白血球 好酸球

白血球

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 11:21 UTC 版)

好酸球

好酸球(好酸性白血球)(Eosinophil,Acidophil)は、末梢血内の白血球の2から5%を占める[2]。普通染色でエオジン親和性のピンクから橙黄色に染まる均質・粗大な顆粒(好酸性顆粒)が細胞質に充満し、核は多くは2分葉で細いクロマチン糸でつながれ、細胞周縁に偏在する[1]

好酸球も弱い遊走・貪食能力を持つが、主な役割では寄生虫・寄生虫卵の傷害あるいはアレルギー反応の制御を行う。

I型アレルギー、寄生虫の感染などで増殖する。

また、ストレスや副腎皮質ホルモン分泌時に減少する。

好塩基球

好塩基球(好塩基性白血球)(Basophil)は、末梢血内の白血球の1%以下である[2]

普通染色の塩基性色素により、暗紫色に染まる大型の顆粒(好塩基性顆粒)を持つ。

肝臓肥満細胞と似ており、細胞表面にIgEに対するレセプターをもち、抗原刺激によって脱顆粒反応を起こし、血管作動性タンパク質であるヒスタミンを遊離し、凝固阻止因子であるヘパリンを分泌することにより血液の血管内凝固を防止している。

生体の免疫機能に関与していると考えられるが、はっきりとした存在意義は不明である[8]

リンパ球

リンパ球(Lymphocyte)は、末梢血の白血球のうち20〜40%ほどを占める[2]、比較的小さく(6〜15µm)[9]、細胞質の少ない白血球。その大きさから小リンパ球(6〜9µm)と大リンパ球(9〜15µm)とに分類されることがあるが、この分類に絶対的な基準はない。抗体(免疫グロブリン)などを使ってあらゆる異物に対して攻撃するが、特にウイルスなどの小さな異物や腫瘍細胞に対しては、顆粒球ではなくリンパ球が中心となって対応する。NK細胞B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)などの種類がある。体液性免疫、抗体産生に携わるのはB細胞とそれをサポートするヘルパーT細胞で、腫瘍細胞やウイルス感染細胞の破壊など細胞性免疫に携わるのはキラーT細胞やNK細胞である。寿命は数日から数箇月、時には年単位である。骨髄で未熟な状態で産出された後、胸腺(T細胞)や骨髄など(B細胞)で成熟し、さらにはリンパ節に移動し、そこでも増生・成熟が行われるなど、複雑な経過をたどる。

単球

単球(Monocyte)は骨髄で産出され、末梢血の白血球のうち3〜6%を占める[2]。白血球細胞の中で最も大きく(20〜30µm)[10]、切れ込みの入ったを持つことが多い。単核白血球ともいう。単球は、感染に対する免疫の開始に重要であり、アメーバ様運動を行って移動することができ、細菌などの異物を細胞内に取り込み、細胞内酵素を使って消化する。断片化した異物を、もともと細胞質内に持っていたクラスII MHC分子と結合させ、細胞表面に提示し、これをヘルパーT細胞が認識する。こうして免疫反応が開始される。また単球は血管外の組織体腔に遊走し、そこで組織固有のマクロファージ(大食細胞)、樹状細胞破骨細胞に分化する。あるいは、単球とは血管内に存在しているマクロファージ/樹状細胞と考えることもできる。マクロファージ/樹状細胞は存在する組織ごとに適応し、異物の呑食、体液性免疫細胞への抗原提示の他に、不要になった体細胞の処理、各種サイトカインの放出、骨髄において赤血球の育成などさまざまな役割を果たす。寿命は血液中では1日以下から数日、組織中では数日から数か月、時には数年である。


  1. ^ a b c 小川『内科学書』p.15
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 日本検査血液学会編、スタンダード検査血液学第2版、医歯薬出版、2008、p.50
  3. ^ 高久史麿監修『臨床検査データブック 2003-2004』(医学書院、2003)、 p.307
  4. ^ 『臨床検査データブック 2003-2004』p.307
  5. ^ a b c d e 小川 哲平、大島 年照、浅野 茂隆編著、血液学、内外医学社、1991
  6. ^ Brinkmann V, et al. Neutrophil extracellular traps kill bacteria. Science 2004: 303; 1532-1535.
  7. ^ Zawrotniak M, et al. Neutrophil extracellular traps (NETs)-frmation and implications. Acta Biochim Pol 2013: 60; 277-284.
  8. ^ 小川『内科学書』p.18
  9. ^ a b 日本検査血液学会編、スタンダード検査血液学第2版、医歯薬出版、2008、p.48
  10. ^ a b 日本検査血液学会編、スタンダード検査血液学第2版、医歯薬出版、2008、p.47
  11. ^ Public Library of Science


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