ジョン・J・B・ウィルソン ジョン・J・B・ウィルソンの概要

ジョン・J・B・ウィルソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/02 14:56 UTC 版)

ジョン・J・B・ウィルソン
John J. B. Wilson
生誕 (1954-05-24) 1954年5月24日(68歳)
アメリカ合衆国 イリノイ州シカゴ
住居カリフォルニア州セリトス英語版[1]
別名John J.B. Wilson、John Wilson、Ye Olde Head Raspberry[2]
出身校カリフォルニア大学ロサンゼルス校
職業コピーライターパブリシスト英語版
著名な実績ゴールデンラズベリー賞創設
配偶者バーバラ・ウィルソン[1]

生い立ち

シカゴで生まれ育ち、9歳の時に両親と共にサンタモニカに移住する[1]。少年時代にアカデミー賞を観客席で観るために学校をサボったことがある[1]カリフォルニア大学ロサンゼルス校に進学して映像技術を学び[1]、在学中はフォックス劇場英語版マネージメントもしていた[1]。卒業後はパブリシスト英語版として映画のマーケティングやロサンゼルス映画祭英語版のスポンサーのコピーライターの仕事に就き、年間200本以上の映画を観賞するようになった[1][3]。2005年にはマーケティングの仕事のかたわら、映画の予告編の仕事にも取り組むようになった[1][4]。仕事の中にはアカデミー賞のマーケティングも含まれており、ウィルソンはThe Bladeの取材の中で、「私がゴールデンラズベリー賞を作った時、彼らは私のことをスパイのように見ていた」と語っている[5]

ゴールデンラズベリー賞

第29回ゴールデンラズベリー賞のウィルソン(中央の人物)

ウィルソンは毎年アカデミー賞授賞式の夜にはロサンゼルスの自宅に友人たちを招き、ポトラック英語版パーティーを開催していた[6]第53回アカデミー賞が開催された夕方、ウィルソンは自宅のリビングルームに友人たちを集め、自分が考えた映画賞を発表した[1][6]。映画賞発表は成功し、翌週にはデイリーニューズなどの地元紙で彼の開催した即席映画祭が取り上げられた[1][3][6]。ウィルソンは『ミュージック・ミュージック』『ザナドゥ』を観た後、この即席映画祭を正式なイベントとして開催することを決めた[7]。彼は第53回アカデミー賞を観るためのポトラックパーティーに友人たちを招待し、ワースト映画を選ぶための投票用紙を渡した[7]。発表の際にはタキシードを着て段ボールの上に乗り、箒で作ったマイクの前で『ミュージック・ミュージック』を最初の最低作品賞に選んだ[3][7]

「ラズベリー」という語は、「ラズベリーをする」という侮蔑の意味で使用される[8]。ウィルソンは『Blame It on the Dog』の中で、「私が1980年にアメリカ議会図書館に登録に行った時、職員は"何故ラズベリーなのですか?それはどういう意味ですか?"と尋ねました。しかし、それ以来"ラズ"は多くのカルチャーに浸透していきました。それはハリウッドの助けなしにはできませんでした」と語っている[8]。彼は「Ye Olde Head Razzberry」と呼ばれている[9]。授賞式のプログラムはアカデミー賞を模倣しているが、「意図的に安っぽく」作られている[6]。賞金は4.96ドルで、金のスプレーで塗装されたスーパー8mmフィルムの上に座る「ゴルフボールサイズのラズベリー」像が用意される[8][10][11]

第1回ゴールデンラズベリー賞の授賞式には36人が出席した[3]第2回ゴールデンラズベリー賞には2倍の人数が出席し、第3回ゴールデンラズベリー賞にはさらに2倍の人々が出席した[3]第4回ゴールデンラズベリー賞の際にはCNNと2つの主要なケーブルテレビが授賞式を中継した[6]。ウィルソンはアカデミー賞の前にゴールデンラズベリー賞をセッティングすることで、授賞式の様子を多くのメディアが報じてくれることに気付き、アカデミー賞の前夜に開催するようになった[6]

1996年に『Everything I Know I Learned at the Movies』を出版しており[12]、2005年にはゴールデンラズベリー賞25周年を記念して『The Official Razzie Movie Guide』を出版した[13]

著作


  1. ^ a b c d e f g h i j Larsen, Peter (2005年1月20日). “The Morning Read – So bad, they're almost good – A love of movies lies behind the Razzies”. The Orange County Register: p. 1 
  2. ^ Crouse, Richard (2005). Reel Winners: Movie Award Trivia. Dundurn Press Ltd. pp. 103, 208. ISBN 1-55002-574-0 
  3. ^ a b c d e Marder, Jenny (2005年2月26日). “Razzin' The Dregs of Hollywood Dreck – Film: Cerritos' John Wilson Marks His Golden Raspberry Awards' 25th Year With A Guide To Cinematic Slumming”. Long Beach Press-Telegram: p. A1 
  4. ^ English 2005, p. 101
  5. ^ Borrelli, Christopher (2005年2月23日). “The Golden Raspberries: 25 years of the worst movies”. The Blade: p. D1 
  6. ^ a b c d e f Lindrea, Victoria (2007年2月25日). “Blowing raspberries at Tinseltown”. BBC News (BBC). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/6392701.stm 2009年5月4日閲覧。 
  7. ^ a b c Germain, David (Associated Press) (2005年2月26日). “25 Years of Razzing Hollywood's Stinkers”. South Florida Sun-Sentinel (Sun-Sentinel Company): p. 7D 
  8. ^ a b c Dawson 2006, pp. 48–50
  9. ^ Crouse 2005, p. 208
  10. ^ Agence France-Presse staff (2009年2月22日). “'Love Guru', Paris Hilton are top of the flops”. Agence France-Presse 
  11. ^ Crouse 2005, p. 103
  12. ^ Wilson, John J. B. (1996). Everything I Know I Learned at the Movies: A Compilation of Cliches and Un-Truisms Gleaned from a Lifetime Spent Entirely Too Much in the Dark. General Publishing Group, Incorporated. ISBN 1-881649-64-4 
  13. ^ Steelman, Ben (2005年1月20日). “Ben on Film – All that razz: Getting ready for the Razzies, the 'awards' that celebrate the worst films, and actors, of the year”. Wilmington Star-News: p. 22 


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