少林寺流空手道錬心舘 テーマ

少林寺流空手道錬心舘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 22:45 UTC 版)

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第二代宗家保巖が書道、絵画、写真など芸術方面にも広い親しみを見せることもあり、流派創立50周年を数える2010年平成22年)から2016年平成28年)まで墨書による自筆にて流派のテーマとなる漢字一文字を発表した。

  • 2010年(平成22年) - 「絆」
  • 2011年(平成23年) - 「志」
  • 2012年(平成24年) - 「心」
  • 2013年(平成25年) - 「誠」
  • 2014年(平成26年) - 「義」
  • 2015年(平成27年) - 「和」
  • 2016年(平成28年) - 「礎」

錬心舘では他の空手道で呼称されている「形」ではなく「型」と呼称しており、少林寺流正流七法と呼ばれる以下の七つの型を修行する[8]

  • 南光(アーナンクー
  • 汪輯(ワンシュウ)
  • 半月(セイサン)
  • 鎮東(チントウ
  • 五十四歩(ゴジュウシホ)
  • 抜塞(バッサイ)
  • 公相君(クーシャンクー)

試合

2004年の鹿児島市少年空手道大会の様子。審判員は袴姿である
錬心舘で使用される指定防具。防具付き空手の中では最も古いタイプである。
左より面、胴、小手。

試合は型による試合と、組手による試合がある。高校生以上で少年初段を除く有段者以外の者は規則により組手の試合に出場することができない。保勇は旧来の沖縄の型至上主義を打破し、試合化を促進したが、一方で組手偏重を戒め、終生、型の重要性を説いてやまなかった。

試合においては審判員は一般的な空手団体と異なり、日本発祥の武道という立場から、洋装ではなく袴姿で行われる。なお審判団は副審4名、主審1名で判定が行われ、副審の判定が2対2で割れた場合主審判定により勝敗が決まる。

組手

錬心舘は、一貫して防具着用の組手を実施している。これは人命尊重の見地からであり保勇の「自他を傷つけて何の武道ぞ」の基本理念による。空手防具はかつて既製品を自由に使っていたが、全日本空手道連盟錬武会などで広く使われていたカラテクターや自衛隊の徒手格闘術、警察逮捕術で使われている防具を改良して、錬心舘独自の指定防具を採用しており、見た目は剣道の防具によく似ている。

錬心舘は青少年の健全育成の立場から成長期の組手は有害であるとし、中学生までは型や約束組手の稽古のみを行い、大会でも型試合のみ行う。高校生になって初めて組手の試合が許可されるが、型の名手は組手の名手と言われるように、型での上位者は組手でも優秀な成績を上げる選手が多い。組手スタイルは伝統派に近いが、初代宗家の保勇が編み出した後ろ回し蹴り連続回し蹴り二段回転蹴り逆風足刀蹴り[4]足刀くの字飛び螺旋(らせん)手刀打ち半飛び足刀蹴りなど[9][10][5][6]は他流派に比べると錬心舘独特の組手技術であり、変則的な構えから突き、蹴り、打ちの双方に遠心力を利用した回転技、飛び技[7]が多用されることが特徴である。

級段位・色帯・称号

錬心舘は昇級・昇段試験で昇級・昇段を許可されると以下のように色帯及び級・段位及び称号が変わる。基本的に1色で2級ずつとなっており、初段(中学生以下の場合は少年初段)以上は全て黒帯となっている。

段級位 帯の色 称号
十段 範士
九段
八段
七段 教士
六段
五段 錬士
四段
三段
弐段
初段
少年初段[11]
一級
二級
三級
四級
五級
六級
七級
八級
入門者

  1. ^ 『公開!沖縄空手の真実』(2009/6発行 フルコム[編] 東邦出版)30頁
  2. ^ 陣容新たに一一錬心舘新体制発足す - 少林寺流空手道連盟錬心舘公式ウェブサイト、2017年2月11日閲覧。
  3. ^ 錬心館紹介より引用
  4. ^ 『古流現代空手道集義(第二巻)』(昭和53年10月25日発行 池田奉秀・著 武道出版研究所)「中国武術見聞の記」140-145頁
  5. ^ 「第一回全国都道府県空手道選手権大会」(主催・全国都道府県空手道連盟)”. 「まるふじ文庫」の収集武道書. 「まるふじ文庫」の収集武道書. 2019年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月27日閲覧。
  6. ^ 『月刊空手道 2001/4月号』(福昌堂・発行)「【THE PEOPLE】拳聖・保勇の生涯と少林寺流錬心舘」61-71頁
  7. ^ 『沖縄空手古武道事典』(2008年8月1日発行 柏書房)459-461頁
  8. ^ 少林寺流 錬心舘ホームページ/入門2 - 全日本少林寺流空手道連盟錬心舘HP 2011年2月15日閲覧。
  9. ^ 『徒手空拳 - 人間・保勇』148頁
  10. ^ 『月刊空手道 1996/10月号』(福昌堂・発行)「特集・変化自在の必倒テクニック 足技の魔術」25-29頁
  11. ^ 中学生以下が取得できる最高位。


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