1996年の国際ツーリングカー選手権 1996年の国際ツーリングカー選手権の概要

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1996年の国際ツーリングカー選手権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 11:55 UTC 版)

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1996年の国際ツーリングカー選手権
前年: 1995 翌年: 2000

前年はドイツツーリングカー選手権と併催の形で実施されたが、今年度は統合して実施された。タイトルはマヌエル・ロイターオペルが獲得した。

シーズン概要

Alfa Romeo 155

参戦する3つのメーカーはシーズンを通してほぼ等しい力を持ち、接戦を繰り広げた。ロイター以外のオペルの勝者としては、ハンス=ヨアヒム・スタックがヘルシンキで、クラウス・ルドヴィックがノリスリンクで優勝した。オペルに次いでマニファクチャラー2位になったアルファ・ロメオは元ベネトンF1のアレッサンドロ・ナニーニを擁し、ナニーニはシーズン7勝を挙げてランキング3位に入った。チームメイトのニコラ・ラリーニはリタイアが多かったものの、シーズン後半に2勝を挙げフェラーリのテストドライバーが伊達で無かったことを証明した。

メルセデス・ベンツはマニファクチャラー3位となったが、他の2メーカーと遜色ない戦闘力を発揮した。DTMおよびITCの前年チャンピオン、ベルント・シュナイダーは4勝を挙げてランキング2位となった。一方前年2位のヨルグ・ファン・オーメンは1勝を挙げただけであった。ジュニアチームのドライバー - 後にスチュワート・グランプリからF1フル参戦するヤン・マグヌッセンインディカー・シリーズで成功するダリオ・フランキッティ - は開幕戦と最終戦でそれぞれ勝利した。フランキッティはランキング4位となり、マグヌッセンはシーズン中盤CARTに挑戦したことでタイトル争いに加わることはできなかった。このほかにも、ザウバーやベネトンでF1をドライブしたJ.J.レートがオペルをドライブ、ミナルディでF1をドライブしたジャンカルロ・フィジケラはアルファ・ロメオを、ポルシェ・スーパーカップの元チャンピオン、ウーヴェ・アルツェンがオペルをドライブした。

さらにティレルやジョーダンでF1をドライブしたステファノ・モデナはアルファ・ロメオをドライブ、チームメイトの元BTCCチャンピオン、ガブリエル・タルキーニはシルバーストーンで圧倒的な勝利を挙げたが、それ以外は不運に悩まされた。アルファ・ロメオのクリスチャン・ダナーも失意のシーズンを送った一人だった。ロイターのチームメイト、ル・マン24時間勝者のヤニック・ダルマス、シュナイダーのチームメイト、元DTMチャンピオンのクルト・ティームもシーズンを苦戦した。ティームはシーズン後半に後のF1ドライバー、アレクサンダー・ヴルツジェイソン・ワットと交代させられた。3メーカーともインテルラゴスと鈴鹿では地元ドライバーを起用した。このうちでドイツF3のレギュラードライバーであったマックス・ウィルソンは地元ブラジルで2位に入るという活躍を示した。

結局、タイトルは一貫して安定した成績を残したロイターの物となった。彼は序盤15戦で連続してポイントを挙げ、ポイントを残せなかったのは6戦のみであった。対照的にシュナイダーとナニーニはロイターよりも多くの勝利を挙げたにもかかわらず、両者はそれぞれ9戦、12戦でポイントを落とした。

主に元F1ドライバーから成る強力なドライバーラインナップと、表面上はメーカーの強力な支持を受けたシリーズであったが、不十分なメディア露出とテレビ中継に苦しめられた。人気のなさは活気の無い観客動員と共に、「クラス1」ツーリングカーを走らせるための莫大な費用と、シリーズ自体の僅かな収益の差に現れた。この差はインテルラゴスと鈴鹿という二つの長旅によって更に悪化した。シリーズは競争する車両が実際には販売されていない国でも実施された。これはアルファ・ロメオとオペルが、1997年シーズン末まで参戦するという立場を明らかにしていたにもかかわらず、9月に1996年シーズン終了後撤退することを発表する原因となった。唯一メルセデス・ベンツは1997年も参戦継続を表明していたが、シリーズは1996年を以て終了することとなった。

シリーズは2000年にドイツを拠点としたドイチェ・トゥーレンヴァーゲン・マスターズとして復活した。

1996年の参戦チーム・ドライバー

車番 ドライバー チーム 車両 出場ラウンド
1 ベルント・シュナイダー D2 メルセデス-AMG Mercedes C-Class 全戦
2 ダリオ・フランキッティ D2 メルセデス-AMG Mercedes C-Class 全戦
3 ヤン・マグヌッセン ヴァルシュタイナー メルセデス-AMG Mercedes C-Class 1-12, 17-26
ファン・パブロ・モントーヤ 13-14
リカルド・ゾンタ 15-16
4 アレクサンダー・グラウ ヴァルシュタイナー メルセデス-AMG Mercedes C-Class 1-12
ベルント・マイレンダー 13-26
5 ニコラ・ラリーニ マルティーニ アルファ・コルセ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
6 アレッサンドロ・ナニーニ マルティーニ アルファ・コルセ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
7 マヌエル・ロイター ヨースト・レーシングオペル Opel Calibra V6 4x4 全戦
8 オリバー・ギャビン ヨースト・レーシングオペル Opel Calibra V6 4x4 1-20, 23-26
関谷正徳 21-22
9 ステファノ・モデナ JASモータースポーツ アルファロメオ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
10 ミハエル・バルテルス イェーガーマイスター JASモータースポーツ アルファロメオ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
11 ヨルグ・ファン・オーメン UPS メルセデス-AMG Mercedes C-Class 全戦
12 クルト・ティーム UPS メルセデス-AMG Mercedes C-Class 1-22
クリスチャン・フィッティパルディ 23-24
鈴木亜久里 25-26
13 ジャンニ・ギューディッチ ギューディッチ・モータースポーツ Alfa Romeo 155 V6 TI 1-12
Opel Calibra V6 4x4 13-16, 19-22
14 ジャンカルロ・フィジケラ TV Spielfilm アルファ・コルセ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
15 クリスチャン・ダナー TV Spielfilm アルファ・コルセ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
16 ウーヴェ・アルツェン ザクスピードオペル Opel Calibra V6 4x4 全戦
17 クラウス・ルートヴィッヒ ザクスピードオペル Opel Calibra V6 4x4 1-18, 21-26
フォルカー・ストレイチェク 19-20
18 ガブリエル・タルキーニ JASモータースポーツ アルファロメオ Alfa Romeo 155 V6 TI 全戦
19 ジェイソン・ワット ボッシュ JASモータースポーツ アルファロメオ Alfa Romeo 155 V6 TI 1-22
マックス・ウィルソン 23-24
服部尚貴 25-26
21 エレン・ロール パーソン・モータースポーツ Mercedes C-Class 全戦
22 ベルント・マイレンダー パーソン・モータースポーツ Mercedes C-Class 1-12
アレクサンダー・グラウ 13-26
23 フォルカー・ストレイチェク オペル・チーム・ヨースト Opel Calibra V6 4x4 15-16
24 ヤニック・ダルマス ヨースト・レーシングオペル Opel Calibra V6 4x4 全戦
25 アレクサンダー・ヴルツ ヨースト・レーシングオペル Opel Calibra V6 4x4 1-22
トニー・カナーン 23-24
関谷正徳 25-26
43 J.J.レート チーム・ロズベルグ・オペル Opel Calibra V6 4x4 全戦
44 ハンス=ヨアヒム・スタック チーム・ロズベルグ・オペル Opel Calibra V6 4x4 全戦



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