ステーションワゴン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/28 13:55 UTC 版)
モータースポーツ
ステーションワゴンはセダンに比べると全長の長さゆえの車重の重さ・剛性・前後重量配分などで不利が目立ち、空力面でわずかにメリットがある程度である。しかしローカルレースではマーケティングの都合や話題性を重視して投入されることもあり、参戦事例は複数存在する。
積載性と高速安定性の両立ができる点を買われ、F1やMotoGPなどでオフィシャルカーとしてステーションワゴンが採用された実績もある。
- 1994年BTCC(イギリスツーリングカー選手権)にボルボ・850エステートがトム・ウォーキンショー・レーシングから参戦。予選・決勝ともに最高5位と振るわなかった。
- 1996年・1998年JTCC(全日本ツーリングカー選手権)にスバル・インプレッサツーリングワゴンが投入されるが、熟成が進む前にシリーズ自体が消滅した[1]。
- 1990年代後半のイタリアヒルクライム選手権にて、シュコダ・オクタビアのワゴンが参戦。時にはGTマシンを凌ぐパフォーマンスでツーリングカークラス10勝を挙げている[2]。
- APRC(アジアパシフィックラリー選手権)において、スズキスポーツと田嶋伸博がスズキ・カルタスクレセントワゴン(欧州名:バレーノワゴン)をF2キットカー化して参戦。1997、1998年と2.0リッタークラスチャンピオンを獲得した[3]
- 2006年スーパー耐久の十勝24時間レースと富士戦に、ファンの熱烈な要望を受けたST-2クラス王者のテスト&サービスが、黄色の三菱・ランサーエボリューションワゴンを投入。荷室の大きさのせいでセダン型に比べて100kgも重いというハンデがあり、その影響でブレーキパッドの摩耗が激しかった。しかしランエボの派生車としての素性の良さで剛性は高く、空力面のメリットもあって最高速度はセダン型に次ぐ速さであった。十勝はクラス5位、富士ではクラス9位でそれぞれ完走を果たした[4]。
- 2014年BTCCにホンダ・シビックツアラーが2台参戦。4勝を挙げてランキング3位につけた。
- 2016年 - 2019年に、英国SUBARUのマーケティング部門の要請により、BTCCでFRに換装されたスバル・レヴォーグが2台参戦。デビュー2年目でシリーズチャンピオンとなった。
アラバマ州のローカルレースのレガシィ・ツーリングワゴン(2006年)
F1のメディカルカーのメルセデスベンツ・AMG C 63 S ステーションワゴン
注釈
- ^ ホンダ・アコードワゴンやスバル・レガシィツーリングワゴンなど、最初から商用車とされるバン系車種を設定しない車種もある。特に、レガシィツーリングワゴンは当該製品を開発する際、先代車であったレオーネツーリングワゴンにバン系車種(エステートバン)が併売という形で設定されていたため、「ワゴンに乗りたくてもバンのように見えるのは嫌だ」という指摘からか、最初からバン系車種を設定しないという英断が下ったという。
- ^ 特に、同一車名、同一ボディの場合によくある。日産・アベニール(1990年夏の発売から1995年秋のマイナーチェンジまで)、三菱・リベロなどがこれにあたる。
- ^ ただ、クロスオーバーSUV(以下CUV)、ミニバン、トールワゴン、セミトールワゴン、軽ハイトワゴン(軽トールワゴン)、軽セミトールワゴンも広義的なステーションワゴンと捉えられ、特に2ボックスミニバンには7名定員仕様だけでなく、5名定員仕様もあることから、2ボックスのミニバンがステーションワゴンの代替的な存在とも捉えられる。
出典
- ^ セダンより空力が良かった!?モータースポーツに突如現れたレーシングワゴンたちMotorz 2021年9月29日閲覧
- ^ [1]
- ^ What's APRC
- ^ 『AUTO SPORT No.1077』P50-54 三栄書房刊
ステーションワゴンと同じ種類の言葉
ワゴンに関連する言葉 | 日産セフィーロワゴン エブリイワゴン プレミアムワゴン 三菱ランサーワゴン ステーションワゴン |
乗用車に関連する言葉 | グランドツーリングカー(グランドツーリングカ) コンパクトカー(コンパクトカ) ステーションワゴン ツーリングカー(ツーリングカ) 中古車 |
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