駒 (将棋)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/28 08:45 UTC 版)
駒箱と駒袋
駒は、対局時の際には金襴などでできた巾着袋に入れた上で、10センチ四方、高さ8から9センチの駒箱にしまわれる。
駒箱
駒箱は、駒箱の材は、黒柿、神代欅、タモのような銘木を使用する漆塗り、組子入れ、隅丸、四隅落とし、天むくりなど職人の技が駆使された工芸品として価値の高いものを使用する。また駒台と同じ材を使い駒台と対とする駒箱もある。対局が終えると安価な駒は桐の白木の箱にしまわれるが、高価な駒は平箱という面が広く平べったい箱に駒を一枚ずつ並べてしまわれる。棋戦などで使用された駒は平箱に棋戦の名と対局年月日、場所が明記され、対局者と立会人の署名と落款がされる。
駒袋
駒袋の材料は和服に使用される金襴でできた巾着袋である。素材は絹、綿などがある。
用語
- 持ち駒
- 相手から取って駒台に置かれ、ルールで禁じられていない位置であれば盤上のどの位置でも任意に配置することができる駒のこと。
- 合駒
- 王手を防ぐために使われる駒(具体的には、玉と王手をかけてきた走り駒(飛・竜・角・馬・香)の間に置かれる駒)のこと。
- 成駒
- 裏返して元々の動きと異なる動きができるようになった駒のこと。
- 質駒
- まだ相手の駒だが、いつでも取って持ち駒にできると考えられている駒のこと。
- 隠し駒
- 相手に見せずに隠している持ち駒のこと。ルール違反である。
- 捨て駒
- 相手に取らせた上で全体の局面を有利に進めることを目的とした駒のこと。
- 遊び駒
- 攻防に有効に働かないまま盤上に置かれている駒のこと。
- 邪魔駒
- 自駒によってかえって攻め又は守りに邪魔になっている駒のこと。
文字コードでの駒の表現
- 新聞などの紙面上では将棋の駒のシンボルを使用することが多い。
- 2000年に定められたJIS X 0213では、白将棋駒「☖」と黒将棋駒「☗」が追加された。
- それ以前よりARIBが定めた文字コード(ARIB外字)では上記2種類のほかに、上記を逆向きにした「⛉」と「⛊」もあり、2009年にUnicode5.2に追加されている。
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
☖ | U+2616 |
1-6-68 |
☖ ☖ |
白将棋駒 |
☗ | U+2617 |
1-6-69 |
☗ ☗ |
黒将棋駒 |
⛉ | U+26C9 |
- |
⛉ ⛉ |
☖の逆 |
⛊ | U+26CA |
- |
⛊ ⛊ |
☗の逆 |
- ^ 佐々木忠蔵 編『勤王家吉田大八先生』吉田大八伝刊行会、1933年10月。 NCID BB24740090。
- ^ 斎藤 & 堀 2003.
- ^ 『常識なのに!大人でも答えられない都道府県のギモン』(2019年12月5日、村瀬哲史著、宝島社発行)121ページ。
- ^ 原田 2004, p. 41.
- ^ 増山雅人 (2014年7月). “酔棋流書き駒1―「書き駒教室」用の書き駒”. 駒の詩. 酔棋制作駒. 2018年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月15日閲覧。
- ^ 原田 2004, p. 58. 森内俊之の証言。
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