シンガサリ王国 建国者ケン・アンロク(ラージャサ)

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > シンガサリ王国の解説 > 建国者ケン・アンロク(ラージャサ) 

シンガサリ王国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/20 00:59 UTC 版)

建国者ケン・アンロク(ラージャサ)

シンガサリ=マジャパヒト歴代君主系図
シンガサリ朝歴代君主の廟の位置図。チャンディ・シンガサリの位置は、「デ」の字の下の黒い小さな点

建国者ケン・アンロクは、『パララトン』の伝記によると、農夫の娘から、シヴァ神の息子ないし、化身として生まれ、誕生時には、その体からは光が放たれていたという。ケン・アンロクは、若い頃は、放浪、略奪、盗賊行為を繰り返す国家のお尋ね者であったが、神々の庇護を受けているかのようにつかまったためしがなかった。

やがて、彼は、僧侶ダンヒヤン・ローガウェの養子となり、その助力によって、カウイ山の東部クターラジャ(トゥマペル)の領主トゥングル・アメトゥンに仕えることになったが、ここで領主に取って代ろうと密かな野心をいだくようになる。そして刀工ムブ・ガントリンにクリス(インドネシア式の剣)を造るように命じた。しかし、ムブ・ガントリンは、納品日までにクリスを完成できなかった。ケン・アンロクは、自分の野心を邪魔されたと考え、この刀工を未完成のクリスで刺殺した。ムブ・ガントリンは、死の間際に呪いをかけ、このクリスによって、ケン・アンロクとその子孫7代にわたって刺し殺されることになると言い残して死んだ。 さて、ケン・アンロクの友人クボ・イジョは、件のクリスが気に入ってしまい、ケン・アンロクからクリスを借りることに快諾を得ると大喜びでいつもそのクリスを身に着けていた。そのため、だれもがクリスの持ち主をクボ・イジョであると思い込むようになった。その間、ケン・アンロクは、トゥングル・アメトゥン暗殺の機会を狙っていたのである。ある日、ケン・アンロクは、熟睡しているクボ・イジョからクリスを密かに奪うと直ちにトゥングル・アメトゥンの寝室に入ってこれを殺害し、そのそばに故意にクリスを置いて立ち去った。翌朝、トゥングル・アメトゥンの一族は大騒ぎになり、トゥングル・アメトゥン殺害の犯人としてクボ・イジョは死刑になった。ケン・アンロクは、トゥマペルの領主になり、トゥングル・アメトゥンの未亡人ケン・テデスと結婚した。今度は、ケン・アンロクは、クディリ王国を倒す機会をじっと待つようになった。 1222年、クディリ王国では、王と僧侶たちが対立するようになった。クルタジャヤ王の指導力や行動に不満をいだいた多くの僧侶たちは、トゥマペルに身を寄せるようになっていった。ケン・アンロクが僧侶たちを受け入れているのを知ったクディリ王クルタジャヤは、討伐軍を率いてトゥマペルに攻め入ろうと試みた。クディリ軍とトゥマペル軍は、ガンテル村で激突した。鍛え上げられ、満を持して機会をうかがっていたトゥマペル軍は、クディリ軍を打ち破ってこれを滅ぼし、クディリ領を併合してシンガサリ王国が成立した。

シンガサリ王となったケン・アンロクは、尊称をシュリー・ランガ・ラージャサ・サン・アムルワブミとし、以後ラージャサ王(位1222年 - 1227年)の名で呼ばれる。ラージャサ王は、ダプルと呼ばれる地方行政単位を整備した。彼の治世は、平穏であったと歴史書に記されている。

ところで、ラージャサには、ケン・テデスから生まれたアヌサパティ(『パララトン』での名前。『デーシャワルナナ』では、アヌーシャナータ)、マヒサ・ウォンガ・テレン(テレク)と愛人ケン・ウマンから生まれたトージャヤという3人の息子がいた。







英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シンガサリ王国」の関連用語

シンガサリ王国のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シンガサリ王国のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシンガサリ王国 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS