半連続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 08:49 UTC 版)
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x < 0 において f(x) = –1、x ≥ 0 において f(x) = 1 と区分的に定義された関数fを考える。この関数はx0 = 0において上半連続であるが、下半連続ではない。
閉集合の指示関数が上半連続である一方、開集合の指示関数は下半連続である。与えられた実数xに対し、それ以下の最大の整数を返す床関数 は、全ての点において上半連続である。同様に、天井関数 は下半連続である。
関数は、左連続と右連続のいずれでもなくても、上または下半連続でありうる。例えば、関数
はx = 1では左連続でも右連続でもないが、上半連続である。左からの極限は1、右からの極限は1/2であり、いずれも関数値の2とは異っている。同様に、関数
はx = 0において、左右からの極限値は存在すらしていないが、上半連続である。
厳密な定義
Xを位相空間、x0 を X 上の点とし、f: X → R ∪ {−∞, +∞} は拡大実数値関数とする。任意の ε >0 に対してx0 の近傍 U が存在し、U に属するどの x に対しても f(x) ≤ f(x0) + ε となるとき、あるいは同じことだが、
となるとき、f は x0 で上半連続であると言う。ここで lim sup は(x0 における関数 f の)上極限である。
函数 f が上半連続函数であるとは、それが定義域の全ての点において上半連続であることをいう。函数 f が上半連続函数となるための必要十分条件は、集合 {x ∈ X : f(x) < α} がいずれの α ∈ R についても開集合となることである。
同様に、函数 f が点 x0 において下半連続であるとは、任意の ε > 0 に対し、x0 の近傍 U で U の各点 x において f(x) ≥ f(x0) − ε となるようなものが存在すること、あるいは同じことだが、
が成立することをいう。ここで lim inf は(点 x0 における函数 f の)下極限である。
函数 f が下半連続函数であるとは、それがその定義域の全ての点で下半連続となるときにいう。函数 f が下半連続函数となるのは、任意の α ∈ R に対して {x ∈ X : f(x) > α} が開集合となるときであり、かつそのときに限る。
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