ミ=ゴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 00:44 UTC 版)
初出は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説『闇に囁くもの(執筆1930年2〜9月、発表1931年8月)』[1]。クトゥルフ神話内では主に「ユゴス物語」に登場する[2][3]。
概要
宇宙人(エイリアン)の一種。地球の生物でたとえるなら、容姿は甲殻類風、性質は菌類風。暗黒星ユゴスから地球を訪れる。
初出作品では忌まわしき雪男(Abominable Snow-Men)、「ユゴスよりのもの(Fungi from Yuggoth)」と呼ばれていた。後発作品の『狂気の山脈にて(執筆1931年2月~3月、発表1936年2月)』でも言及がある。
名前の由来はヒマラヤの雪男=シェルパ族の言語で「イエティ」の、ブータン語「ミゲー」から。イエティを英訳すると「Abominable Snow-Men」になる。ラヴクラフトは、イエティの正体をこの種族とした。転じて、ミ=ゴがこの種族を指す固有名詞になっている。
ラヴクラフト代作の『永劫より』にはユゴス星人への言及があり、ムー大陸のヤディス=ゴー山頂に城塞を築いたと『無名祭祀書』に仮託して述べられている。「ユゴス星人」がミ=ゴを指すのかは定かでないが、たとえばダニエル・ハームズは『エンサイクロペディア・クトゥルフ』のガタノトーアの項で「ユゴスの菌類が置き去りにしていった」と記述し、両者を同一視している[4][5]。
生物的特徴
身体組織は菌類に近い。写真に写らず、死体は数時間で分解して消える。有翼種と無翼種がいることが知られている。
有翼種は体長は5フィート(約1.5m)ほどで、背中には一対の蝙蝠のような翼を持ち、薄桃色の甲殻類のような姿をしている。渦巻き状の楕円形の頭にはアンテナのような突起物が幾つか生えている。鉤爪のついた手足を多数持ち、全ての足を使って歩行することも、一対の足のみで直立歩行することも出来る。
エーテルをはじく翼で宇宙空間を生身で飛行する。一種の冬眠状態になって生命活動を中断できる。暗黒世界の出身であるために光を苦手としている。仲間同士では、頭部を変色させたり、ブザー音のような鳴き声かテレパシーで意思の疎通を行うが人間の発声も可能である。『闇に囁くもの』では彼らの鳴き声が録音されている。
無翼種は大型類人猿のような姿で、ヒマラヤの雪男として目撃される。さらに無翼甲殻種もいる。
固有名詞の分類
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