責任ある漁業 マルガリータ・リザラガ・メダル(Margarita Lizárraga Medal Award)

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責任ある漁業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/06 13:43 UTC 版)

マルガリータ・リザラガ・メダル(Margarita Lizárraga Medal Award)

FAOは、1997年の第29回FAO総会の決定に基づき、2年に一度、「行動規範」の適用に目覚しい成果を挙げた個人または組織に対して、FAO理事会の推薦に基づき「マルガリータ・リザラガ・メダル(Margarita Lizárraga Medal Award)」を授与している。このメダルは、「行動規範」の策定と適用、及び、特に途上国における漁業振興に尽力したFAO上席漁業連絡調整官(Senior Fishery Liaison Officer)マルガリータ・サウセード・リザラガ博士(Dr. Margarita Saucedo Lizárraga)の貢献を称えて創設された。受賞者・組織の選考は、FAO水産養殖局長とFAO水産委員会議長などから構成される選考委員会によって、あらかじめ決められた基準に基づいて行われ、その結果が理事会に提案される。

1999年以降、これまで8回の授与が行われており、それぞれの受賞者・組織は以下の通りである。

1999年 National Fisheries Solidarity (NAFSO)

NAFSO は、スリランカの漁業関連非政府団体(NGO)であり、「行動規範」のシンハラ語訳と配布、漁村における会合の開催によるその理解の促進などの功績により受賞した。

2001年 Canada Responsible Fisheries Board and its Secretariat

「行動規範」に基づきカナダの国内行動規範を策定し、責任ある漁業管理に貢献するとともに政府と民間の漁業セクターとの新たな協力関係を築いた功績により受賞した。

2003年 International Collective in Support of Fishworkers (ICSF)

ICSFは、インドに本部を持つ漁業関係の国際NGOであり、ワークショップの開催や広報活動による「行動規範」の普及、特に途上国における人材育成などの功績により受賞した。

2005年 Agreement on the International Dolphin Conservation Program (AIDCP)

AIDCP は、全米熱帯まぐろ類委員会(Inter-American Tropical Tuna Commission (IATTC))が事務局を勤める国際取り決めであり、特に予防的アプローチと漁具漁法の改良により、東部太平洋のマグロまき網漁業におけるイルカの混獲を大幅に削減した功績により受賞した。

2007年 Southeast Asian Fisheries Development Center (SEAFDEC)

SEAFDEC (東南アジア漁業開発センター)は、タイに本部を持つ地域国際機関であり、東南アジア地域において「行動規範」の地域化を進め、漁業操業、養殖、漁業管理、漁獲後の処理と貿易の4つの分野で地域ガイドラインを作成し、同地域での「行動規範」の適用に貢献した功績により受賞した。

2009年 Honourable Dr Abraham Iyambo, Minister for Fisheries and Marine Resources in Namibia

ナミビアの漁業海洋資源大臣であるイヤンボ博士は、「行動規範」の適用に関し、責任ある漁業の研究、政策、管理の面で、国家、地域及び国際的なリーダーシップを発揮した功績により受賞した。

2011年 Network of Aquaculture Centres in Asia-Pacific (NACA)

NACA (アジア・太平洋養殖センターネットワーク)は、タイに本部を持つ地域国際機関であり、アジア・太平洋地域において持続的な養殖開発を進め、同地域での「行動規範」の適用に貢献した功績により受賞した。

2013年 La Organización del Sector Pesquero y Acuícola del Istmo Centroamericano (OSPESCA)

OSPESCAは、エルサルバドルに本部を持つ地域漁業機関であり、特に小規模漁業・養殖業に対する支援や政策・指針などの策定により、中米地域の行動規範の適用に貢献した功績により受賞した。

2015年 The Stop Illegal Fishing (SIF) Working Group

SIF WGは、ボツワナに事務局をもつNEPADのPartnership for African Fisheries Programmeの一環として作られた組織であり、途上国では資金や人材の不足で取り組みの難しい違法、無報告、無規制(IUU)漁業対策に、情報交換や地域協力の促進により取り組み、比較的限られた資金や人材でも、強い政治的意思があれば多くのことが実行可能であることを示し、他の地域的取り組みのモデルとなった功績により受賞した。

2017年 The Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living Resources (CCAMLR)

CCAMLR (南極の海洋生物資源の保存に関する委員会)は、オーストラリアに事務局を置く地域漁業管理機関であり、南極の海洋生物資源を保存(合理的利用も含む)するために必要な科学的研究を促進し、保存措置を決めている。CCAMLRは、条約水域における海洋生物資源の保存・管理措置を「行動規範」に沿って、特に、予防的かつ生態系に配慮した手法により実施し、環境保存と資源の合理的利用とのバランスを図っていることが評価され、他の地域漁業機関のモデルとなった功績により受賞した。

2019年 The research vessel "Dr Fridtjof Nansen" of the Norwegian Agency for Development Cooperation (Norad)

ノルウェー政府の開発援助機関である「the Norwegian Agency for Development Cooperation (Norad)」の調査船「フリチョフ・ナンセン博士」号は、40年以上にわたり特にアフリカ地域の途上国の漁業調査と管理に携わり、生態系アプローチの適用等を通じて持続的な漁業管理の枠組み作りに貢献。その活動が、関係国の間の漁業調査・管理における協力と信頼関係を形成し、責任ある漁業を支援するために極めて重要な役割を果たしてきた功績により受賞した。


  1. ^ Ⅱ.反漁業キャンペーンの是正を ― 野村FAO水産局長が会見, News海の幸, No46. 2004年 3月号
  2. ^ 米国を中心とした環境保護団体の反漁業の動き 水産庁が「日本のはえ縄漁業を対象にした組織的行動」と分析, EICネット, 2003.05.20
  3. ^ 米澤邦男「欧米マスコミに燃え盛る漁業非難キャンペーンとその真の狙い」『農林経済』時事通信社、1998年8月6、10日。 
  4. ^ 『検証 国家戦略なき日本』 読売新聞政治部 新潮社 ISBN 410136771X 145、146頁
  5. ^ 『検証 国家戦略なき日本』 112頁






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