ヒトジラミ 現在日本の状況

ヒトジラミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/21 00:11 UTC 版)

現在日本の状況

日本でも古来、アタマジラミ、コロモジラミ共に重要な寄生虫であった。特に第二次大戦後には衛生面の不備により、両種共に大発生を見た。DDTがその駆除に使われたことはよく知られている。

ただし、その後の生活水準の向上と衛生面の改善により、その発生はごく少なくなった。毎日入浴洗髪をし、着替えを頻繁にする条件下では、シラミは生活を維持しづらい。国内では1950年代に両者共にほぼ消滅状態となった。ただし、1970年代から僅かずつ報告があり、1980年代からはやや増加の傾向がある。この理由としてはシラミの側では薬剤耐性の系統が生じたこと、人の側では一度消滅状態になったことで、伝統的なシラミへの対応の知恵が途絶えたことが挙げられる。例えば親にシラミに対する知識がないために、子にシラミが発生してもなかなか気付かず、大繁殖を始めてようやく気付く、といった例がある。また、ホームレス独居老人といったシラミの温床になりやすい場が新たに生じたことも挙げられる。コロモジラミではこの様な高齢化を舞台にした増殖が、アタマジラミでは幼稚園小学校などの集団での感染拡大が見られている[16]

参考文献

  • 佐藤仁彦、『生活害虫の事典(普及版)』、(2003)、(普及版としては2009)、朝倉書店
  • 加納六郎・篠永哲、『日本の有害節足動物』、(1997)、東海大学出版会
  • Robin A Weiss, 2009. Apes, Lice and prehistory. J. Biol. 8(2);20.

関連項目

外部リンク


  1. ^ 以下、記載は主として加納・篠永(1997).p.13
  2. ^ 佐藤編著(2003),p.125,128
  3. ^ 佐藤編著(2003),p.125
  4. ^ ちなみにケジラミでは先端の爪と向き合う突起は脛節の基部にある。
  5. ^ a b c 佐藤編著(2003),p.126
  6. ^ 以下、主として加納・篠永(1997).p.13
  7. ^ 加納・篠永(1997).p.13
  8. ^ 佐藤編著(2003),p.126,p.129
  9. ^ 以下、Weiss(2009)
  10. ^ 日本家屋害虫学会(1995),p.160
  11. ^ 頭にシラミがあるとプールは禁止?アタマジラミが寄生しておこるシラミ症とは? - MEDLEY(メドレー)
  12. ^ 疥癬の治療薬スミスリンローション5% - ウェイバックマシン(2020年2月5日アーカイブ分)
  13. ^ a b Head Lice Treatment CDC
  14. ^ スミスリン抵抗性のアタマジラミ症への対応【梳き櫛による駆除はスミスリン抵抗性のシラミにも有効】(2016年03月12日) 日本医事新報社
  15. ^ 佐藤編著(2003),p.127
  16. ^ この章は佐藤(2003),p,127,p.129-130による


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