時間割 時間割の編成

時間割

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 09:52 UTC 版)

時間割の編成

  • 時間割の原理・法則に基づいて時間割を編成する作業はコマ入れとかコマ割りなどと呼ばれ、さながらパズルを組み上げるようである。数学的には一種のスケジューリング問題であり、組合せ最適化の分野に属する。コンピュータの普及も手伝って、時間割編成のソフトウェアも開発されている。[2]
  • 各学校に時間割担当の教員が存在し、中心となって編成を行う。学校によって作成方法はまちまちだが、昔ながらのマグネットの駒を用いた時間割編成板(通称コマ盤)を用いて手動で作る方法。時間割編成ソフトに条件を入力し、パソコンの画面上で微調整を加えながら編成していく方法などがある。[3]
  • 時間割編成は教務にとって、年度最初で最大の山場である。4月初めの会議で担任割・教科の先生の割り当てなどが決められ、それから始業式までに(厳密には各教員が教科の準備、クラスの配布物・掲示等を準備する猶予をもたせて)時間割編成を完了させなければならないのである。従って正確にすばやく練り上げる技術が必要となる。時には深夜まで作業を続けるなど急ピッチで作業が進められているのである。

時間割の編成の複雑化

近年、複数のクラスの合同授業や少人数習熟度別クラス編成など、授業形態が多様化するとともに、時間割の編成は複雑化してきた。また、学習指導要領の改定により総合的な学習の時間が導入されるなどとともに、必修教科の時数が削減されるようになってきた。学校では1年間を35週間で計算するため、各教科等の年間配当時数は35の倍数であることが基本とされていたが、この削減にともない、35の倍数とする基本が崩れてきた。その対策とし、単位数を2.5などとして同じ時間(たとえば、火曜1限の1-7)に「音/体/美/体」とか「社/体」など隔週あるいは月に1回のみの授業など、週替わりのコマをもうけたり<年間一貫の時間割>、年度内に時間割を何度も改定し授業時間数を満たす方法(例:6月までは音楽が週2時間。9月までは美術が週2時間。11月からは体育が週3時間など、週あたりの時間数を変更し、1年を通じて時間数2.5が満たせる。)がある。ただし後者の方式だと、たとえば3年1~5組の社会を担当している教員が、週2時間のときは2*5クラス=10時間なのに対し、週3時間のときは3*5クラス=15時間となり、時期によって忙しいときと、空き時間だらけの時期が生ずるという問題も起こっている。

いわゆる「選択科目」が多数設定される場合、該当科目の担当教員全員が授業可能な時間帯を選んでコマを配置する必要がある。

時間割の自己設定

ほぼ全ての大学やごく一部の高等学校(総合高校や単位制による高校)の中には、学校が全学生・生徒の時間割を指定せず、学生・生徒が学校が提示した授業の開講スケジュールを元に時間割の作成を任せているところもある。この方法では、学生・生徒は学校から事前に配布されたシラバスと開講スケジュール表を参照し、学習指導要領や学校の履修規定に従って履修する科目を選んで時間割を作成する。ただし、一部必修とされる授業では人数の都合で、複数コマ開講されても、時間が指定されて受講させられる場合があり、この場合は学校側が一部時間割を作成していると受け取る事もできる。

結局時間割作成に手間を要するのはもちろんのことであるが、その手間を負担するのが教師ではなく学生・生徒である点が、この方法の大きな特徴である。

この方法は、学生・生徒にとっては履修したい科目を自由に選べる利点があるが、履修したい科目の開講が希望の時間でなかったり、必修科目と同じ時間にあるために履修できなかったりすることもある。教師にとっては、自らが担当する科目と他の必修科目との競合や、授業をする教室の確保、校務分掌の時間の確保など、いくつかの配慮を要する必要はあるものの、自ら担当授業の時間割を設定することが可能である。ただし、これに先立ってシラバスの準備が必要となる。




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