京騒戯画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 22:55 UTC 版)
概要
外界から隔離され、時間が止まった京都=〈鏡都〉を舞台にしたアクションファンタジー。『映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?』で監督してデビューを飾った新鋭・松本理恵を監督に、バンプレストと東映アニメーションが初タッグを組んだアニメーションプロジェクト。2011年8月27日に制作発表が行われ[2]、そこで登場キャラクターと一部の担当声優を発表した。作品のイメージをまとめたプロモーションビデオ[3]が公開されている。
第一弾は2011年12月に配信(全1話)。第二弾は2012年8月31日より公開(全5話)。第一弾、第二弾合計で100万回再生を記録している[4]。
2013年10月から12月にかけてテレビアニメが全13話[1]で放送された[4]。なお13話中、「#0 予習篇」は2011年に配信したプロモーション映像の編集版、「#5.5 京都実録篇」は出演声優によるロケ地紹介(実写)、「#10.5 復習篇」はハイライトシーンの総集編となっている。
あらすじ
テレビアニメ版
- #0
- 鏡都のまちを、アラタマを手に毎日のように暴れまわるコトと阿吽。アラタマの持ち主ショーコ博士は怒り心頭、居候先の明恵に叱り付けられても懲りない日々。コトは黒いウサギを探しに鏡都へやってきたのだが、鏡都で「みやこ様」として祀られ、すでに姿を消した古都であるらしいと知り落胆。だが三人議会の鞍馬と八瀬は、自分たちの母である古都を呼び戻そうと、ビシャマルとコトを戦わせる。ビシャマルに呑まれたコトは、宇宙を漂い、飛び出してきた古都に抱きつかれる。ビシャマルの中から古都を連れて戻ってきたコトに、八瀬たちは喜ぶが、コトは「うちに帰りてえー!」と叫ぶのだった。
- #1 - 10
- 人と妖怪が共存し、物が壊れることのない不思議な町・鏡都に、ある日、空からコトと名乗る少女が降ってくる。黒いウサギを追ってきたコトは阿吽と共に明恵の居候になり、得物のアラタマで毎日暴れまわる。三人議会の鞍馬、八瀬、明恵は、それぞれはるか昔鏡都を去った母親・古都とコトに関係があると気づく。鞍馬と八瀬はビシャマルを使って、コトを外世界に送り込み神社の聖域から古都を連れ戻すことに成功。母子は再会を喜ぶが、そこへ明恵上人から姿を変えた父親の稲荷が登場。隕石が次々と落ち、鏡都の崩壊が始まる。鏡都に降り立った神社の宮司は、鏡都は稲荷が秘密裏に作った13平行軸であり、神社の聖域にコトが強制介入したことで他の平行軸にある星も危機にあると告げる。鏡都を存続させようと宮司と交渉するコトに、稲荷は自分が神の子であると明かし、コトは特別な子と言いながら御神刀で突く。コトは正気を失いアラタマで鏡都はさらに崩壊。鞍馬は明恵こそが鏡都の王と説得、明恵は瓦礫の中コトを探す。再会した二人は高天原で神と対面、13平行軸である鏡都の存在を承認されるが、稲荷は二人に魂を受け継がせ自分は消えるつもりでいると知らされる。父の真意を問うため二人は神社の聖域に移動して稲荷と再会。コトは稲荷を殴りつけながら必死で家族の愛を伝える。神の裁断により、稲荷の存在も許され、めでたく一家は再生した。
登場キャラクター
- コト
- 声 - 釘宮理恵
- 「黒いウサギ」を探すため鏡都に迷い込んだ少女。白いセーラー服の上に黒いセーターを着ている。赤い目が特徴。
- 探索と称して阿吽兄弟と共に暴れ回るのが日課。街中を駆け回っているせいか顔は広い。鞍馬からは「とんでもないちゃん」と呼ばれる。
- 得物としている伸縮自在のハンマー「アラタマ」は、ショーコ博士曰く、もともとビシャマルのもの。
- テレビ版では、幼いころは両親を知らず、「狐の拾い子」として稲荷に育てられていたが、ある時、絵の中の黒いウサギと稲荷が本当の両親であることに気づく。神社直轄部隊配属後、母親である黒いウサギを探して自ら鏡都へやって来ており、アラタマも稲荷に貰ったものとなっている。
- 明恵(みょうえ)
- 声 - 鈴村健一 / 斎藤千和(薬師丸)
- 僧侶姿の青年。〈三人議会〉の1人で、鞍馬、八瀬の弟。髪や目の色は違うものの、外見が父・明恵上人と酷似している。兄弟の中で一人だけ描いた絵から生み出された存在ではなく、人間。居候するコト、阿吽が揉め事をおこすと、そのたび父から受け継いだ数珠を操り、縛り上げている。
- 幼名は薬師丸。京都の戦火で家族と家を失い自害したが、明恵上人に拾われ、術によって生き返り、上人と古都の最初の子どもとなった。
- 「犬山さん」と呼ばれる犬を飼っている。
- 鞍馬(くらま)
- 声 - 中原茂 / 白石涼子(幼い鞍馬)
- 明恵上人が描いた絵から生み出された。八瀬と明恵の兄。三人議会の議長を務め、実質「鏡都」を取り仕切っている。鞍馬寺の主。
- 〈三人議会〉の1人。浮遊する金の盃に座りっぱなしの寺の指導者で、穏やかな口調を崩さない。ショーコらに断りなく事を起こすこともしばしば。
- 八瀬(やせ)
- 声 - 喜多村英梨
- 明恵上人が描いた鬼。〈三人議会〉の1人。
- 「禁足地」に建つ大きなお屋敷の主で、無数の妖怪変化を従えるお姫様。お転婆なコトがお気に入り。
- 母・古都との思い出を大切にしており、思い出の品を全て額やそれ専用の部屋に保管している。
- 阿(あ)
- 声 - 日髙のり子
- 兄弟の活発な方。赤い式神に変化する。吽とはいつも一緒で、寺の下っ端の撃破数を競っている。
- 吽(うん)
- 声 - 白石涼子
- 兄弟の落ち着いた方。妙なところで我慢強い。青い式神に変化し、阿とはいつも一緒。
- ショーコ博士
- 声 - 斎藤千和
- 鞍馬寺一派に属する、白衣姿にゴーグルをした少女。寺の科学技術を担うメカオタク。感情の起伏が激しい。
- 白服と呼ばれる大勢の手下を使ってコトたちを追い回しているが、戦果は芳しくない様子。
- 伏見(ふしみ)
- 声 - 竹本英史
- 鞍馬寺一派の青年でショーコの部下。コトたちを相手に奮戦するショーコを一歩後ろで眺めつつ、彼女のサポートをする。
- テレビアニメ版では、元々コトの世界の『神社』に所属していたという設定になっている。
- げじげじ
- 声 - 矢尾一樹
- コトのハンマーにぶら下がったオレンジ色のぬいぐるみ。
- パクパク
- 声 - 原嶋あかり
- コトのハンマーにぶら下がったウサギのぬいぐるみ。八瀬が母・古都にもらった人形と似ている。
- 古都(こと)
- 声 - 久川綾
- 明恵上人に描かれ、明恵上人に恋をした黒ウサギ。仏眼仏母の姿を借りて上人の妻となる。コトと同じく目の色は赤。
- コトが探しているウサギで、鞍馬、八瀬、明恵の母。「みやこ様」として鏡都で信仰の対象になっている。だいぶ前に姿を消してしまったらしい。
- テレビアニメ版1話では不吉な夢を見て鏡都にいられないと確信、鏡都を去っている。その後コトを出産、以来神社の聖域から出られなくなっていた。
- ビシャマル
- 声 - 竹本英史
- 寺の宝物にして金色のスーパーロボット。ハンマーは新調してある。
- ショーコのリモコン(PSPのようなもの)で動くが、すばしこいコトには翻弄されがち。
- 明恵上人(みょうえしょうにん) / 稲荷(いなり)
- 声 - 石田彰
- 「明恵上人」は、京都の高雄山に隠棲する僧侶。紙に描いた絵を実体化させる能力を持つ。鞍馬、八瀬、明恵の父。
- その能力が気味悪がられ、一家で絵の中の世界「鏡都」に移り住むが、ある日突然「始まりと終わりを連れて帰ってくる」と告げて、古都と共に鏡都を去る。
- 「稲荷」は、神社直轄部隊の一人で狐の面に御神刀を帯びている。少年のように小柄な体型で、穏やかで飄々とした性格。魂の流転を繰り返している。コトが元いた世界での育ての親で、コトから「先生」「パパ」と呼ばれている。阿吽兄弟に似た白と黒の式神(子〈ね〉と子〈こ〉)を連れている。
- 両者は同一人物であるが、名前や姿を変えた理由は明らかにされていない。
- 宮司(ぐうじ)
- 声 - 矢尾一樹
- 神の子で稲荷の兄。12の平行軸の均衡を保つ神の代行者として『神社』を設立、その長を務める。
- 神 / ナレーション
- 声 - 銀河万丈
- 動物や着ぐるみなど様々な姿で画面に登場するが、テレビアニメ版最終話で登場人物と会話する。宮司と稲荷の父。
注釈
- ^ テレビアニメでは総作画監督。
- ^ 初回配信のみ第0話 - 第3話を一挙配信。第4話以降は毎週日曜の同時刻に最新話を更新。
- ^ スカパー!(BS放送)、スカパー!プレミアムサービス、スカパー!プレミアムサービス光にて無料放送。
出典
- ^ a b “ストーリー”. 京騒戯画公式サイト 東映アニメーション. 2017年9月25日閲覧。
- ^ “「キャラホビ2011 C3×HOBBY」にて製作発表を決定!『バンプレスト×東映アニメーション』によるアニメーション「京騒戯画(キョウソウギガ)」 6月24日公式サイトにて最新PV映像を先行公開!”. PR TIMES (PRTIMES). (2011年6月10日) 2013年10月25日閲覧。
- ^ a b “京騒戯画PV”. バンダイチャンネル (2011年6月10日). 2013年10月25日閲覧。
- ^ a b “100 万再生を記録した配信アニメ『京騒戯画』が今秋テレビアニメ化放送決定!”. アニメイトTV. 2013年7月31日閲覧。
- ^ “京騒戯画への道”. バンダイチャンネル (2011年6月10日). 2013年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月25日閲覧。
- 京騒戯画のページへのリンク