デッドセクション
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デッドセクションに関連したトラブル
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- 1986年11月 国鉄山陽本線(関門間)
- 1986年11月改正で設定されたばかりの下関行き「にちりん」号が、小倉駅で直流電源への切替が出来ないことが判明してそのまま運転を打切るというトラブルが発生した。原因は同列車の先頭車として使用されたクハ481形500番台車両に交直切替スイッチが設置されていなかったためであった。同車は1984年2月のダイヤ改正時に、直流用電車である181系の先頭車クハ181-109およびクハ180-5を交流直流両用の485系に改造編入したものであるが、改造時点では九州島内配置の485系に本州乗り入れ運用が無かったため交直切替スイッチの設置を省略されており、何らかの手違いで同車の充当が不可能な運用に入ったため。その後程なく同車に交直切替スイッチの設置改造が行われている。
- 1995年6月8日 JR東日本常磐線
- 上り貨物列車の機関士が取手 - 藤代間で線路上を歩く人を発見して非常停車したが、停車位置がデッドセクション内であったため発車できず立ち往生した。
- 2004年2月6日 JR西日本北陸本線
- 糸魚川 - 梶屋敷間を走行中の札幌発大阪行き上り寝台特急「トワイライトエクスプレス」の運転士が踏切に進入する車に気付いて急停車したが、EF81形電気機関車の停車位置がデッドセクション内であったため救援のディーゼル機関車が来るまで約1時間立ち往生した。
- 2007年1月11日 JR東日本水戸線
- 小田林 - 小山間を走行中の友部発小山行電車の運転士が異常音を感じたことから急停車させたが、約45mのデッドセクション内に停車したため立ち往生した。後続の普通列車によって救援された。
- 2010年1月14日 JR東日本常磐線
- 試運転中のEF510-501が取手 - 藤代間のデッドセクション通過中に故障し立ち往生。後続の貨物列車に救援された。
- 2014年2月4日 JR西日本七尾線
- 金沢発七尾行き普通電車が車両故障のために停車したが、デッドセクション内に停車したため自力走行できず暖房も効かない気温0°Cの中で2時間30分立ち往生した。
- 2017年6月2日 JR東日本東北本線
- 黒磯駅5番線で当駅発福島行E721系電車の床下機器から発煙が生じる事故が発生した。原因は駅係員が6番線の貨物列車と誤り5番線の交流普通列車の架線に直流を流し機器がショートしたため。
注釈
- ^ 切替は軌道回路からの列車条件を元に連動して切替える。
- ^ DC>AC。まだ直流区間であるが、電源検知回路により交流用回路は開であり、交流遮断器による主回路開後に回路の切り替え操作をとった上であれば、交流遮断器による主回路閉操作をしても問題は生じない。主回路閉のままの操作では切り替えが完了する前に異種電源(直流電源)に接続されるため許容されない。
- ^ 日本のほか、韓国でもこの方法で切り替える(日本のシステムを韓国に持ち込んだもの。韓国鉄道1000系電車を参照。415系/485系とほぼ同じ)。欧州では走行中にパンタグラフを下げて回路を切換、その後パンタを上げる方法で切り替える(youtubeに当該動画がある)。黒磯駅でのJR貨物EH500形電気機関車の切替も同様であった。
- ^ 仮に485系9両編成を例にすれば、編成間両端モハ484形同士で100m以上離れている上に、100km/h=1.67km/min=28m/s程度で走行している場合確実に編成がセクションに入った事を確認して、さらに操作を完遂するために必要な時間と余裕を考慮すればデッドセクションが数km必要になる。
- ^ 異種電源接続は機器を損傷する可能性があり危険である。安全装置が正常に動作すれば機器の大きな損傷は避けられ、直流→交流の冒進では遮断器が作動するだけなので機器を操作すれば運転継続が可能であり比較的影響は少ないが、交流→直流への冒進事故は、交流側回路を保護するため取付けられたヒューズの交換が必要となりそれまで交流区間では運転ができなくなるなどリスクが大きい。直流→交流の冒進では無電区間走行(約0.5秒)の検知により遮断器を動作させられるが、交流→直流では交流電化区間に交交セクションが存在することにより「無電区間突入=交直セクション突入」を前提とした機構を構成することが不可能でありヒューズ以外の十分に確実性のある防護措置が確保できないからである。
- ^ JR東の新潟支社が通勤・近郊形の交直流電車を保有していないという事情もある。羽越本線#新発田駅_-_村上駅_-_酒田駅間
- ^ よって厳密に言えばデッドセクションではない。 仙石東北ライン#仙石線・東北本線接続線
- ^ 黒磯駅構内扱い[2][3]。
- ^ 以前「あさぎり」運用に投入されていた小田急20000形電車は室内灯消灯。JR東海371系電車では車内表示機消灯・室内灯点灯の差異があった。
出典
- ^ 鉄道界2012年12月号 P44-45
- ^ a b “東北本線黒磯駅電気設備改良切換工事に伴う列車運休及びバス代行輸送計画についてのお知らせ” (PDF). 東日本旅客鉄道株式会社 (2017年11月24日). 2018年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月20日閲覧。
- ^ a b 佐藤正樹 (2017年11月28日). “交流・直流の切換えは仙台方に…東北本線黒磯駅構内の全面直流化が2018年1月3日に完了へ”. レスポンス (株式会社イード) 2019年3月20日閲覧。
- ^ 日本海ひすいライン 糸魚川―梶屋敷に新駅 2021年3月開業、ホームは上下オフセット2面2線、新駅の直江津方にデッドセクションがあることが紹介されている。
- ^ 「えちご押上ひすい海岸駅」3月13日開業 えちごトキめき鉄道に新駅
- ^ フリーゲージトレイン新試験車両、初の走行試験を実施(2014年4月20日) - Response 鉄道
- ^ 日本エレキテル連合、鉄道博物館「みんなのでんしゃ展」1日盛り上げ係に お笑いナタリー 2015年7月13日
- 1 デッドセクションとは
- 2 デッドセクションの概要
- 3 設置の類型
- 4 車上切替方式
- 5 地上切替方式
- 6 デッドセクションに関連したトラブル
- 7 デッドセクションに関連する作品
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