.jacim.com/acim/
  18. ^ Boa, Kenneth; Bowman, Robert M. (1997). An Unchanging Faith in a Changing World: Understanding and Responding to Critical Issues that Christians Face Today. Oliver Nelson. ISBN 9780785273523. https://books.google.com/books?id=hJuUtcoUOysC 2018年1月11日閲覧。 
  19. ^ Miller, D. Patrick (23 November 2011). Understanding A Course in Miracles: The History, Message, and Legacy of a Spiritual Path for Today. Berkeley, CA: Celestial Arts. ISBN 9780307807793. https://books.google.com/books?id=1ugFYKozgIgC 2018年1月11日閲覧。 
  20. ^ クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 77–81.
  21. ^ a b Carroll, Robert Todd (2003). The skeptic's dictionary: a collection of strange beliefs, amusing deceptions, and dangerous delusions. John Wiley and Sons. ISBN 978-0-471-27242-7. https://books.google.com/?id=6FPqDFx40vYC&pg=PA84&dq=skeptic+%22a+course+in+miracles#v=onepage&q=skeptic%20%22a%20course%20in%20miracles&f=false 
  22. ^ a b c クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 77–78.
  23. ^ クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 77.
  24. ^ a b クリモ, プラブッダ訳 1991, pp. 77–79.
  25. ^ ACIM Translations”. Foundation for Inner Peace. 2009年9月28日閲覧。
  26. ^ Bradby, Ruth, "A course in miracles in Ireland". 147 - 162 in Olivia Cosgrove et al. (eds), Ireland's new religious movements. Cambridge Scholars, 2011
  27. ^ Gary.R.Renard. Love Has Forgotten No One(邦訳『愛は誰も忘れていない』). HAY HOUSE,ナチュラルスピリット 
  28. ^ Dean C. Halverson, “Seeing Yourself as Sinless”, SCP Journal 7, no. 1 (1987): 23.
  29. ^ Groeschel, Benedict J., A Still Small Voice (San Francisco: Ignatius Press, 1993) 80
  30. ^ Groeschel, Benedict J., A Still Small Voice (San Francisco: Ignatius Press, 1993) 82
  31. ^ Newport, John P. (1998). The New Age movement and the biblical worldview: conflict and dialogue. Wm. B. Eerdmans Publishing. ISBN 978-0-8028-4430-9. https://books.google.com/?id=Rxss1cqHWYIC&pg=PA176&dq=%22a+course+in+miracles%22+christian+criticism#v=onepage&q&f=false 


「ACIM」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ACIM」の関連用語

ACIMのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ACIMのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのACIM (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS