幹線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 02:19 UTC 版)
配電網における幹線
屋内配電網における電力幹線設備とは、一般的に受変電設備の配電盤(端子ではその2次側端子)から負荷設備の電灯分電盤や動力制御盤(端子ではその1次側端子)までをいう[1]。
幹線方式には、電灯盤や動力盤ごとに専用の幹線で供給する方式(幹線の本数が多くなり経済的には不利だが、幹線事故が生じたときに他の幹線への波及が少ない)と電灯盤や動力盤に同一系統の大容量幹線で供給する方式(遮断機容量が大きくなるが、幹線が少なくなり経済性や施工性では有利)がある[1]。
幹線系統は、一般系(一般建物負荷)、防災系(火災時に供給する負荷)、保安系(停電時に電源供給が必要な負荷)、重要・最重要系(サーバー等の重要負荷)などに分けられる[1]。
幹線設備(幹線サイズ)の材料を選定する際には、使用する負荷容量に応じた許容電流、電圧降下(配線のリアクタンス、表皮効果、負荷力率等)、配線保護等を考慮して決定される[1]。
日本
日本では低圧幹線は、単相2線式(100Vまたは200V)、単相3線式(200/100V)、三相3線式(200Vまたは400V)、直流2線式(100V)に分けられる[1]。
インドネシア
インドネシアでは三相4線式(380V/220V)が一般的で、幹線はNYYやNYMケーブル(PVC二重被覆ケーブル)が多かったが、許容電流が大きいXLPE/PVCケーブルが徐々に普及してきている[2]。
フィリピン
フィリピンでは三相3線式(220V)が一般的で、幹線は耐熱IV電線に該当するTHHN(90℃耐熱)やTHW(75℃耐熱)の電線が普及している[2]。
- ^ a b c d e 北村健司「幹線設備の計画と設計」『電気設備学会誌』第39巻第5号、2019年、240-243頁、doi:10.14936/ieiej.39.240。
- ^ a b 蒲池真「海外の電気設備の現状」『電気設備学会誌』第28巻第3号、2008年、201-205頁、doi:10.14936/ieiej.28.201。。
- ^ a b c 谷口栄一『現代の新都市物流』森北出版、2005年、28頁。ISBN 4627495811。
- ^ 谷口栄一『現代の新都市物流』森北出版、2005年、48頁。
- ^ 施行令第1条(幹線鉄道網を形成する営業線に関する基準) 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(以下「法」という。)第8条(地方交通線の選定等)
- ^ 鉄道ジャーナル1989年10月号NO.276
- 1 幹線とは
- 2 幹線の概要
- 3 配電網における幹線
- 4 交通網における幹線
- 5 脚注
- >> 「幹線」を含む用語の索引
- 幹線のページへのリンク