足袋 足袋の素材

足袋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/12 09:51 UTC 版)

足袋の素材

皮足袋では、熊皮、鹿皮、猿皮が用いられた[2]。毛皮を使ったものは毛足袋(けたび[5]、アブケグルミ[6]、すべ[7])という。

木綿足袋は平織で白生地の足袋が一般的である[2]。一般的には表/裏/底共に綿素材が使用されるが戦後化繊の流入により綿/ポリエステル混紡生地やナイロン糸トリコット足袋などが発生してきた。素材別の足袋は綿などの織物トリコットなどの編み物に分類される。綿等の織物で作られた足袋は大きく伸縮することが難しいのでサイズ構成もセンチ単位だが、編み物等ニット製品で作られた足袋は伸縮にゆとりがあるため、多くはS/M/L/2L/3L/4Lとサイズ表示される。

足袋の寸法

かつては文数で表記されていたが、現在はcm表記が広く用いられている。更に各メーカーに独自の幅表記がある。ほとんどの既製品は人差し指の先が親指より短くなっているが、人差し指が親指より先に出る型もメーカーによっては少数ながら生産されている。

足袋カバー

足袋カバーは和装で訪問などを行なう際、屋外移動時に装着中の足袋を汚れから保護する目的で重ね履きする足袋型のカバーである。基本的な構造は通常の足袋と変わらないが、汚れが付きにくい素材を使用する。また足袋の汚れ防止目的で装着するため、マナーとして訪問先の座敷に上がる前に玄関先で取り外す必要があることから、短時間で簡単に脱着できるよう留め具にはコハゼを使用しない靴下状の物もある。さらに和装のまま家事を行なう際に足袋の上から重ね履きする場合もあり、活動しやすいよう底がゴムで滑り止め加工されていたり、本体に撥水加工が施された足袋カバーも存在する。

生産

埼玉県行田市にあるかつての大規模足袋工場[8]

経済産業省2010年度に行った工業統計調査によると、全国足袋類の年間出荷額は約26億円である[9]

都道府県別に見ると、徳島県の年間出荷額は約8億円。次いで埼玉県が約5億円で、岡山県が約1億円となる。

徳島県は全体出荷額の約30%を占めており、足袋の名産地として知られている。

2004年4月に徳島県足袋工業会の足袋が、徳島県伝統的特産品に選出される[10]

1938年時点では埼玉県で8400万足が生産されており、行田足袋として知られる埼玉県行田市が全国生産の約80%を占めていた時代もあった。行田市にある足袋の保管庫は足袋蔵と呼ばれ、「足袋蔵のまち行田」として日本遺産に認定されている。また、「行田の足袋製造用具及び製品」が国の登録有形民俗文化財となっている。


  1. ^ a b c 意匠分類定義カード(B2) 特許庁
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 奥平志づ江, 原ますみ「足袋について」『家政研究』第14巻、文教大学女子短期大学部家政科、1982年1月、9-12頁、NAID 120006420950 
  3. ^ 『風俗辞典』 東京堂出版、p.448 足袋
  4. ^ 「別珍たび出回る」『日本経済新聞』昭和25年12月1日3面
  5. ^ 郷土史研究講座: 第15号 1933
  6. ^ 阿仁マタギの狩猟用具 サイト:北秋田市
  7. ^ 毛足袋;スベ”. khirin-a.rekihaku.ac.jp. 国立歴史民俗博物館. 2024年3月4日閲覧。
  8. ^ 日本遺産 足袋蔵めぐり - 行田市観光協会. 2018年2月3日閲覧。
  9. ^ 経済産業省
  10. ^ 徳島県
  11. ^ 外反母趾の予防に冷えの解消…足袋のすごい健康効果!” (2017年12月3日). 2017年12月16日閲覧。


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