中国文様史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/02 17:41 UTC 版)
漢時代
秦が滅びた後に内乱を収拾した劉邦が漢を建国し、前後両漢で400年続く統一国家が誕生した[10]。この時代は神仙などが登場する神話的な世界に憧れた時代であった[1]。漢の時代の美術はほとんど残っていないが、それでも絵を刻んだ石材・煉瓦・タイルなどや壁画、旌幟(せいし;棺蓋の上に置かれた絹布で葬儀の際の旗の役割を果たす)などに見事な人物・動物表現が見られる[10]。これらの主題は崑崙山に座すとされる西王母(不老不死の薬の元締めの神様である[11])を中心とする天上界や、天上界で龍・鳳凰・虎兎などの神獣と戯れる仙人、また死者が羽化登仙する様子などで、翼を持つ不老不死の仙人になることへの強い憧れが漢時代の人々にあったものと考えられる。雲気文は、この時代天上界の文様とともに美術工芸品の中で目立って多く表される[10]。雲気文は戦国時代から登場してきたが、漢時代には雲気文が主文として盛んに使われるようになる[10]。逆に仙人や禽獣は渦巻く雲気の中に小さく扱われている[10]。雲気文は、天界を表すのに欠かせないものであったが、その後雲の形状が吉凶を表すという考え方がおこり、その後の瑞雲の文様につながっていく[10]。
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