井笠鉄道機関車第2号形蒸気機関車
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主要諸元
- 型式 : Cサイドタンク式
- 全長 : 5,620mm
- 全高 : 3,048mm
- 全幅 : 1,981mm
- 動輪径 : 609mm
- 軸配置 0-6-0(C)
- 弁装置 ワルシャート式
- シリンダー(直径×行程) 229mm×305mm
- ボイラー圧力 11.2kg/cm2
- 火格子面積 0.42m2
- 全伝熱面積 15.61m2
- 運転整備重量 : 12.19t
- 最大軸重 4.06t
- 水タンク容量:1.27t
- 燃料積載量:0.27t
- 機関車性能
- シリンダ引張力:2,670kg
- 動輪周馬力:70PS
- 燃料種類 : 石炭
- ブレーキ装置:手ブレーキ
同形機
宇和島鉄道
同形機としては、1918年(大正7年)に宇和島鉄道が導入した4号機がある。こちらも導入後の使用成績は不良で、同鉄道ではあまり使用されなかった。その後の同社の機関車の増備は井笠鉄道と同様に、ドイツからの輸入が再開されたことから1 - 3号機と同形のコッペル製に戻っている。
この4号機は1933年(昭和8年)8月1日の宇和島鉄道国有化に際し鉄道省形式ケ230形、記号番号ケ230と改番することとされたが書類上の手続きにとどまり、現車は休車状態のまま番号の書き換えは行われず1934年(昭和9年)にそのまま廃車された。
廃車後は、鉄道省から栗原軌道に譲渡されたことになっているが現車の移動は行われず、直接佐世保鉄道に渡っている。この間の経緯については詳らかでないが、井笠鉄道4→8と同様に車両ブローカーの小島栄次郎が譲渡に関与している。
佐世保鉄道では18と称し、同社の国有化に際しては一度(書類上だけとはいえ)ケ230形という鉄道省形式を与えられていたにもかかわらず、上述の経緯で佐世保鉄道19となっていた元井笠鉄道4→8と共に他の佐世保鉄道買収車と連番となる鉄道省形式が別途与えられ、形式ケ218形、記号番号ケ218と改番された。本機は改軌工事完成まで松浦線で使用され、工事完成後の1944年7月に廃車された。
脚注
- ^ 帝国海軍制式の艦本式水管缶の基本となったもので、所長の宮原二郎予備役機関中将(当時。元艦政本部第四部長)が海軍時代に輸入品のヤーロー缶などを参考に開発した。横管式水管ボイラーの一種。6本の円筒形管とそれらを斜めに結ぶ長管、それに垂直に結ぶ短管で構成され、上部の2本の円筒形管が煙管ボイラーにおける蒸気溜の役割を果たす構造であった。
- ^ 機構としては一般家庭で用いられている瞬間湯沸かし器と同様で、水を通した細管をボイラー内に螺旋状に配置して熱を水に伝達、沸騰させる。
- ^ 欧米においても(超高圧ボイラーとしての採用であったが)艦船用水管ボイラーを転用搭載した蒸気機関車はいずれも量産段階に到達せず試作に終わっている。
- ^ 例えば、有田鉄道2となったB型8.5t機は不具合多発のため、わずか数年で通常の煙管ボイラーへの載せ替えを実施している。
- ^ 当時第1次世界大戦の影響で輸送量が増大し各鉄道の購買力は上昇していたものの、戦場となったヨーロッパメーカーからの機関車輸入は途絶し中古市場においても価格が高騰していたため、やむなくドイツ製機関車購入を断念して大日本軌道や日本車輌製造などの国内メーカー製機関車を購入する鉄道会社が相次いだ。
- ^ 水タンク容積は1.59立方メートルで井笠の機関車中最大を記録した。
- ^ この当時、両社とも車両総数は34両で同一であったが、直通運転に使用される客貨車の両数が両備の方が多く、そちらに合わせることになったという。
- ^ 動輪のフランジ形状が井笠の軌道条件に対して不適切であったのが一因とされるが、ウェルタンクを持たず大型のサイドタンクのみとした高重心設計や第3動軸から後端部までのオーバーハング過大なども脱線多発の一因と考えられている。
- ^ 同月24日認可。
- ^ 同月21日届出。ただし現車はそれ以前に売却処分されており、後追いでの書類手続きで処理された。規模の小さな地方私鉄では同様の例は少なくなく、中には譲渡先での設計認可申請時に譲渡元が除籍手続きを怠っていることが指摘され、慌てて手続きを取る、といったケースさえ存在した。
- ^ 後述するように偶然ながら佐世保鉄道には本形式と同一設計の宇和島鉄道4→国鉄ケ230形230→佐世保鉄道18が在籍しており、同型機であったことからケ218形218・219と連番で付番されていた。
固有名詞の分類
日本の蒸気機関車 |
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