ネパール 国際関係

ネパール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/07 14:59 UTC 版)

国際関係

ネパールの外交の基本方針は非同盟中立である。また、隣国のインド中国と深い関係を持っている。条約により、インドとネパールの国民はビザなし、パスポートなしで両国を行き来できる。また、ネパール国民はインドで自由に働くことができる。このようにネパールとインドが密接な関係を持っているにもかかわらず、ネパールはしばしば、問題の多い中印関係英語版に翻弄されてきた。アメリカは長年、毛派をテロ集団と位置づけ、国王を援助してきたが、民主的な選挙で第一党となったことで、友好的な態度に変わった。

インドとの関係

経済的依存が大きい。ネパール南部はマデシと呼ばれるインド移民がおり親インド的でインド政府は彼らを支援し影響力を維持しようとしている[42]。領土問題もある[43]。共産党に政権が変わってからはマデシの野党議員が領土問題でネパール政府の意見に異を唱えるなどインドの影響力の増加から反インド政策を打ち出している[44][45]

2008年8月22日プラチャンダ内閣の外務大臣としてマデシ人権フォーラム党首・ウペンドラ・ヤーダブが就任した。

2009年6月4日マーダブ・クマール・ネパール内閣の外務大臣として、ネパール会議派所属のスジャータ・コイララ英語版(女性)が就任した[46]

中国との関係

社会主義や共産主義を掲げる政党が多い為、現在においても親中政権だと言われている。

2008年中国のチベット政策に対する抗議活動を抑圧するようネパールに要請した。2008年4月17日、ネパール警察は、中国との良好な関係を維持するため500人以上のチベット人の活動家を逮捕した。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、中国からの要請により、ネパールのチベット人は、政治的活動、文化活動、宗教活動を厳しく制限され、ネパール治安部隊から日常的に人権侵害を受けているとしている。また、ネパールは一部のチベット人を中国へ強制送還しているともされ、これはネパール政府と国連難民高等弁務官事務所との紳士協定や、ネパールにチベット人難民の強制送還を禁じる国際法に違反している[47]

8月15日選出されたプラチャンダ首相は、最初の外遊として北京オリンピックの閉会式への参加という形で訪中し、胡錦濤国家主席温家宝首相と会談している[48]。慣例ではネパール首相が最初に訪れる外国はインドであり、異例の外交といえる。

2018年9月オリ首相は中国と天津等海港4ヶ所、蘭州等陸港3ヵ所の使用を合意。貿易を依存するインドによる度々の国境閉鎖が背景にあるという。

日本との関係

日本とネパールの関係は良好である。要点は次の通りである。

  • 経済援助額はイギリスについで世界第二位である。
  • 国連の停戦監視団に6名の自衛官を派遣している。
  • 制憲議会選挙に選挙監視団を派遣している。

2007年10月10日にはサハーナ・プラダン外相が訪日し、高村正彦外相と公式に会談した。プラダンは日本による投票箱の供与や国連監視団の協力に感謝し、日本の国連常任理事国入りを支持した(国連総会でも日本の常任理事国入りを支持する演説を行っている)[49]

また、毛沢東派のプラチャンダ議長は政権就任前、日本にガジュレル政治局員を非公式に派遣した。ガジュレルは、日本・ネパール友好議員連盟会長の二階俊博衆議院議員や当時の木村仁外務副大臣と会談し、また、共同通信のインタビューも受けている[50]

2008年7月16日には日本から宇野治外務大臣政務官がネパールを訪問、当時のギリジャー・プラサード・コイララ首相のほか、毛派のプラチャンダ議長ら、各党の幹部と個別に会談した。制憲議会発足後初めての要人訪問である[51]

また、8月中旬、ネパール統一共産党前総書記のマーダブ・クマール・ネパール副首相(のちに首相)が訪日している。

2009年2月6日、プラチャンダ内閣の閣僚として初めてバーブラーム・バッタライ財務大臣が訪日した[52]

2009年6月4日現在の日本の在ネパール特命全権大使は水野達夫、ネパールの在日本特命全権大使はガネシュ・ヨンザン・タマンである。

2018年1月現在の駐ネパール日本大使は小川正史、駐日ネパール大使はプラティヴァ・ラナである。

社団法人日本ネパール協会が交流の中心になっている。[要出典][53]


注釈

  1. ^ これらの王宮は現在のカトマンズにあったと推測されているが、詳しい位置はわかっていない。
  2. ^ 英:General Secretary.ネパール会議派では党首ではなく、また複数いる場合があるので、「総書記」「幹事長」と訳すのは不適と考え、「代表幹事」の訳を充てた。
  3. ^ a b c d ネパールのカーストの一つ
  4. ^ 現代ネパール語でのविक्रमの発音はビクラムだが、学術的にはサンスクリット語読みでヴィクラマ暦と書かれることもある。ネパールに関する項では原音主義に基づきビクラム暦とする。

出典

  1. ^ a b UNdata”. 国連. 2021年10月31日閲覧。
  2. ^ a b c d World Economic Outlook Database, October 2020” (英語). IMF (2020年10月). 2021年1月27日閲覧。
  3. ^ Nepal”. Worldstatemen.org. 2021年1月27日閲覧。
  4. ^ ネパール「7州連邦制」新憲法を承認・公布へ 大地震で非難受け加速も州区割りに火種 - 産経ニュース 2015.9.17 20:08
  5. ^ a b c ネパールで新憲法公布 州連邦制、7年かけ制定 - 日本経済新聞 2015/9/21 1:16
  6. ^ ネパール基礎データ”. 外務省 (2022年3月9日). 2022年3月9日閲覧。
  7. ^ a b The United Nations Terminology Database/Nepal”. 国際連合. 2021年1月27日閲覧。
  8. ^ अब नेपाल के नाम पर ही खड़ा हो गया झगड़ा, जानिए क्या है पूरा विवाद”. livehindustan.com (2020年12月9日). 2021年1月23日閲覧。
  9. ^ It is Federal Democratic Republic Nepal, not just Nepal, parliamentary committee says”. カトマンズ・ポスト (2020年11月9日). 2021年1月23日閲覧。
  10. ^ Supreme Court asks written response from government on decision not to write Federal Democratic Republic Nepal”. カトマンズ・ポスト (2020年12月4日). 2021年1月23日閲覧。
  11. ^ Govt decision to use ‘Nepal’ as the country’s official name, instead of ‘Federal Democratic Republic of Nepal’ is okay: Constitutional experts”. myrepublica (2020年11月6日). 2021年1月27日閲覧。
  12. ^ Nepal”. 中央情報局 (2021年1月19日). 2021年1月23日閲覧。
  13. ^ ISO 3166:NP”. 国際標準化機構 (2021年1月20日). 2021年1月23日閲覧。
  14. ^ 佐伯(2003):21
  15. ^ 佐伯(2003):28
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  17. ^ 佐伯(2003):39-55
  18. ^ a b c d エリア・スタディーズ(2000):33
  19. ^ a b c エリア・スタディーズ(2000):34
  20. ^ a b エリア・スタディーズ(2000):35
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  22. ^ 王制復活へ期待の矢先、ネパール元皇太子が発砲[リンク切れ]
  23. ^ http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/asia/nepal/8864647/Nepal-Maoists-hail-historic-deal-as-path-to-peace.html
  24. ^ http://www.dnaindia.com/india/report_nepal-peace-process-in-for-trouble-as-maoists-ask-for-more_1620429
  25. ^ http://www.nepalnews.com/home/index.php/news/1/14893-ca-set-to-get-final-extension-of-six-months-taskforce-decides-to-go-with-govt-proposal.html
  26. ^ a b 「5月29日までに制憲議会選 ネパール主要政党が合意」 -MSN産経ニュース2013.2.12 00:01配信
  27. ^ ネパール選挙管理内閣議長に最高裁長官 -MSN産経ニュース2013.3.14 19:51配信
  28. ^ レグミ最高裁長官,暫定選挙管理内閣「議長」就任- ネパール評論 2013年03月14日記事
  29. ^ 制憲議会選挙11月19日へ、ボイコットの表明も - 日本ネパール協会 2013年7月6日 記事
  30. ^ 制憲議会招集へ=政党対立が収束-ネパール
  31. ^ a b ネパールで初の女性大統領、バンダリ氏…儀礼的な職に限られ - 産経ニュース 2015.10.28 23:22
  32. ^ カトマンズ・ジャーナル
  33. ^ カトマンズ・ジャーナル2008年7月19日
  34. ^ eKantipur.com
  35. ^ eKantipur.com
  36. ^ eKantipur.com
  37. ^ カトマンズ・ジャーナル
  38. ^ Himalayan Times 15 Aug 2008
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  40. ^ 2009年5月23日"Nepalnews.com"
  41. ^ Nepal top court quashes 2018 formation of ruling Nepal Communist Party”. Indian Express (2021年3月8日). 2021年5月1日閲覧。
  42. ^ 親インド住民「圧迫だ」…ネパール、新憲法交付で対印関係悪化 中国台頭や地方議会選にらむ”. 産経新聞. 2020年7月4日閲覧。
  43. ^ ネパール新地図にインドとの係争地域、領土問題激化必至”. AFP. 2020年7月4日閲覧。
  44. ^ ネパールが相次ぎ「反インド政策」、領土に続き帰化法制強化へ”. 日経新聞. 2020年7月4日閲覧。
  45. ^ 日本経済新聞7月3日8面「反インド政策」ネパールで拍車
  46. ^ Nepalnews.com 2009年6月4日付け[リンク切れ]
  47. ^ ネパール:中国の圧力強化で脅かされるチベット人”. ヒューマン・ライツ・ウォッチ (2014年4月1日). 2014年8月11日閲覧。
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  50. ^ 共同通信2008年6月18日 16:20
  51. ^ https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/seimu/uno/nepal_08/gaiyo.html
  52. ^ https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/21/2/1187504_1092.html
  53. ^ 協会について | 公益社団法人 日本ネパール協会”. www.koeki.or.jp. 2021年5月7日閲覧。
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  71. ^ 佐伯(2003):212-213






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