抗てんかん薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/19 07:46 UTC 版)
その他の抗癲癇薬
- カンナビジオール(CBD)
- 商品名エピディオレックスは、大麻の成分であるカンナビジオール(CBD)を用いた医薬品で、2018年にアメリカで医薬品として承認された。GWファーマシューティカルズが臨床試験を行っていた。日本では有効成分CBDを含む商品は、健康食品として一般に販売されている。
- カンナビジオール(CBD)では、乱用、依存、身体依存、耐性はみられない[4]。
- この成分の多い医療大麻を用いた小児治療抵抗性てんかん19人の試験では、ドラベ症候群、Doose症候群、レノックス・ガストー症候群といった癲癇の患者であり、16人(84%)が発作を軽減し、うちわけは2人(11%)は完全に消失、8人(42%)は80%以上の減少、6人(32%)は25~60%減少させた[9]。
主な抗癲癇薬のイオンチャネルへの作用
主な抗癲癇薬のイオンチャネルへの作用としてはNaチャネル抑制、T型Caチャネル抑制、非T型Caチャネル抑制、GABA類似作用、グルタミン酸の抑制に大別される。
物質名 | 商品名 | Naチャネル抑制 | T型Caチャネル抑制 | 非T型Caチャネル抑制 | GABA類似作用 | グルタミン酸の抑制 |
---|---|---|---|---|---|---|
フェニトイン(PHT) | アレビアチン | +++ | ― | + | + | ― |
フェノバルビタール(PB) | フェノバール | ++ | ― | + | ++ | ++ |
カルバマゼピン(CBZ) | テグレトール | +++ | ― | + | + | + |
バルプロ酸(VPA) | デパケン | ++ | + | + | ++ | + |
エトスクシミド(ESM) | エピレオプチマル | ― | +++ | ― | ― | ― |
ベンゾジアゼピン系 | リボトリール | + | ― | + | +++ | - |
ゾニサミド(ZNS) | エクセグラン | + | ++ | + | ― | ++ |
ガバペンチン(GBP) | ガバペン | - | - | ++ | ++ | - |
トピラマート(TPM) | トピナ | ++ | - | + | ++ | ++ |
ラモトリギン(LTG) | ラミクタール | +++ | ― | ― | ― | + |
新規抗癲癇薬
日本において2006年以降に承認されたガバペンチン、トピラマート、ラモトリギン、レベチラセタムなどを新規抗癲癇薬という。これらの作用機序はシナプス小胞の放出減少以外、旧来の抗癲癇薬の作用機序を組み合わせたものにすぎない。しかし相互作用、一部の副作用は軽減されている。2016年4月AMPA受容体拮抗薬であるペランパネルが製造承認された[10]。ペランパネルは、癲癇発作が神経伝達物質グルタミン酸に誘導されることから創製された、既存の薬剤とは異なる新しい作用機序を有した薬剤である[10]。
物質名 | 商品名 | GABA受容体の増強 | 電位依存性Naチャネルの抑制 | グルタミン酸受容体の阻害 | 炭酸脱水素酵素阻害 | 電位依存性Caチャネルの阻害 | シナプス小胞放出阻害 |
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ガバペンチン(GBP) | ガバペン | あり | なし | なし | なし | あり | なし |
トピラマート(TPM) | トピナ | あり | あり | あり | あり | あり | なし |
ラモトリギン(LTG) | ラミクタール | なし | あり | あり | なし | あり | なし |
レベチラセタム(LEV) | イーケプラ | なし | なし | なし | なし | なし | あり |
- 1 抗てんかん薬とは
- 2 抗てんかん薬の概要
- 3 その他の抗癲癇薬
- 4 癲癇の治療
- 5 関連項目
抗てんかん薬と同じ種類の言葉
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