京劇 主な四つのキャラクター(役柄)

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京劇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 02:44 UTC 版)

主な四つのキャラクター(役柄)

これらの行当hangdang(役柄)は、声や身分、性格、年齢によって区別できる。

老生の一例。諸葛孔明(俳優は魯大鳴)
  • (Shēng、ション) - 主に男性の役。劇の種類によって、さまざまな種類があるが、主なものは以下のとおり。俊扮(junbang)という化粧をしている。
    • 老生:善良な中高年の男性。付けひげを着け、このひげの色(灰色)で年齢を表す。現代京劇では、須生ともいう。
    • 武生:基本的に、セリフは少なく、アクション(立ち回り)を専門とする男性。長靠武生と短打武生に分かれる。
    • 小生:若い男性。色男役。ひげはつけない。1つの演目に1人しか登場しないという決まりがあり、「二喬」(後述)のように色男役が複数登場する演目では武生も色男を演じることになる。窮生・扇子生・紗帽生・翎子生・娃娃生などがいる。
    • 長靠武生:を着、背には旗(軍隊を表す)を挿し、激しい立ち回りを演じる。一般には、将軍役など武術に優れた人物を演じる。
    • 短打武生:比較的軽装をしている。誰の支配も受けない英雄が多い。
    • 窮生:貧乏な学生か落ちぶれた若い役人が多い。
    • 扇子生:扇子を持って登場する若い男の人。扇子を持つことで様々な内面感情を表現できる。
    • 紗帽生:紗帽という帽子をかぶって登場する若い男。
    • 翎子生:翎子という被り物に雉の尾でできた飾りがついている武将。翎子は戦を指揮する第一人者であることを示す。
    • 娃娃生:いわゆる子役。少年や子供を演じる。
    • 紅生:関羽
京劇「秋江」。船頭(文丑)と尼僧(花旦)。撮影:木村武司
  • (Dàn、ダン) - 女性の役。主に下の4種類がある。俊扮(junbang)という化粧をしている。
    • 老旦:老女。しわがれた声でセリフを言う。
    • 青衣:しとやかな女性。年齢の差が一番大きいのがこの役柄。
    • 花旦:潑剌とした若い女性。
    • 武旦:アクション(立ち回り)を専門とする女性。短打武生と同じように比較的軽装で英雄や武術に長けている役柄。
    • 刀馬旦:戦を率いる女の武将。長靠武生と同じようにを着、背中に旗を挿している。男とは違い美しさを出すため真ん中に丸いリボンが付いている。
  • (Jìng、ジン) - 主に、大柄な男性の役。別名「大花臉」。臉譜という化粧をする。横暴な性格な人もいる。
    • 文浄:大人しく主に歌をメインにする男性役。地位が高い人が多い。銅錘花臉は文浄の一種で皇上からもらった銅錘を持っていることに由来する。二進宮の徐延昭などがこれにあたる。正浄とも。
    • 武浄:武術に長けた男性の役。架子花臉はその中の一種でユーモアのある役柄。副浄とも。
京劇「拾玉鐲」。花旦と彩丑。撮影:木村武司
  • (Chǒu、チョウ) - 道化役。顔の鼻から目元までを白く塗る豆腐塊という化粧が特徴。京劇の祖といわれている玄宗にちなみ、基本的に劇団長が演じる。また、セリフも一般的な口語体でのセリフとなる。地域を表すためにこの役柄だけが方言を使うことが許されている。また、小花臉とも言われる。客の笑いを取り「无丑不成戯」(丑がいなかったら演目が成り立たない)という言葉まである。
    • 文丑:頭が悪かったり、ブサイクだったり、だらしなかったりする役柄。セリフや歌、踊りがメイン。文官や学生などが多い。
    • 武丑:戦いがメイン。地位は低いが、それなりの武術の使い手の男性の役。水滸伝時遷などがこれにあたる。
    • 彩丑:主に、年老いた女性の役。老旦とは違い、ユーモアがあるおばさんや、ブサイクな人、意地悪な人を演じる。男が演じるが男旦とは言わない。彩旦とも。



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