ホトトギス (植物)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/04 14:29 UTC 版)
特徴
茎は直立するか、崖地では垂れ下がり、長さは40 - 80cmになる。葉は左右に互生し、葉身は長楕円形から披針形で、長さ8 - 20cmになり、先端はしだいにとがり、基部は円く茎を抱く。葉の両面に軟毛が生える。茎には斜上する褐色の毛が密に生える[5][6][7]。
花期は8 - 10月。葉腋に2-3個の花を上向きにつける。花に花柄があり、花は漏斗状鐘形で径約25mmになる。花被片は6個で、長さ約25mmあり、斜め上向きに開き、外側に毛が生え、内側には白色地に紫色の斑点が多くあり、下部に黄色の斑点がある。3個の内花被片と3個の外花被片があり、外花被片の基部に袋状のふくらみがある。雄蕊は6個で、花糸は互いに寄り添って束状に立ち、上部で反り返って先端に葯を外向きつける。花柱の先は3つに分かれて球状の突起があり、各枝の先はさらに2裂する。 果実は線状長楕円体の蒴果で3稜があり、長さ30mm前後になり、熟すと胞間裂開する。種子は小円形で淡褐色をしている[5][6][7]。
分布と生育環境
日本固有種[8]。北海道南西部、本州の関東地方以西・福井県以南、四国、九州に分布し、山地の半日陰地に生育する。観賞用に栽培もされる。花被片の紫色の斑点の大小、多少は個体によって変異が大きい[6]。
名前の由来
和名の「ホトトギス」は、「杜鵑草」の意で、花の紫色の斑点のようすを鳥のホトトギス(杜鵑)の胸にある斑点に見立てたことによる[6][7]。斑点を油染みに見立てて、ユテンソウ(油点草)という別名もある[9]。
種小名(種形容語) hirtaは、「短い剛毛のある」の意味[10]。
ギャラリー
-
花は漏斗状鐘形に開き、内面に紫色の斑点が多く、下部に黄色の斑点がある。
-
果実は線状長楕円体の蒴果で3稜がある。
- ^ ホトトギス 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ ホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d 山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.80
- ^ a b c d e f g 『改訂新版 日本の野生植物 1』pp.175-176
- ^ a b c d 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.228
- ^ a b 『日本の固有植物』p.159
- ^ “ホトトギス | Tricyrtis hirta”. かぎけん花図鑑. 2021年11月19日閲覧。
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1496
- ^ シロホトトギス 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ サツマホトトギス 米倉浩司・梶田忠(2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ 逗子市の市の花
- ホトトギス (植物)のページへのリンク