トピラマート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 14:53 UTC 版)
適応
日本における適応は以下である。
- 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法
海外では以下のような承認もある。成人の全般性強直間代発作に対する単剤・併用療法、小児の部分発作、全般性強直間代発作や部分発作の単剤・併用療法、小児のレノックス・ガストー症候群に関連した発作に対する併用療法。
副作用
傾眠、体重減少、浮動性めまい、無食欲および大食症などの摂食異常[5]、抑うつ状態、注意力・記銘力低下、言語障害、知覚障害、反射運動能力低下など[6] 。
また添付文書では、自殺企図や自殺念慮の既往歴における症状悪化や、それらを生じさせる海外の試験結果について記載されている。
重篤な副作用
- 代謝性アシドーシス
- 閉塞隅角緑内障・急性近眼(視力の急激な低下)
- 乏汗(汗が出なくなる)、およびそれに伴う高体温・高熱
- 腎・尿路結石
- 催奇形性(胎児への影響)
従来の抗てんかん薬と比べ、スティーブンス・ジョンソン症候群、重篤な肝障害、血液系の副作用は少ないとされる。
抗てんかん薬全般に言えることであるが、連用中における投与量の急激な減少ないし中止により、てんかん重積状態が生じるおそれがあり、慎重に漸減する。
慎重投与
- 閉塞隅角緑内障の患者
- 症状が悪化するおそれがある。
- アシドーシスの素因を有する患者又はアシドーシスを来しやすい治療を受けている患者
- 高クロール性の代謝性アシドーシスが生じるおそれがある。
- 腎機能障害、肝機能障害のある患者
- 本剤のクリアランスが低下することがある。
- 自殺企図の既往及び自殺念慮を有するうつ病の患者
- 症状が悪化するおそれがある。
- 65歳以上の高齢者
- ^ Maryanoff, BE; Nortey, SO; Gardocki, JF; Shank, RP; Dodgson, SP (1987). “Anticonvulsant O-alkyl sulfamates. 2,3:4,5-Bis-O-(1-methylethylidene)-β-D-fructopyranose sulfamate and related compounds”. J. Med. Chem. 30 (5): 880–7. doi:10.1021/jm00388a023. PMID 3572976.
- ^ Maryanoff, BE; Costanzo, MJ; Nortey, SO; Greco, MN; Shank, RP; Schupsky, JJ; Ortegon, MP; Vaught, JL (1998). “Structure-activity studies on anticonvulsant sugar sulfamates related to topiramate. Enhanced potency with cyclic sulfate derivatives”. J. Med. Chem. 41 (8): 1315–43. doi:10.1021/jm970790w. PMID 9548821.
- ^ B. E. Maryanoff and J. F. Gardocki, "Anticonvulsant sulfamate derivatives", U.S. Patent number 4,513,006 (1985)
- ^ 『新しい疾患薬理学』Katsunori Iwasaki, Shōgo Tokuyama, 岩崎克典., 徳山尚吾.、南江堂、Tōkyō、2018年、174頁。ISBN 978-4-524-40335-6。OCLC 1030482447 。
- ^ 協和発酵キリン トピナ 添付文書
- ^ 北村 正樹 (2007年8月30日). “トピラマート:併用で難治性てんかん部分発作に有効”. 日経メディカルオンライン. 2011年12月14日閲覧。
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