ブラウ・ブロ ブラウ・ブロ(サンダーボルト版)

ブラウ・ブロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/20 22:16 UTC 版)

ブラウ・ブロ(サンダーボルト版)

漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場する機体(デザイン協力:桜 水樹)は、原作版とデザインに大差はないが、前部にMSと合体するドッキング・アームを装備しており、Iフィールド・ジェネレーターを搭載しているのが大きな相違点となっている。さらに、上部メガ粒子砲の付け根にモノアイがあり、メガ粒子砲はすべて連装砲になっている。

一年戦争終結後、調査対象としてルナツーに運び込まれるが、ニュータイプ専用機という特殊性ゆえに誰も動かすことができず、格納庫で保管される。その存在を感知したダリル・ローレンツパーフェクト・ガンダムに搭乗してルナツー内部に侵入、発見し前部に合体して起動に成功する。Iフィールドで敵守備隊のビーム斉射を捻じ曲げ、強力なメガ粒子砲でルナツーの外壁に穴を開け、連邦軍艦隊の宇宙艦を多数撃沈して暗礁宙域へ逃亡。その後、連邦艦隊に追われるカウフマンらの難民船の窮地に駆け付け、タイコンデロガのメガ粒子砲の一斉射撃をIフィールドで無効化、撤退に追い込んだ。なお、武装であるメガ粒子砲はルナツー脱出時は有線式だったがタイコンデロガとの交戦時は無線式になっていた。

関連作品での活躍

富野喜幸が執筆した小説版『機動戦士ガンダムIII』においてもシャリア・ブルが搭乗しているが、役回りはテレビ版と大きく異なり、シャアの意を汲んで機体に搭載されたサイコミュを通じて最大の敵アムロへ同盟を呼びかけるという重要任務を帯び、ア・バオア・クー宙域へ出撃する。ソーラ・レイの第1射によって混乱をきわめる戦況下で呼びかけには成功するが、説得に耳を貸さず逆上したアムロが無情に放ったビームライフルの一撃がコクピットを直撃し、あえなく撃墜された。

オールドタイプ数名による分担操縦でオールレンジ攻撃を実現した例もある。漫画『機動戦士ガンダム MSジェネレーション』に収載された「FILM.9:WARS…」では、ジオン兵の有志が分乗してソロモン攻略後の連邦軍を攻撃するが、瞬時の連携を欠くオールドタイプたちの分担操縦では通常艦艇と大差ない性能しか発揮できず、あえなく捕捉・撃墜されている。また、漫画『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』では、月面グラナダ宙域防衛用としてグラナダ特戦隊に配備されているが、機体への不慣れからサラブレッド隊による連携攻撃に遭い、撃墜されている。

デザインがアレンジされた例もある。OVA『GUNDAM EVOLVE../15』では、テレビ版第39話を再構成した内容になっており、本機も有機的なデザインにされている。また、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、2連装メガ粒子砲を十字型に配置した単座式の機体になっている。コクピットもすべて同じ向きになっており、中央にモノアイシステムの索敵カメラを持つ。シャリアはこれを駆ってテキサスコロニー内部に潜み、シン少尉らのガンキャノン部隊に壊滅的打撃を与えたが、アムロのガンダムには歯が立たず、外部装甲を次々と破壊されて撃墜された。なお、「MAN-03」は本機でなくシャリア自身のコードネームとなっている。また、少数が量産されており、ア・バオア・クー防衛戦ではシムス中尉率いるNT部隊として数機が出撃するが、シムス機はセイラ・マスジム(近接戦闘タイプ)と相撃ちになって爆散し、他の機体もシャアのセリフによれば全機撃墜された模様である。

脚注


注釈

  1. ^ ビーム兵器稼働のために旧式かつ大出力の反応炉を採用したことと、機体各所のスラスターによって姿勢制御をする都合上、大型化したとする資料[5]サイコミュシステムの積載によって大型化したとする資料[6]もみられる。また、ジオング開発計画の一環で開発された機体とした資料もみられる[5]
  2. ^ 3つのブロックからなり、それぞれ独立行動を可能とした媒体もみられる[7]。また、メインエンジンユニットを含む5つのブロックに分離し、中央部のコクピットが自律航行できるとした資料もみられる[8]
  3. ^ 3機が製造され、すべて戦闘によって損失したとする資料もみられる[5]
  4. ^ NTの感応波をレーザー信号に変換するライトケーブルによって誘導される[4]
  5. ^ シムスはシャリアのデータ収集のために同乗し、操縦・戦闘はシャリア1人で行った。

出典

  1. ^ a b c d e f 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、58-59頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  2. ^ a b 『テレビマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻(講談社)
  3. ^ a b 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  4. ^ a b c d e ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、55-56頁。ISBN 4-87777-028-3
  5. ^ a b c 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、191頁、ISBN 978-4063757958
  6. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、125頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  7. ^ ブラウ・ブロ - 機動戦士ガンダム公式Web
  8. ^ a b c d e 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、144-147頁。ISBN 978-4063721768
  9. ^ 『機動戦士ガンダム宇宙世紀 vol.2 大事典編』ラポート、1998年9月、74頁。(ISBN 4-89799-294-X)
  10. ^ 小説版第3巻での描写。
  11. ^ 『機動戦士ガンダム記録全集 5』日本サンライズ、1980年10月、187頁。


「ブラウ・ブロ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ブラウ・ブロ」の関連用語

ブラウ・ブロのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ブラウ・ブロのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのブラウ・ブロ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS