ニオイワチチタケ 類似種

ニオイワチチタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/01 18:06 UTC 版)

類似種

日本ではニセヒメチチタケ(Lactarius camphoratus (Bull.:Fr.) Fr.)が知られており、 子実体の褐色系の色調やカレー粉のような香り、あるいは辛味を欠くことなどにおいて共通するが、やや小形であることや、かさの表面に同心円状の環紋をあらさわないこと、あるいは胞子の表面の紋様が畝状をなさず、互いに独立した低いいぼ状突起のみであることなどによって容易に区別できる。また、チョウジチチタケは、かさに明瞭な環紋を生じる点でニオイワチチタケと紛らわしいが、後者のような強い香気を欠いている。ヤミイロタケはしばしば弱い辛味があり、むしろ甘い香り(ココナッツのような香りと形容される)を有する点・かさの表面の環紋がニオイワチチタケに比べて不明瞭な点・主としてカバノキ属の樹下に発生する点で異なっている。

同様にカレー粉のような香りを放つきのことしては、Lactrius fragilis (Burl.) Hesler & A. H. Smith var. fragilis(ニセヒメチチタケの変種として扱う意見もある)や L. rubidus (Hesler & A. H. Smith) Methven・ L. cimicarius (Batsch) Gill. 、あるいは L. serifluus (de Cand.: Fr.) Fr. などが知られているが、いずれも日本からの採集記録はまだ知られていない。これらは、いずれもチチタケ属 の Section Russulales (ヒメチチタケ節:タイプ 種はヒメチチタケ(Lactarius subdulcis (Pers.: Fr.) Gray)に属する[3]が、ヒメチチタケ節に属する種のすべてがカレーのような香りを有するわけではなく、まったく無臭の種類も知られているし、ヤミイロタケのようにココナッツに似た甘い香りを放つ種も存在する。


  1. ^ 馬旧英隆、1975.鹿児島県佐多地方のキノコ類(1).鹿児島大学農学部演習林報告 3: 109-113.
  2. ^ 今関六也・本郷次雄(編著)、1989. 『原色日本新菌類図鑑(Ⅱ)』. 保育社、大阪.
  3. ^ Singer, R., 1986. The Agaricales in Modern Taxonomy. Koeltz Scientific Books, Richtenstein.
  4. ^ Wang, X. H., 2000. A Taxonomic Study on Some Commercial Species in the Genus Lactarius (Agaricales) From Yunnan Province, China. Acta Botanica Yunnanica 22:1-3.


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