富籤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 15:47 UTC 版)
法規制
現代では刑法の富くじ販売・取次・授受罪(刑法187条)により富くじの販売・取次・授受は禁止されている[1]。これに対して一般に福引と呼ばれるものは券そのものを販売するのではなく買物時などに無料配布するもので落選者が財産を失う関係にないから刑法の「富くじ」には該当しない[1]。催事によってはくじを無料配布する福引が「富くじ」と呼称されていることもある[1]。なお、くじが有料で販売されたもので、それにより落選者が財産を失う関係にある場合には刑法に抵触するおそれがある[1](福引を参照)。
当せん金付証票法に基づく「宝くじ」のように法令による行為(刑法35条)として特例的に認められているものもある[8]。
芸能・創作における富籤
小説
『東海道中膝栗毛』で、大坂の高津神社の富くじがエピソードの一つとして取り入れられている。富くじに当たった弥次喜多は浮かれて大散財をするが、結局勘違いであったことが判明する。当時の富くじの具体的な運営などが詳細に描かれている。
『お江戸の百太郎 秋祭なぞの富くじ』(那須正幹) - 「ズッコケ三人組」の那須正幹が描く本格捕り物帳「お江戸の百太郎」シリーズの第5弾。「富くじ」で一等をあてた魚屋の菊蔵が殺され、百太郎が事件の真相を追う。
落語
「御慶」「富久」「水屋の富」「宿屋の富」や、上方落語の「高津の富」が富籤を題材としている。
時代劇
一攫千金を夢見る庶民の悲喜劇や、陰富(隠れ富)を売りながら当籤金を渡さない不正がしばしば登場する(『暴れん坊将軍II』第122話「秘めた誓いの夢千両!」等)。
脚注
- ^ a b c d e “質疑応答集”. 東京都大田区. 2019年8月13日閲覧。
- ^ 【くらし物語】宝くじ もとは一攫千金じゃなかった/江戸時代の寺発祥 健康祈願のお札『日本経済新聞』NIKKEIプラス1(2017年9月2日)
- ^ a b c d e f g h “宝くじ問題検討会報告書 平成22年11月 宝くじ問題検討会”. 総務省. 2019年8月18日閲覧。
- ^ 辨財天秋まつり「箕面富」―146年のときを経て復活―箕面山瀧安寺ホームページ
- ^ 現在のグループ買い。
- ^ 写真集「歌舞伎名優時代 舞台写真・大正から昭和へ」郡司正勝編 二玄社、1988年
- ^ a b 江戸の歳事風俗誌(小野武雄、講談社学術文庫)
- ^ “第1回宝くじ問題検討会 総務省説明資料”. 総務省. 2019年8月13日閲覧。
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