トウノウネコノメ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/27 16:28 UTC 版)
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ヤマシロネコノメ
下位分類として変種にヤマシロネコノメ(山城猫の目、Chrysosplenium pseudopilosum Wakab. et Hir.Takah. var. divaricatistylosum Wakab. et Hir.Takah. (1999) [7])がある[2][3][4]。基本種との違いは、花がやや大きいこと、萼裂片の外側は有毛であること、2個の残存花柱は広角度で開出すること等である[4]。
根出葉は長さ7-10mm、幅7-12mm、円い鋸歯があり、葉柄は長さ12-20mmになる。花茎は高さ2-11cmになり、白い長軟毛が生える。茎葉は対生し、葉身は長さ3-9mm、幅4-12mm、葉柄は長さ3-10mmになる。苞葉は径2-7mm。花期は3-5月。花は直径約4.6mmで、萼裂片は黄緑色から黄色で、4個が直立し、裂片の外側に毛が散在する。雄蕊は8個で、萼から突出する。葯は黄色。果実は蒴果で2個の心皮はわずかに大きさが異なり、140-180度の広角度で斜上する。種子は卵形体で長さ約0.5mm、12条の縦稜に半円形のいぼ状の小さな突起がならぶ。染色体数は2n=25、29。京都市北部および南西部に分布し、山地の谷沿いに生育する[2][3][4]。1999年に若林三千男および高橋弘によって新変種として、基本種とともに記載された[4]。
変種名 divaricatistylosum は、「広い開度をもって分かれた花柱のある」の意味[8]。
分類
トウノウネコノメは、本州(関東地方以西)、四国、九州に分布するコガネネコノメソウ Chrysosplenium pilosum var. sphaerospermum に似るが、同種は雄蕊や花柱は萼裂片より短く、萼裂片を突出することがない。また、同種は子房中位である[9]。それに対して、本種は雄蕊や花柱は萼裂片より長く、萼裂片を突出する。また、本種は子房上位で、またはその約4分の1のみが基部で萼と癒合するという特徴をもつ[4]。
- ^ トウノウネコノメ、米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f g h 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.272
- ^ a b c d e 奥山雄大「ユキノシタ科」『改訂新版 日本の野生植物2』p.204
- ^ a b c d e f g h i j k 若林三千男・高橋弘、「本州中部産ネコノメソウ属の一新種および一新変種」、『植物分類・地理』Acta Phytotaxonomica et Geobotanica, Vol.50(1), pp.1-11, (1999).
- ^ 『日本の固有植物』p.72
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1507, 1509
- ^ ヤマシロネコノメ、米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1491, 1514
- ^ 奥山雄大「ユキノシタ科」『改訂新版 日本の野生植物2』p.203
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