佐々木とピーちゃん 佐々木とピーちゃんの概要

佐々木とピーちゃん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/05 03:37 UTC 版)

佐々木とピーちゃん
ジャンル 異能バトル[1]
小説
著者 ぶんころり
イラスト カントク
出版社 KADOKAWA
掲載サイト
レーベル MF文庫J
連載期間 カクヨム:2018年12月4日 -
小説家になろう:2018年12月8日 -
刊行期間 2021年1月25日 -
巻数 既刊8巻(2024年1月現在)
漫画:佐々木とピーちゃん
異世界でスローライフを楽しもうとしたら、
現代で異能バトルに巻き込まれた件
〜魔法少女がアップを始めたようです〜
原作・原案など
  • ぶんころり(原作)
  • カントク(キャラクター原案)
作画 プレジ和尚
出版社 KADOKAWA
掲載サイト 少年エースplus
レーベル 角川コミックス・エース
発表期間 2021年1月22日 -
巻数 既刊3巻(2023年8月現在)
アニメ
原作 ぶんころり
監督 湊未來
シリーズ構成 赤尾でこ
脚本 赤尾でこ、西久保明久、星野七海
キャラクターデザイン 仲敷沙織
音楽 藤本コウジササキオサム
アニメーション制作 SILVER LINK.
製作 佐々木とピーちゃん
放送局 AT-Xほか
放送期間 2024年1月5日 - 3月22日
話数 全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

第4回カクヨムWeb小説コンテストでは「特別賞(異世界ファンタジー部門)」を受賞[6][7]。「次にくるライトノベル大賞2022」では単行本部門で6位を獲得している[8]。『このライトノベルがすごい!』単行本・ノベルズ部門では2022年版で1位[9]、2023年版で7位を獲得[10]

『少年エースplus』(KADOKAWA)にてプレジ和尚によるコミカライズが2021年1月から連載されている[7]。2024年1月から3月までテレビアニメが放送され[11][12]、第2期の制作も決定している[13]

あらすじ

第1巻

商社勤めをしている冴えない中年会社員の佐々木は、家族や恋人もおらず金もないことから、社畜となって働いていた。生活に癒しを求めた佐々木はペットショップへ行き、そこで一羽の文鳥を購入する。ところが購入した文鳥を家に連れて帰ると、突然人間の言葉を喋り始めた。

佐々木が「ピーちゃん」と名付けた文鳥は、実はもともと異世界の高名な賢者であり、腐敗貴族たちに闇討ちされた彼は、なぜか日本で文鳥へと転生してしまったという。佐々木はピーちゃんと契約して「魔力のパス」を接続したことで、魔法を使えるようになる[14]

ピーちゃんに促された佐々木は日本で商材を買い込んで、異世界の商人マルクに商品を卸して取引を始める。さらに佐々木は、店をクビにされた料理人フレンチを雇って料理店のオーナーとなり、異世界グルメを堪能したり魔法の修行をするなど、異世界でのスローライフを満喫していく[14]

会社からの帰宅途中、不思議な超能力(異能力)を使う通り魔を目撃した佐々木は、襲われていた女性・星崎を氷の魔法を使って助ける。ところが星崎も「内閣府超常現象対策局」に所属する異能力者で、魔法を使う光景を見られた佐々木は異能力者と誤解され、対策局の課長・阿久津の意向によって、半ば強制的に対策局に転職することになってしまう。

一方、異世界で領主のミュラー子爵と懇意になった佐々木は、戦のための御用商人となる。しかし、しばらくして子爵の戦死の報が届き、一人娘であるエルザを巡る跡目争いに巻き込まれてしまう[注釈 1]。子爵家を巡る諸々の騒動を片付けた佐々木は、アドニス王子を救った功績により「騎士」となり、名目上とはいえアドニス直属としてヘルツ王国に属することとなる。

第2巻

佐々木は、異能力者を憎む魔法少女マジカルピンクの襲撃を受けるも、自身が異能力者ではなく「魔法中年」であると説明し事なきを得る。以前敵対した異能力者二人静が対策局への移籍を希望したことから、「嘱託扱いの協力者」として佐々木の同僚となる。佐々木は彼女と協力関係を結び、異世界の金品を日本の貨幣に変換する伝手を得る。

その頃ヘルツ王国では、次期国王候補である第一王子ルイスと第二王子アドニスとの派閥争いにより国内貴族の暗闘が活発化。伯爵となったミュラーの政敵である、ルイス王子派のディートリッヒ伯爵の手によって商人マルクが投獄されてしまう。佐々木の奔走によりマルクは解放され、ディートリッヒはアドニス王子派閥へと鞍替えする。

二人静が、以前所属していた組織のリーダーであるアキバ系の人の襲撃を受ける[注釈 2]。ピーちゃんとの交戦の末アキバ系の人は降伏し、二人静の移籍を認める。その直後、星崎から対策局を二人の魔法少女が襲撃中との連絡が入る。現場に駆け付けた佐々木と二人静は魔法少女らを撃退し、対策局の危機を救った二人静は正式な局員として認められる。

佐々木の住むアパートでは隣室の女子中学生お隣さんが、母親の交際相手である男に強姦されようとしていた。そこに現れた悪魔アバドンの助けを得たお隣さんは、その代償として彼の「使徒」となり、天使と悪魔の代理戦争となるデスゲームに身を投じることになる。

第3巻

お隣さんはアバドンの力で天使の使徒を多数殺害し、天使陣営から目を付けられる。天使ミカエル率いる多数の天使がお隣さんを攻撃しようとしていたところを、佐々木は命懸けで救い出す。

ヘルツ王国では、マルクを救う際にルンゲ共和国の大商会であるケプラー商会と取引を結んだことで、佐々木に男爵位と領地が与えられる[注釈 3]。ササキ男爵は、帝国からの侵攻に備えて領地に砦を作ることを命じられ、国からの理不尽な命令に憤ったフレンチの指揮のもと、予想以上の急ピッチで砦の建設が進行する。

敵対するルイス王子より、エルザを筆頭側室に迎えたいとミュラー伯爵へ申し出があったことから、佐々木が日本でエルザを保護することとなる。しかし、謎の言語を話すエルザと文鳥の存在がSNSを通してネットに拡散してしまい、佐々木は阿久津より厳しい詰問を受ける。佐々木は阿久津がアキバ系の人と繋がっていることをネタに逆に脅しをかけ、双方の秘密を守るということで合意する。

その頃、エルザがいるホテルの場所がネットで特定されたことにより、星崎・お隣さん・マジカルピンクが同時にホテルを襲撃。異世界人・異能力者・魔法少女・デスゲーム参加者という、佐々木を取り巻く4人の少女たちが一堂に会することとなった。

登場キャラクター

主人公である佐々木を筆頭に、フルネームが不明な登場人物が多い。

声の項は特記のない限り、テレビアニメ版の声優。なお、佐々木・ピーちゃんはPV[15][16][17]・ボイスコミック[18]・テレビアニメ[19]の媒体を問わず、声優は共通している。

主人公

佐々木
声 - 杉田智和[15][16][17][18][19]
本作の主人公であり、冴えない[19]中年の[11]会社員(社畜[20]。癒やしを求めてペットショップで購入した文鳥が異世界の賢者の転生体だったことで人生に大きな転機が訪れることになった。ピーちゃんと名付けた文鳥と共に食っちゃ寝のスローライフを目指す。
ピーちゃんとパスが繋げられたことで魔力を使用できるようなり、障壁、飛行、雷撃など、ピーちゃんから様々な魔法を教わることとなる。ピーちゃんによると魔法の覚えは良い方とのこと。また、大きな魔力の影響を受けたことで、異世界でいう「上位個体」に分類されるようになり、寿命も変化しているらしい。
異能力者と戦っていた星崎を氷の魔法で助けたことで氷を操れる異能力者と誤解され、異能力者を管理する政府組織「超常現象対策局」への入局が求められ、社畜生活にうんざりしていたこともあって周囲に魔法や異世界のことを隠したまま転職した。更に二人静が入局した際、阿久津の一存で二人静の担当として星崎さんと同等の権限を持たされることになる。
その後異世界ではヘルツ王国で戦争や政変に巻き込まれつつもスローライフできる環境を守るべく戦う一方で、地球では異能力者や、それを狙う魔法少女、天使と悪魔のデスゲーム、異世界産の巨大怪獣、宇宙人などへの対処に奮戦することになる。
著者・ぶんころりは採用されたパターンとは別に著者自身が考えた「眼鏡をかけたイケメンキャラ」もあったというが、検討を重ねた結果著者の考えたパターンは見送られた[21]。また設定が中年になったのは著者のデビュー作の主人公が中年で2作目が少年だったことから、3作目である本作は中年に戻ろうと考えたからであるという[20]
ピーちゃん
声 - 悠木碧[15][16][17][18][19]
本作のもう1人の主人公であり、人間の言葉を理解し喋る事が出来る文鳥[14]。その正体は異世界から転生した魔法使いで本名は「ピエルカルロ」。前世では「星の賢者」と呼ばれていた。
ピエルカルロとして死亡後、現実世界にて前世の記憶と人間の知能を持ったまま文鳥の姿に転生し、佐々木と出会う。「ピーちゃん」という名前は「ピエルカルロ」という名前を聞いた佐々木が付けた(本人は頑なに「ピエルカルロ」と名乗るが、「ピーちゃん」と呼ばれること自体に抵抗は無い模様。必要とあれば自ら「ピーちゃん」と名乗る)。佐々木はピーちゃんと契約を交わし、パスを繋げたことで異世界と現実世界を行き来できるようになった。
強力かつ多彩な魔法を操り、異世界とも自在に行き来ができる。ただし文鳥の肉体では絶大な魔力に耐えきれないため、大魔法の行使にはパスを繋げた佐々木を介する必要があり単独で大魔法を連発すると肉体が徐々に崩壊していく。
基本的に自分がピエルカルロであるということは隠し、ただの文鳥として振舞っているが、時折相手の策にハマったり自分のうっかりで喋れることがバレてしまうことがある。
文鳥でありながら肉を好んでおり、特に神戸牛のシャトーブリアンがお気に入り。アニメ版ではピーちゃんが肉食をするシーンで毎回「※賢者が転生していない文鳥には、お肉を与えないようにしましょう」というテロップが表示される。
著者は佐々木と持ちつ持たれつの関係を上手く表現することを意識している[22]
ピーちゃんの胸元にある星のデザインは、原作・漫画版・アニメ版ですべて異なっている。

異世界の住人

ミュラー子爵 / 伯爵
声 - 安元洋貴[23]
異世界にあるヘルツ王国の貴族[14]。名はユリウス。アドニス王子の派閥に所属している。
生前の星の賢者ピエルカルロ(現在のピーちゃん)を崇拝しており、むざむざ死なせてしまったことを悔いている。戦場でアドニス王子を救った功績で子爵から伯爵となる。
エルザ
声 - 富田美憂[24]
ミュラー子爵の娘[25]。髪型から「盛り姫」とも形容される。ややキツイ性格だが、実際は大の父親好きである[26]
ピーちゃんの事は最初はただの鳥と思っていたが、ピーちゃんがうっかり目の前に魔法で転移したうえ言葉を話してしまったことで、言葉を話し魔術を使える鳥だと知る(星の賢者ピエルカルロだということは隠す事ができた)。
ヘルツ王国の王位継承争いの影響で国内に留まることが危険となったため、父親の依頼で佐々木が日本で保護することになる。なお、佐々木はあくまでもミュラーへの友情の一環として一時的に預かっただけのつもりだが、父親や本人の意識では佐々木という男性を信頼して貴族令嬢の身を委ねた時点で、この時点で佐々木がヘルツ王国の爵位を得ていたこともあり政略結婚に準じて側室として扱われるのが当然と考えている。そのため佐々木が未婚者であり、貞操はおろか彼女に指一本触れていないことをピーちゃんから聞かされたミュラーは驚愕していた。
異世界語しか理解できないため日本での周囲とのコミュニケーションは佐々木による通訳のみだったが、二人静の依頼で十二式が万能翻訳イヤホンを制作したため不自由なく会話ができるようになった[注釈 4]
セバスチャン
声 - 玄田哲章
ミュラー子爵家に長年仕えている執事。その正体はディートリッヒ伯爵に通じるスパイ。
ミュラー子爵がわざと戦死の報を流す罠を仕掛けたことで炙り出され、捕縛された。
アドニス王子
声 - 福山潤[23]
ヘルツ王国の第二王子。王の正妻の子であり文武に優れた人物で、国の行く末を案じる民を思う心も持つ。国を乱すことは本意ではないものの、異母兄であるルイス王子を支持する派閥とは対立が生じている。
ルイス王子
ヘルツ王国の第一王子。王の側室の子であり、数年前までは忌み子として存在自体が隠匿されていたが、現在はアドニス王子と並んで次期王位を争う立場にある。
マルク
声 - 岩田光央[23]
ミュラー子爵家の御用商会であるハーマン商会の副店長。長期出張で不在中の店長ハーマンに代わって日本の品物を持ち込んだ佐々木と良き関係を築き、ミュラー子爵へと紹介する。
佐々木から帝国からの侵攻軍が壊滅したと知らされたため、その情報を利用して莫大な儲けを出す事ができたが、それに対して立場を奪われることを危惧したハーマンとミュラー子爵の力をそぎたいディートリッヒ伯爵の策略により、不敬罪の罪を着せられ投獄されてしまう。解放された後は佐々木の資金でマルク商会を立ち上げハーマン商会を傘下に収める。
フレンチ
声 - 浪川大輔[23]
異世界の料理人。同僚の嫉妬で店の金を盗んだ冤罪を着せられ店をクビになったところに居合わせた佐々木にスカウトされ、佐々木の出した資金とハーマン商会のサポートで自分の店を持つことになる。そのため佐々木に対して強い恩義を感じており、佐々木が爵位を得て以降は、ササキ領における平民のリーダー格となる。
ディートリッヒ伯爵
声 - 乃村健次
父の代からミュラー子爵家と対立する貴族。ルイス王子の派閥に所属している。
セバスチャンをスパイとして取り込んだほか、マルクに罪をかぶせて投獄するなど、ミュラー子爵を陥れる為策略を練る。しかし大局を見ればアドニス王子を王位に付けるよりも平民であるマルクを国のために役立てる方がヘルツ王国のためであると主張する佐々木と、それを苦笑いで済ませるアドニス王子の器の大きさを見て自身の敗北を悟り、マルクを解放してアドニス王子派に鞍替えする。
ハーマン
声 - 島田敏
ハーマン商会の店長。ディートリッヒ伯爵の支援で、王都での新規店舗立ち上げ移転のために長く本店を不在にしていたが、留守を任せたマルクの活躍により自身の立場が危うくなり、ディートリッヒ伯爵と手を組みマルクを貶める計画を立てる。
ヨーゼフ・ケプラー
声 - 緑川光[27]
ルンゲ共和国の大商会ケプラー商会の頭取。ルンゲ共和国は貴族が存在しないが、他国だと公爵に相当するほどの有力者。国力が落ち目のヘルツ王国民ではケプラー商会と取引があるだけでも相当なステータスがあり、ヘルツ国王が望んでも頭取に直接会うことは困難と思われている。

内閣府超常現象対策局

阿久津
声 - 置鮎龍太郎[24]
超常現象対策局の課長。佐々木の上司になる[25]。部下の採用や権限の譲渡など対策局の運営を一任されており、かなり強い権限を持っている。スパイ対策で部下の自宅に盗聴器等を仕掛けているが、それを知った星崎にセクハラだと抗議されたときは、自分は同性愛者なので女性をそのような目では見ていないと反論して煙に巻いている。
実は対策局とは敵対関係にあるはずのアキバ系の人とは裏で繋がっており、二人静によると局員が多数殉職したボーリング場廃墟の戦いは阿久津が持ち掛けた自作自演だったことのこと(事件の責任を取った上司が左遷された結果阿久津が昇進している)。佐々木とは相手が何かを隠していることを互いに承知の上で、上司部下として利用し合う緊張感のある関係となっている。
星崎さん
声 - 高橋李依[11]
超常現象対策局の局員。佐々木の先輩であり上司にもなる[28]。厚化粧をしているが現役女子高生で、通学時やプライベート時は化粧はせず地味な眼鏡っ娘である。
水などの液体を操る異能力者[28]。操作した液体は形状だけでなく水から氷、氷から水に状態変化させることも可能だが、あくまでも操るだけで生み出すことは出来ず、水が入ったペットボトルを常に携帯している。物語開始当初は障害物が間にあると操る事ができず皮膚の下の血液などを操ることも不可能だったが、能力が成長したことで接触した生物の体液を皮膚の上から直接操作して殺害すること[注釈 5]が可能となった。
異能力者である「通り魔」との戦闘中ピンチになったところを佐々木に氷の魔法で助けられ、佐々木を異能力者と勘違いし対策局の局員へ登録させた。
妹と二人暮らしであり家庭環境の影響で金銭に対する執着が強く、危険手当が出る任務を積極的に受けようとする。当初は「氷を無制限に生み出す」という異能力者として局員となった佐々木のことを自分の能力と相性がいい便利なサポート要員として見ていたが、何度も危地を救われたことで徐々にツンデレ的反応を見せるようになる。
著者は当初の構想では大人のお姉さんにする予定だったが、年齢相応の落ち着きがないように思えてきたことから後付けで設定を高校生に変更した[28]
二人静(ふたりしずか)
声 - 大空直美[23]
超常現象対策局と対立する異能力者の組織の一人。触れた相手の生命力を吸い取ることができるエナジードレインの異能を持つ。更に吸い取った生命力によって常人を超越した身体能力、再生力、寿命を持ち、見た目は年若い少女だが明治維新を経験したと自称しており、実年齢は三桁と目されるロリババァ。呼び名は着ている和服の色(深く渋い紅紫)に由来しており、本名は不明。
当初は佐々木と敵対する場面で遭遇したが、そこで異能の法則から外れた佐々木の魔法に圧倒されたことと、後にマジカルピンクと佐々木の会話の中で佐々木がでまかせで言った「魔法中年」という発言、さらにピーちゃんが独り言を話しパソコンを操作する姿を目撃したことで、佐々木が「正体は魔法少女の同類で、自らを異能力者と偽って超常現象対策局に所属している」と推測。佐々木の異世界交易の手助けをする過程で弱みを握って支配下に置こうと画策するが、異世界から持ち込まれた荷物の中に隠れていたエルザを人質にしようとしたのをピーちゃんによって阻止され、敵対すると肉体を蝕まれる呪いを刻まれる。その後も臆することなく飄々とした態度で付き合い、古巣からの襲撃からの救援に現れた佐々木とピーちゃんと正式に取引を結んで超常現象対策局に移籍した。
長い年月を経て得た財力や技術、人脈などを豊富に持ち、資産家を自称している。佐々木の後輩かつ相棒になった局での仕事でも異世界での交易に関係する物や人との日本での取扱いでも器用かつ周到に動くため、佐々木はすっかり彼女に依存気味になってしまっている。
著者は当初の構想通りのポジションに収まっているとしながらも、便利キャラであることから登場シーンも増え、想定外の活躍をしているという[22]

非政府系の異能力者

アキバ系の人
声 - 小西克幸
二人静の元々所属していた組織のリーダー。典型的な痩せ型のオタクにしか見えないが、想像したものを具現化できる数少ないAランク認定の異能力者。直接具現化できるのは物体に限られるが、異能を持った人間の複製を作ってその異能を使わせたり、ゲームなどに登場する架空の物品を具現化すれば原作通りの効果を発揮するなど、応用性が異常に高い能力である。二人静の移籍を巡ってのピーちゃんとの対決では命を懸けるのは割に合わないという理由で早々に降伏を宣言したが勝負自体は拮抗しており、ピーちゃんからも実力を高く評価されている。
ネットでのハンドルネームは「†漆黒の堕天使†」[29]で、アニメ版の役名表記にもなっていた。

魔法少女

マジカルピンク
声 - 水瀬いのり
女児向けアニメに出てきそうな派手な色の髪と可愛らしい服装だが、全体的に薄汚いホームレスの少女。超常現象対策局に異能力者と誤認されたことで起きたトラブル(詳細不明)で家族・友人を殺されたため、所属に関係なく異能力者全員を殺すことを目的に動いている[22]。佐々木に関しては彼の能力が異能力ではなく魔法であると納得し、彼のでっち上げも相まって「魔法中年」と呼び、対話ができる関係を構築している。なお、首に巻いている白いマフラーは自分を魔法少女にした妖精の毛皮である(彼女が殺害した)。下の名前は「小夜子」だが苗字は不明。
マジカルイエロー
声 - 小原好美
マジカルピンクが対策局を襲撃した際に助っ人として連れてきた魔法少女。
マジカルブルー
アメリカの魔法少女。マジカルピンクと異なりアメリカ政府とは協力的関係を結んで軍属となっており、相棒であるメイソン大佐からは「アイビー中尉」と呼ばれる。魔法少女同士の関係は良好であり、魔法少女によるチームを組んで戦うこともある。

デスゲーム関係者

お隣さん
声 - 鬼頭明里[11] / 悠木碧(ボイスコミック[18]
佐々木が暮らすアパートに住み、佐々木の1つ隣の部屋に暮らす中学生[14]。実母からネグレクトを受けており[25]、家の前で放置されている姿に同情した佐々木から、パンやお菓子などを貰っている内に、彼に異常なまでの執着と情愛を寄せるようになったヤンデレ。アバドンの使徒として天使と悪魔のデスゲームに悪魔の側で参加することになる。苗字が「黒須」であることは作中で描写されているが、下の名前は不明。
テレビアニメ第一期では原作で描かれた彼女の悲惨な境遇と佐々木への執着心はほぼ触れられることが無かったが、それを補完するコミカライズ版第13話「お隣さん視点」のボイスコミック動画がKADOKAWAanime公式YouTubeチャンネルで公開されている[30]
WEB版では登場せず、書籍版で新たに追加されたキャラクターである。著者はWEB版と書籍版の差別化を図る際に、担当編集者から既出のヒロインの間を考えてみてはどうかと言われたことから、星崎さん(高校生)と魔法少女(小学生)の間をとって中学生の設定となり、ライトノベル界では年の差ラブコメが、漫画界ではデスゲームが流行っていた背景からそれらの要素を取り入れた結果、彼女の立ち位置は決まったという[22]
アバドン
声 - 田村睦心
天使と悪魔の代理戦争に参加している悪魔。悪魔としての真の姿は巨大な醜悪な肉塊だが基本的に堕天する前の金髪の美少年の姿を取っており、使徒であるお隣さん以外からは姿を見えなくなることもできる。お隣さんの内に秘める欲望を気に入り、彼女を自分の使徒としてデスゲームに挑む。長命であるが異能力者や魔法少女の存在は知らず、デスゲーム関係者以外にも超常能力の持ち主が大勢いることに驚いていた。

機械生命体

十二式
遥か宇宙の彼方からやってきた高度な技術力を持つ機械生命体が製造したアンドロイド。地球人を観察した結果、コミュニケーションをとるのに最適な姿として地球人の美少女の姿をしている。本体は宇宙船の制御AIであり、アンドロイドは端末の一体に過ぎないが稼働しているのは彼女一人である。辺境宙域の開拓が任務で単独派遣されてきたが、本来感情がないはずなのに「寂しい」という感情を抱くバグが発生したため、地球人と接触して「家族」になろうと要求する。接触した地球人たちがことごとく自分の持つ異星技術目当てだったことにショックを受け地球に攻撃を仕掛けるも、唯一表裏なく家族がいない機械生命体の寂しさに同情を示した星崎に執着するようになる。

  1. ^ 実際にはミュラー子爵は存命しており、長男・次男の跡目争いなども含め、敵対者やその協力者を欺いて洗い出すための罠であった。これにより、スパイであるセバスチャンがあぶりだされる結果となった。
  2. ^ アキバ系の人は敵対しているはずの阿久津と通じており、彼から二人静の拠点の場所を聞いていた。
  3. ^ 領地と言っても、敵であるマーゲン帝国と接する無人の平原であり、明らかに厄介払いだが、王都から離れたこの地はスローライフを行う上では好都合であった。
  4. ^ ピーちゃんがエルザと異世界語で話していた録画映像を確認することで異世界の状況を把握するのが二人静の真の目的だった。
  5. ^ 劇中ではToD(タッチ・オブ・デス)と呼ばれ、異能力の危険度を評価する目安とされている。
  6. ^ 佐々木健佐々木睦佐々木祐介佐々木拓真佐々木奈緒佐々木愛佐々木未来佐々木亜紀佐々木義人佐々木啓夫[43]


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