配牌 一度振りと二度振り

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 配牌の解説 > 一度振りと二度振り 

配牌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 03:08 UTC 版)

一度振りと二度振り

二度振りの例
出目
1回目
開門する山 2回目の
サイ振り
出目
2回目
出目
合計
開門位置
5 東家の山 東家 2 7 東家の山の右から7幢目
10 南家の山 南家 5 15 南家の山の右から15幢目
7 西家の山 西家 6 13 西家の山の右から13幢目
12 北家の山 北家 12 24 北家の山の右から24幢目[6]
2 南家の山 南家 2 4 南家の山の右から4幢目[7]

開門位置決定のサイコロを一度振るか二度振るかの取り決めである。一度振りなら開門位置は前述の表のようになるが、二度振りでは出目と開門位置の対照が複雑化する。二度振りにおける開門位置の決定手順は以下の通り。

  1. 親が一度目のサイコロを振り、どの山を割るか決める
  2. 一度目のサイコロで指定された位置にいるプレイヤーが、二度目のサイコロを振る
  3. 一度目の出目と二度目の出目を合計する
  4. 二回の出目の合計を「X」とすると、一度目のサイコロで指定された牌山の、右端から数えてX番目を割り、これを開門位置とする

通常の一度振りの場合、南家の山なら右から2幢目か6幢目か10幢目が開門位置になる。東家の山なら右から5幢目か9幢目が開門位置である。すなわち一度振りでは、それぞれの山と開門位置の対応が固定されている。しかし二度振りではこの法則が崩れ、二度サイコロを振る結果、南家の山の右から13幢目が開門位置になったり、東家の山の右から14幢目が開門位置になったりする(それぞれ右2+11、右6+7、右10+3などで右13。自5+9、自9+5などで自14)。このように開門位置の固定的対応を崩せば、イカサマ師の積み込みは成功しにくくなる[8]

しかし積み込みの心配をせねばならなかったのは全自動卓が登場する以前の手積み時代のことで、全自動卓の登場によって積み込み師が賭場から退場してゆくと、サイを二度振りにする意味はなくなった。その結果二度振りの習慣は廃れ、自動卓完備のフリー雀荘等ではもっぱら一度振りが支配的である。

一部のルールブックにも言及が見られる。いわく、「全自動卓の普及によって積み込みの心配がなくなれば、一度振りのほうが分かりやすくていい」[9]とある。

なお、仲間内などで手積みの麻雀を打つ場合は、念のためではあるが二度振りにする余地はある(イカサマの可能性がないのであれば、開門の決定がただ煩雑になるだけである)。


  1. ^ 日本プロ麻雀協会. “日本プロ麻雀協会 麻雀用語講座バックナンバー”. 2012年2月1日閲覧。
    チョンチョンは正しくは「跳牌」(ちゃおぱい)という。日本プロ麻雀協会HPでは「親が配牌の13枚目と第1ツモにあたる14枚目を同時に取る動作のこと」と定義されている。
  2. ^ 井出洋介監修『平成版 麻雀新報知ルール』報知新聞社1997年ISBN 978-4831901187、p37大意。
  3. ^ AMOS ULTIMA - 配牌完了型全自動卓「アモスアルティマ」の商品概略ページ。ドラ出し機能だけでなく、一発配牌機能もオン/オフが可能である。
  4. ^ 上がってくる配牌を13枚ではなく12枚に設定することも可能である[1]。その場合、親がチョンチョンを取り、子方3人がそれぞれ13枚目を牌山から取得することで配牌が完了する。
  5. ^ 親の配牌が14枚ではなく13枚なのは、親の移動(連荘か親流れか)が決まるのが、前局中に牌がセットされた後であるためである。次局の親の位置は前局の結果に依存するので、卓の内部で14枚目をどの位置にセットするかが予め決定できない。したがって全員の配牌を13枚でセットし、親も第一ツモをツモるという形になる。
  6. ^ 24が二度振りの最大の出目である。17幢積みの場合、実際には西家の山の右から7幢目が開門位置になる。
  7. ^ 4が二度振りの最小の出目である。いわゆる二の二の天和の開門位置でもある。
  8. ^ ただし二度振りにすれば完全に積み込み技を殺せるというわけではない。1回目で自5を出し、2回目で積み込んだ位置に合わせてサイの目を出せば、ドラ爆は可能である。自5の次にピンゾロの2を出せば、六間積みの8枚爆弾もぎりぎり可能である。また、コンビ打ちの南家と示し合わせて天和を作る「二の二の天和」という積み込み技も(フィクションの中の話ではあるが)有名である。
  9. ^ 井出洋介監修『平成版 麻雀新報知ルール』報知新聞社1997年ISBN 978-4831901187、p35。
  10. ^ パッコロ - Amazon.co.jp
  11. ^ パッコロ - 楽天市場
  12. ^ 浅見了 Tile colection (36) パッコロ
  13. ^ a b 大隈秀夫『マージャン金言集』光文社、1974年。p121-p122。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「配牌」の関連用語

配牌のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



配牌のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの配牌 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS