ヤマトヌマエビ 人間との関係

ヤマトヌマエビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/13 07:39 UTC 版)

人間との関係

ヤマトヌマエビは一般的に食用にはされないが、熱帯魚と一緒に飼うタンクメイトとしてよく流通する。成体はわりと丈夫で飼育しやすいが、幼生は汽水か海水でないと成長しないため繁殖させるのは難しい。

飼育

エビ一般の特徴であるが、本種のみならず、ミナミヌマエビと同様、農薬等の薬物水質の急激な変化に弱い。ホームセンター等で販売されている水草、魚用の薬や水槽のある部屋での殺虫剤などの使用に注意が必要である。

メダカテトラ類、他のヌマエビ類などと共に飼育される事があり、水槽内を活発に動き回って水槽内の糞や食べかすや藻類や水垢などを食べ、掃除役をこなす。固形飼料を与えると素早くつかみ取るしぐさなども愛嬌があり、上手に飼育すれば5年以上、ときには15年以上も生きる。ただ自分より大きい魚がいたり極端に明るいと物陰に隠れて出てこず、自分より小さな魚が弱っている場合は餌が少ない時など食することがある。健康な魚は小型のものであっても襲うことはほとんどないので混泳に際してそれほど神経質になる必要はない。ただし、稚エビなど小さな個体は捕食されてしまうのでそれらの繁殖を期する場合は混泳させないまたは隠れる草木などを利用したほうが良い。本種はヌマエビとしては大型であるので、同居している魚が肉食または雑食魚でなければ本種が襲われることはなく[3]、水槽の苔取り役として利用される事が多い。

両側回遊型なので、繁殖させるには抱卵したメスを2週間目頃から隔離して飼育し、さらに孵化した幼生を海水か汽水の水槽に移さなければならない。幼生は海水-汽水水槽に藻類バイオフィルム)を生やしておくとこれを餌に成長させることができるが、飼育環境によってはこまめな世話が必要となる。


  1. ^ a b Yixiong Cai, Peter K. L. Ng, Shigemitsu Shokita, and Kiyoshi Satake"On the species of Japanese Atyid shrimps (Decapoda: Caridea) Described By William Stimpson (1860)" Journal of Crustacean Biology 26(3):392-419. 2006
  2. ^ a b 長崎県環境部自然環境課編『ながさきの希少な野生動植物』(解説 : 三矢泰彦)2001年発行
  3. ^ a b 『レッドビーシュリンプとその仲間』 アクアライフ編集部
  4. ^ a b c 内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』1948年初版・1999年重版 北隆館 ISBN 4832600427
  5. ^ a b c 浜野龍夫・林健一『徳島県志和岐川に遡上するヤマトヌマエビの生態』 Reserches on Crustacea No.21, 1-13, 1992-12-31


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