島田荘司 エピソード

島田荘司

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/09 22:01 UTC 版)

エピソード

  • 『KAWADE夢ムック 総力特集伊坂幸太郎』によると、伊坂の島田の著作のベスト5は『北の夕鶴2/3の殺人』『奇想、天を動かす』『暗闇坂の人喰いの木』『水晶のピラミッド』『アトポス』だそうである。2013年5月発売『本の雑誌』「伊坂幸太郎が選ぶ島田荘司の10冊」は前述の5冊に加え、『夏、19歳の肖像』『御手洗潔のダンス』『ロシア幽霊軍艦事件』『涙流れるままに』『アルカトラズ幻想』をセレクト。また、一般的に島田の代表作とされる『占星術殺人事件』『斜め屋敷の犯罪』については、ミステリーマニアなら喜ぶかもしれないがミステリー初心者に薦めるには適さない小説かもしれないと評している。
  • 2006年より南雲堂より『島田荘司全集』の刊行がスタートしたが、本の背表紙のタイトルで『斜め屋敷の犯罪』が『斜屋敷の犯罪』と誤植されていた。
  • 2009年5月に刊行された『島田荘司全集 III』での綾辻との対談にて、綾辻より本格ミステリ作家クラブに入会を勧誘されたが島田がそれを拒否したという事実が明らかにされている。しかし後述する本格ミステリクラブ主催の本格ミステリ大賞の自作ノミネートは受諾している。
  • BS-TBSの番組『巨匠たちの輝き〜歴史を創った芸術家たち〜』第3回「名探偵の推理」(2013年10月16日)にゲスト出演した。

無冠の帝王、戴冠

  • 『占星術殺人事件』に続いて出版された『斜め屋敷の犯罪』『死者が飲む水』も実は江戸川乱歩賞に応募された作品である(講談社文庫の江戸川乱歩賞全集の巻末にある予選通過作品一覧にその名を見つけることができる)。しかし両作品とも最終候補にも残らず予選通過のみで落選、という憂き目に遭っている。
  • 1984年、『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』で、1985年、『夏、19歳の肖像』で直木賞候補にあがるが、落選。以降の作品では直木賞にノミネートされていない。
  • 1985年は吉川英治文学新人賞に『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』が候補としてノミネートされるが、落選。
  • 日本推理作家協会賞には8年連続で8回候補としてノミネートされたが、これは選考前に本人から辞退している[8]
  • 上記の日本推理作家協会賞ノミネート拒否の経緯により賞レースに消極的な姿勢を貫いていたかに見えたが、2005年に発表した『摩天楼の怪人』が本格ミステリ大賞にノミネートされた際、拒否することなく候補を受諾した。しかし結果は東野圭吾の『容疑者Xの献身』が大賞を受賞、『摩天楼の怪人』は2票差で次点に甘んじることとなった。
  • 以上のように、デビュー以来本格推理をリードしてきた島田だったが賞とは無縁であり、「無冠の帝王」と称されることもあった[9]。しかし2008年10月22日、第12回日本ミステリー文学大賞を受賞[10]、無冠を返上した[9]
  • その後2010年に発表の『写楽、閉じた国の幻』で第11回本格ミステリ大賞にノミネートされるも受賞ならず(大賞は麻耶雄嵩『隻眼の少女』)。

ミステリ・ランキング

  • 週刊文春ミステリーベスト10
    • 1984年 - 『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』3位
    • 1985年 - 『北の夕鶴2/3の殺人』4位、『夏、19歳の肖像』10位
    • 1986年 - 『火刑都市』5位
    • 1987年 - 『網走発遙かなり』9位
    • 1988年 - 『切り裂きジャック・百年の孤独』10位
    • 1989年 - 『奇想、天を動かす』4位
    • 1990年 - 『暗闇坂の人喰いの木』5位
    • 1991年 - 『水晶のピラミッド』3位
    • 1992年 - 『眩暈』9位
    • 1993年 - 『アトポス』6位
    • 2005年 - 『摩天楼の怪人』10位
    • 2010年 - 『写楽 閉じた国の幻』6位
    • 2012年 - 『アルカトラズ幻想』15位
    • 2015年 - 『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』7位
    • 2016年 - 『屋上の道化たち』8位
  • このミステリーがすごい!
    • 1988年 - 『異邦の騎士』5位、『切り裂きジャック・百年の孤独』15位
    • 1989年 - 『奇想、天を動かす』3位
    • 1991年 - 『暗闇坂の人喰いの木』10位
    • 1992年 - 『水晶のピラミッド』5位
    • 1993年 - 『眩暈』15位
    • 1997年 - 『龍臥亭事件』15位
    • 2003年 - 『魔神の遊戯』16位
    • 2011年 - 『写楽 閉じた国の幻』2位
    • 2014年 - 『星籠の海』9位
    • 2016年 - 『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』18位
    • 2017年 - 『屋上の道化たち』26位
    • 2024年 - 『ローズマリーのあまき香り』19位
  • 本格ミステリ・ベスト10
    • 1997年 - 『龍臥亭事件』10位
    • 1999年 - 『御手洗潔のメロディ』18位
    • 2002年 - 『ロシア幽霊軍艦事件』7位
    • 2003年 - 『魔神の遊戯』10位
    • 2004年 - 『ネジ式ザゼツキー』10位
    • 2005年 - 『龍臥亭幻想』13位
    • 2006年 - 『摩天楼の怪人』6位
    • 2007年 - 『UFO大通り』11位、『帝都衛星軌道』18位
    • 2008年 - 『リベルタスの寓話』9位
    • 2011年 - 『写楽 閉じた国の幻』7位
    • 2013年 - 『アルカトラズ幻想』8位
    • 2014年 - 『星籠の海』9位
    • 2016年 - 『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』15位
    • 2017年 - 『屋上の道化たち』8位
    • 2019年 - 『鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース』24位
    • 2020年 - 『盲剣楼奇譚』21位
    • 2024年 - 『ローズマリーのあまき香り』17位
  • MRC大賞
    • 2023年 - 『ローズマリーのあまき香り』9位

注釈

  1. ^ 地方自治体が、長編ミステリーを公募するのは全国初の試みである。毎年長編受賞作を選び順次講談社光文社原書房より刊行される。2009年度の第1回受賞作には松本寛大『玻璃の家(はりのいえ)』が選ばれた。

出典

  1. ^ a b 島田荘司(しまだ そうじ)とは - コトバンク
  2. ^ 小説の魅力「後輩」へ発信/社会問題への洞察 創作の源 - 中国新聞
  3. ^ 山陽小野田市立図書館 - 詳細情報
  4. ^ 島田荘司(しまだ そうじ) |作家紹介 |翻訳作品紹介 |JLPP
  5. ^ Adrian McKinty (2014年1月29日). “The top 10 locked-room mysteries”. The Guardian. https://www.theguardian.com/books/2014/jan/29/top-10-locked-room-mysteries-adrian-mckinty 2022年2月1日閲覧。 
  6. ^ 島田荘司公式Twitter2015年12月16日の発言
  7. ^ 「華文ミステリー」が新時代を切り開く!島田荘司が語るその可能性”. 本の話WEB. 文藝春秋 (2015年7月6日). 2015年12月23日閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ 島田荘司『奇想の源流 島田荘司対談集』より。
  9. ^ a b 島田荘司さん「無冠」返上:出版トピック:本よみうり堂”. YOMIURI ONLINE(読売新聞) (2009年5月7日). 2009年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月13日閲覧。
  10. ^ 日本ミステリー文学大賞に島田荘司さん”. MSN産経ニュース (2008年10月22日). 2009年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月13日閲覧。
  11. ^ 韓流EXO出身のタオ、島田荘司氏原作の映画「夏、19歳の肖像」いよいよ公開へ―中国”. Record China (2017年5月11日). 2017年10月25日閲覧。






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