ヤマボウシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/11 08:50 UTC 版)
栽培
西日を嫌うため、敷地の東側から南方に植えて育てられる[16]。本来山の谷筋などに自生する樹木であるので、水はけのよい常に水が存在する場所を好む。栽培する土壌の質は、日なたの適当に湿度を保った砂壌土にして、根は深く張る[19]。植栽適期は2 - 3月[9]、または3月下旬 - 4月上旬か10月中旬 - 11月[19]とされる。樹形は自然に整うが、不要枝を剪定する場合は1月中旬 - 3月中旬に行い、さらに必要なときは9月中旬 - 10月中旬に行う[19]。
病気では特に目立ったものはないが、害虫ではアブラムシ、カイガラムシが付くことがあり、すす病(昆虫の排泄物に黒いカビが生えたもの)を誘発する。また、幹に穴を開けて食害するテッポウムシが付くことがあり、注意が必要。ヤマボウシは、同じヤマボウシ亜属の近縁種であるハナミズキ(アメリカヤマボウシ)の深刻な病害であるハナミズキ炭疽病に抵抗性がある。ハナミズキ炭疽病の感染地域では、感染によってハナミズキの街路樹が枯死すると、ハナミズキ炭疽病に抵抗性があるヤマボウシまたはハナミズキのヤマボウシ交配品種に植え替える病害対策が行われることがある。
品種
品種改良によって、実の大きな品種(ビッグアップル)、斑入りの品種(ウルフアイ)、赤みがかった花をつける品種(源平・サトミ)、黄色の花をつける品種(金陽)などの多彩な種が流通している。
なお、トキワヤマボウシあるいはホンコンエンシスという園芸名で流通している常緑の品種は中国原産の B. hongkongensis である。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Cornus kousa Buerger ex Hance subsp. kousa ヤマボウシ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年1月2日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Dendrobenthamia japonica (Siebold et Zucc.) Hutch. ヤマボウシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月2日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Benthamidia japonica (Siebold et Zucc.) H.Hara ヤマボウシ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年1月2日閲覧。
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