ロヴィーサ原子力発電所 概要

ロヴィーサ原子力発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 05:43 UTC 版)

概要

フィンランドで初となる原子力発電所として、1971年に建設が開始された。当時、冷戦下のフィンランドは隣国ソビエト連邦を核とした東側陣営の中にあった。だが、その中でもアメリカ合衆国を中心とした西側陣営の考えも取り入れながら政策の運営をしていた。その過程の中で2つの原子力発電所が計画され、建設された。そのうちの1つがこのロヴィーサ原子力発電所であり、こちらは主に東側陣営の技術で建設された。また、西側陣営の技術で建設されたのがオルキルオト原子力発電所である。

Loviisa 1、2の建設には西側陣営(ウェスティングハウス:アメリカ - 設備 / シーメンス:ドイツ - 工学技術)と東側陣営(アトムストロイエクスポルト:ソ連 - 原子炉技術)の両者によって形作られた混合企業体によって建設され、この対立下の2つの陣営による特殊な混合企業体には「Eastinghouse」というあだ名が与えられ、開発プロジェクトを率いた[1]

建設及び当初の操業はイマトラ電力(イマトラ・ヴォイマ - Imatram Voima Oyj)が行い、現在の操業はイマトラ電力から業務を引き継いだフォータム電熱(Fortum Power & Heat Oyj)が行っている。

この発電所の地下110mには、同発電所から排出される放射性廃棄物を保管するロヴィーサ処分場が設けられている[2]

立地

フィンランドの南部のロヴィーサの近くに位置するフィンランド湾に浮かぶヘストホメルン島(Hastholmen island)上に立地している。

発電設備

原子炉 炉型 主契約者 定格電気出力 運転開始
Loviisa 1 VVER-440/V-213e Eastinghouse 48.8万Kw 1977年
Loviisa 2 1981年

発電設備(詳細)

Loviisa 1

Loviisa 1は、ソ連型加圧水型原子炉(VVER)のVVER-440/213e型を使用している。これはVVERの第2世代VVER-440/213(eがついてない)に当時の西側陣営の安全水準に合わせた改造を加えた炉の設計になっている。Loviisa 1の営業運転終了は2027年の予定である。

Loviisa 2

基本設計及び建設母体はLoviisa 1と同じであるが、いくつかの細かい変更が加えられている。

Loviisa 2は2030年に操業を停止する予定であり、今後(2011年8月現在)原子炉の増設またはリプレースが行われなければ2030年でロヴィーサ原子力発電所の業務は終了となる。




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