ロビンソン (曲) 概要

ロビンソン (曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/19 06:46 UTC 版)

概要

制作背景

CDシングルに収録された「ロビンソン」と「俺のすべて」は、いずれも1995年の初頭に東京都のグリーンバード杉並にてレコーディングされた[5][6](「ロビンソン」は1月17日[7])。制作段階でバンドはどちらをA面にするかは決めておらず、「俺のすべて」から先にリハーサルに取り掛かっている。最終的に「ロビンソン」が1曲目に選ばれたものの、作詞・作曲を担当した草野はこの曲の音楽性が「ポップすぎる」という印象を抱いており、シングルとして発表することにあまり乗り気ではなかったという[6]

シングルの制作中、草野は「ロビンソン」を“いつものスピッツの、地味な曲”と感じ、バンドの他のメンバーや共同プロデューサーの笹路正徳にもそう話していたという[8]フジテレビ系列で放送されていた夕方のバラエティ番組のテーマ曲として発売時に1か月オンエアされたことを除けば、この楽曲のための表立ったプロモーション活動はほとんど行われなかった。それにもかかわらず、この楽曲は1995年の初夏にスリーパー・ヒットを記録することとなる。この楽曲が思いがけず大衆的な支持を集めたことについて、草野は2007年に出版されたグループの回顧録『旅の途中』の中で「人気テレビ番組やCMのタイアップではないし、テレビによく出ていたわけでもないのに、なぜあの曲がこんなに長く売れているのか、と当時抱いた疑問の答えはいまでもわからない」と明かしている[9]

また、イントロサビリフレインされる印象的なアルペジオフレーズはリードギターの三輪テツヤが持ってきたフレーズをそのまま採用しており、プロデューサーの笹路正徳はこのアルペジオのフレーズもこの曲の印象を決定づける重要な要素だったと語っている[10]

リリース

世間に流通している「ロビンソン」のシングルは、そのほとんどが1995年の4月5日にリリースされた8cm盤CDである。フロントカバーの写真は、2006年に発売されたシングルA面曲をまとめたコンピレーション『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』の歌詞カードにも掲載されている。

オリジナルが発売された年の8月25日には、スピッツにとって初めてのアナログ盤となる7インチのシングルが限定生産された。B面には、「ロビンソン」に次ぐシングルとして発売されヒットの最中であった「涙がキラリ☆」が収録されている。フロントカバーには、草野がCDシングルのジャケットやプロモーションビデオで手に持っているものと同じ型のレコードプレーヤーのイラストが描かれている。このビニール・リリースは“GOLDEN HIT SERIES”と冠されてシリーズ化し、ヒット曲を両面にフィーチャーした続編的なアナログ盤EPが1997年まで3年連続で相次いでリリースされた。

2000年の6月28日には、Spitz Single Archivesシリーズの一部として、12cm盤のマキシCDシングルがリリースされた。

タイアップ等

「ロビンソン」は、シングルが発売された際にフジテレビ系バラエティ番組『今田耕司のシブヤ系うらりんご』の1995年3月 - 4月度のエンディングテーマに起用された。1996年には、フジテレビ系ドラマ『白線流し』の挿入歌として、2001年には キリンビバレッジ午後の紅茶」CMソングとしてそれぞれ使用されている。

また、日本テレビ系で放送されたドラマ『君といた未来のために 〜I'll be back〜』(1999年)では、主人公が1995年にタイムスリップするたびに「ロビンソン」が流れていた。


  1. ^ 年度別ミリオンセラー一覧 1995年”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
  2. ^ RIAJ 2015年6月度
  3. ^ 「ロビンソン」スピッツ”. Oricon Style. 2014年5月10日閲覧。
  4. ^ a b スピッツのCDシングルランキング”. oricon.co.jp. オリコン. 2014年5月6日閲覧。
  5. ^ a b 『Cycle Hit 1991-1997』(CD booklet)スピッツ、Universal J、2006年。 
  6. ^ a b c 『花鳥風月』(CD booklet)スピッツ、Polydor、1999年。 
  7. ^ スピッツ『ロビンソン』の創作秘話 プロデューサー・笹路正徳スペシャルインタビュー”. 八木亜希子 LOVE&MELODY【10時のグッとストーリー】. ニッポン放送 (2017年10月21日). 2019年6月5日閲覧。
  8. ^ 草野マサムネ (スピッツ)『旅の途中』幻冬舎、2007年、168頁。ISBN 4-34401-427-8 
  9. ^ 草野マサムネ (スピッツ)『旅の途中』幻冬舎、2007年、171頁。ISBN 4-34401-427-8 
  10. ^ スピッツ『ロビンソン』の創作秘話 プロデューサー・笹路正徳スペシャルインタビュー”. 八木亜希子 LOVE&MELODY【10時のグッとストーリー】. ニッポン放送 (2017年10月21日). 2019年6月5日閲覧。
  11. ^ a b 日向野明(producer) (24 October 2010). "Music Lovers 放送内容". Music Lovers. Episode 208. 日本テレビ放送網. 日本テレビ。[リンク切れ]
  12. ^ スピッツ『ロビンソン』の創作秘話 プロデューサー・笹路正徳スペシャルインタビュー”. ニッポン放送 ラジオAM1242+FM93. 2019年7月24日閲覧。
  13. ^ ロビンソン(スピッツ) / コード譜 / ギター - J-Total Music!”. Jトータルミュージック. 2016年8月1日閲覧。
  14. ^ 『オリコン・シングル・チャートブック(完全版)』オリコン・エンタテインメント、2011年。ISBN 4-87131-088-4 
  15. ^ 1995年04月第3週の邦楽シングルランキング情報”. oricon.co.jp. 2014年5月4日閲覧。
  16. ^ 「ロビンソン」スピッツ”. Oricon Style. 2014年5月10日閲覧。
  17. ^ 田村明浩 (スピッツ)『旅の途中』幻冬舎、2007年、174頁。ISBN 4-34401-427-8 
  18. ^ RIAJ: The Record No.433 (1995年12月): 平成7年10月度「ゴールド・アルバム」他認定作品”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
  19. ^ レコード協会調べ 2010年1月度有料音楽配信認定”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
  20. ^ レコード協会調べ 2011年8月度有料音楽配信認定”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
  21. ^ スピッツ「ロビンソン」1億回再生突破 90年代リリース曲では初”. 2021年11月7日閲覧。
  22. ^ 第37回日本レコード大賞”. jacompa.jp. 日本作曲家協会. 2008年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月3日閲覧。
  23. ^ 作品データベース検索サービス 作品コード 030-6368-2”. 日本音楽著作権協会. 2014年5月11日閲覧。"作品タイトル"の欄に"ロビンソン"と入力して"検索"
  24. ^ 加藤ミリヤ、スピッツ「ロビンソン」を大胆サンプリング”. barks.jp. BARKS 音楽ニュース (2010年7月6日). 2014年5月4日閲覧。
  25. ^ a b スピッツ「ハチミツ」トリビュート、参加アーティストの演奏曲発表”. 音楽ナタリー (2015年12月1日). 2015年12月1日閲覧。
  26. ^ 涼風真世、壮一帆ら総勢12人の元宝塚トップスターが「男唄」をカバー!レコーディング風景をダイジェスト公開!”. シアタークリップ (2015年12月23日). 2015年12月25日閲覧。





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