空気分離装置 概要

空気分離装置

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 05:06 UTC 版)

概要

空気分離装置のプロセスには下記の3種類が実用化されている。なお、各プロセスのシェアは2010年代において、深冷分離、吸着分離、膜分離の順に高い。

深冷分離法
空気を極低温(一般に-170℃以下)まで冷却し、液化させ蒸留により分離する方法。 酸素・窒素・アルゴンなど、空気中の組成物のほぼ全てを高純度で得ることができる[1]。一方、極低温までの冷却が必要となるため、設備が大きくなる、起動に時間がかかるというような欠点がある。なお、酸素量8,000Nm3/h以上の大規模な空気分離装置は、ほぼすべて深冷分離法を採用している。
吸着分離法
ゼオライトのような吸着剤は窒素を選択的に吸着する。この吸着特性により、空気を分離する方法のこと。通常、アルゴンと酸素を分離できないので高純度の酸素を得ることは難しい。深冷分離法と比較して、設備がコンパクト、低コスト、起動が早いなどの特徴がある。欠点としては、バルブの切り替えが頻繁、吸着剤の劣化等メンテナンスコストが高いこと、大型化(酸素量8,000Nm3/h以上)が難しいことが挙げられる[2]
膜分離法
ポリイミドなどの高分子膜では、酸素・窒素の透過速度が異なる[注釈 1]。吸着分離法と比較してさらにシンプルかつ、コンパクトなプロセスである。とはいえ、吸着分離と比較してエネルギー消費量が大きい、設備コストが高いなどの課題があるため、吸着分離法よりも低いシェアとなっている。

脚注

参考文献

  • 日本高圧力技術協会『化学機械の技術進歩と将来動向 : HPI技術セミナー : 平成11年度』日本高圧力技術協会、1999年。 

注釈

  1. ^ 酸素・窒素では酸素の方が透過速度は速い。

出典

  1. ^ 日本高圧力技術協会『化学機械の技術進歩と将来動向 : HPI技術セミナー : 平成11年度』日本高圧力技術協会、1999年。 
  2. ^ 浅野浩一 (June 2015). 高効率酸素製造技術の開発動向-石炭火力発電における酸素製造設備 (Report).


「空気分離装置」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「空気分離装置」の関連用語





5
38% |||||






空気分離装置のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



空気分離装置のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの空気分離装置 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS