蓬萊社 倒産

蓬萊社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 09:32 UTC 版)

倒産

前述したように蓬萊社の制度には先進的な面もあったものの、予定した出資金が実際には少ししか集まらず資本不足であったこと、手を広げすぎた各事業が期待に反してあまり利益を上げられなかったことなどから、蓬萊社は1876年(明治9年)8月に倒産するのである。

蓬萊社の史料と研究

蓬萊社の一次史料は散失し残っているものは乏しく、鴻池家文書や大町桂月による伝記などわずかであり、したがって多くのことは不明である。蓬萊社の研究は鴻池家文書などを精緻に分析した宮本又郎によるものが最初であり、工業、鉱業など各論についてはそれぞれの専門家が分析を行っている。

脚注

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参考文献

  • 宮本 又郎「明治初期の企業と企業家」『上方の研究』第2巻、清文堂出版、1975年、 pp.266-298。
  • 成田 潔英『王子製紙社史 附録篇』、王子製紙株式会社、1959年。
  • 社団法人糖業協会 編集『近代日本糖業史』上巻、勁草書房、1962年。
  • 樋口 弘『日本糖業史』、味灯書屋、1956年。
  • 佐々木 正勇「神岡鉱山における蓬莱社(後藤象二郎)の活動について」『鎌田博士還暦記念 歴史学論叢』、鎌田先生還暦記念会、1969年、 618-635頁。
  • 小林 正彬「後藤象二郎より買収以後の三菱高島炭坑」『経済系』215集、関東学院大学経済学会、2003年、 71-87頁。
  • 村上 はつ「ほうらいしゃ」『国史大辞典』第12巻、吉川弘文館、1991年、 654-655頁。

注釈

  1. ^ 国史大辞典第12巻p654では明治3年(1870年)となっている[1]。これは大町桂月による後藤象二郎伝記によると思われるが、鴻池家文書からは1872年(明治5年)以降である。ただし、蓬萊社の前身たる六海社などの活動は早くからあった[2]
  2. ^ 明治時代の1円の価値は換算する基準によって大きく異なるものの人件費を基準にすると現代の2万円程度、物価を基準にすると3800円程度と換算する向きもある[12]

出典

  1. ^ a b c 村上1991、654-655頁。
  2. ^ 宮本1975、278頁。
  3. ^ 宮本1975、267頁。
  4. ^ 宮本1970、100-106頁。
  5. ^ 小林2003、74頁。
  6. ^ 宮本1970、106-107頁。
  7. ^ 樋口1956、269頁。
  8. ^ 中央区今昔物語 第18回蓬莱社” (日本語). 東京都中央区. 2014年2月14日閲覧。
  9. ^ a b 宮本1975、269-272頁。
  10. ^ 佐々木1969、619頁。
  11. ^ 小林2003、75-77頁。
  12. ^ man@bou日本と世界のお金の歴史 雑学コラム 明治時代の「1円」の価値ってどれぐらい?” (日本語). 野村ホールディングス、日本経済新聞. 2014年1月3日閲覧。
  13. ^ 宮本1975、267-277頁。
  14. ^ 宮本1975、276-278頁。
  15. ^ 宮本1970、104頁。
  16. ^ a b c 宮本1970、101-102頁。
  17. ^ 宮本1970、102-103頁。
  18. ^ 小林2003、74-83頁。
  19. ^ a b 樋口1956、264-268頁。
  20. ^ a b c 糖業協会1962、164-174頁。
  21. ^ 成田1959、20-26頁。
  22. ^ a b 成田1959
  23. ^ 佐々木1969、618-630頁。
  24. ^ 宮本1970、94-100頁。


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