高カリウム血症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/02 23:27 UTC 版)
カリウムの人体内のふるまい
維持輸液で必要なカリウムは一日あたり20 - 40mEqであるが、経口摂取では一日50 - 100mEq必要であるといわれている。正常人ではカリウムは摂取量と同じだけ尿中に排出されることが知られている。即ち、腎障害がなければ尿中カリウム量からカリウム摂取量を予測することができる。尿中のカリウム排出の調節はCCT(皮質部集合管)で行われる。ここはカリウムの尿中への分泌を行う器官であり、体内のカリウムが過剰なときはカリウム分泌を促進させホメオスタシスの維持を行う。CCTでのカリウム分泌量調節因子としては以下のものが知られている。
高カリウム血症の場合はそれが腎障害による排泄低下によるものか、過剰摂取によるものかを区別する必要がある。これは部分排泄率を用いることで簡単に区別することができる。カリウム部分排泄率 (FEK) は通常12.5 - 25%である。血清カリウムが上昇しており部分排泄率が増加していれば摂取過剰であり、低下していれば腎からの排出の低下である。これは摂取量が多ければ本来尿中排出量は増加し、少なければ低下するというホメオスタシスの直感に矛盾しない。
参考文献
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- ^ “医療用医薬品 : ポリスチレンスルホン酸Na (ポリスチレンスルホン酸Na「フソー」原末)”. www.kegg.jp. 2023年9月14日閲覧。
- 1 高カリウム血症とは
- 2 高カリウム血症の概要
- 3 症状
- 4 治療法
- 5 カリウムの人体内のふるまい
- 6 関連項目
高カリウム血症と同じ種類の言葉
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