メトロイド 開発

メトロイド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 08:10 UTC 版)

開発

本作は横井軍平の所属する任天堂第一開発部で開発された。開発当初はディスクシステムの新作としてメトロイドの企画(またはその前身となる企画)が、当時の新人スタッフだった清武博二(サムスのキャラクターデザイン)と松岡洋史(グラフィックデザイン)によって進められていた。しかし、発売を前にして「宇宙を舞台に自在に動き回って銃で攻撃」という作品イメージのみが先行し、主人公の設定も未定で、ゲームとして全くの未完成だったため、発売に間に合わせるために坂本賀勇を始めとする第一開発部が総がかりで製作することになった[5]。メトロイドシリーズの特徴の1つであるダンジョンを探索してパワーアップしながら進んでいくというゲームデザインは、このときにゲームの製作の手間を省くという理由でもたらされたものであった。

坂本は後に「要素が足りないし、時間もない。なら、マップを工夫して、隠し通路を見つけていくゲーム性にしようと。スクロールしてしまうと隠しがバレちゃうんで、ジャンプできないような通路を造ったり、そういうマップの組み方をしていきました。(中略)背景の柄は同じだけど、ヒットチェックだけ外した部分を作っておくと、隠し通路になる。同じ方法で、見た目には溶岩が煮えたぎっているけど、飛び込んだら意外と下に行けたとか。『メトロイド』は、ある種リサイクル的な思想で作られているんですね。限られたパーツを使い、みんな総掛かりでやったから、いろんな人のいろんな声が反映されているんです」と語っている[5]

音楽は田中宏和が担当。ディスクシステム音源を生かした壮大なBGMは高い評価を受け、彼の代表作の1つとなった。

タイトル「メトロイド」を命名したのは、デザイナーの松岡洋史。ステージの張り巡らされた暗い地下メトロ(フランスの地下鉄)と、アンドロイドのサムスのイメージを合わせ、制作初期の頃に「メトロイド」と名付けた。この頃観ていたSF映画『メトロポリス』にも影響を受けている。しかし制作後半において、世界観がタイトルでは分かりにくいという話になり、敵の宇宙生物としての名前に変更された[要出典]

スタッフ

  • シナリオ・ライター:KANOH(加納誠
  • キャラクター・デザイン:KIYOTAKE(清武博二
  • ゲーム・デザイン:NEW MATSUOKA(松岡洋史)、SHIKAMOTO(坂本賀勇
  • 音楽:HIP TANAKA(田中宏和
  • メイン・プログラマー:HAI YUKAMI(湯上裕之)、ZARU SOBAJIMA(傍島やせ)、GPZ SENGOKU(仙石敏男)、N.SHIOTANI、M.HOUDAI
  • スペシャル・サンクス:KEN ZURI、SUMI、INUSAWA(大澤徹)、KACHO、HYAKKAN、GOYAKE、HARADA(原田貴裕)、PENPEN 、TOHRYU(東龍)、MAKO(サムタイム マコ)、BENKEI(弁慶食堂)
  • コンバート:成広通
  • アシスタント・ディレクター:加納誠
  • ディレクター:YAMAMOTO(山本雅央)
  • チーフ・ディレクター:岡田智
  • プロデューサー:横井軍平
  • エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥

注釈

  1. ^ ニンテンドー3DS本体を早期購入したユーザー向けの措置「アンバサダー・プログラム」の一環として、2011年9月1日に無償配信された。2012年2月29日以降は一般ユーザー向けに有料配信されている。
  2. ^ 『メトロイド ゼロミッション』のものは、ディスクシステム版ではなくNintendo Entertainment System版。

出典

  1. ^ a b 「ディスクライター 書き換えゲーム全カタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第5巻第12号、徳間書店、1989年7月7日、8頁。 
  2. ^ 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine(アンビット、2016年)26ページから29ページ
  4. ^ M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』91ページ
  5. ^ a b 多根清史「『メトロイド』を創った男」『CONTINUE』Vol.10、太田出版、2003年6月18日、124 - 144頁。 
  6. ^ Norris IV, Benjamin F.. “Metroid - Review”. Allgame. 2014年11月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月5日閲覧。
  7. ^ Provo, Frank. “Metroid Review”. Gamespot. 2013年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月6日閲覧。
  8. ^ a b 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、13頁。 
  9. ^ a b 「フォーエバー DISK SYSTEM」『ユーゲー 2003 Vol.09』第7巻第18号、キルタイムコミュニケーション、2003年10月1日、7頁、雑誌17630-10。 
  10. ^ ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine(アンビット、2016年)7ページ
  11. ^ a b ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine(アンビット、2016年)63ページから71ページ






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