シュヴェービッシュ・グミュント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 01:09 UTC 版)
経済と社会資本
交通
公共旅客交通
11本の市バス路線、11本のファールブス交通連合の地域バス路線、シュトゥットガルト地方バスの1路線が市内の公共旅客交通 (ÖPNV) を 担っている。市バスは年間延べ約 600万人が利用する。ファールブス交通連合は6社のバス運行会社からなる連合体で年間約 150万人を輸送している。シュヴェービッシュ・グミュントの ÖPNV はオストアルプモビール運賃共同体の適用区域内にあり、バスのみならずローカル鉄道にもこの共同体運賃が適用される。鉄道と接続する、バス路線の中心的な乗り換え地点がグミュント駅前の中央路線バスステーション (ZOB) である。グミュントの ÖPNV の運行プランは、一定間隔ではないが、おおよそ 20分に 1本程度運行されている。遠い距離を運行する路線は、1時間から2時間に1本という場合もある。
鉄道
シュヴェービッシュ・グミュント駅は、レムス鉄道とも呼ばれるシュトゥットガルト=バート・カンシュタット - アーレン線沿いにある。この駅には2時間ごとにインターシティのカールスルーエ - シュトゥットガルト - ニュルンベルク線が発着する。インターレギオ=エクスプレスは月曜日から金曜日までこの路線のアーレン - シュトゥットガルト中央駅間を運行している。レギオナル=エクスプレスの列車は、ラッシュの時間帯には30分間隔で同じ区間を運行している。それ以外の時間帯は1時間間隔である。これに加えていくつかのレギオナルバーンがより短いシュヴェービッシュ・グミュント - ショルンドルフ間を運行している。
シュヴェービッシュ・グミュントでは、1975年までレムス鉄道沿いにフッセンホーフェン駅もあった。1911年から1984年までは、ホーエンシュタウフェン鉄道がこの街とゲッピンゲンとを結んでいた。この頃には、シュヴェービッシュ・グミュント南、シュトラスドルフ、メトランゲン=ホーエンレヒベルク、ライトプレヒツ駅があった。この路線は現在ゲッピンゲン乗合バス会社のバス路線11番と12番に置き換えられている。
道路
レムスタールに沿って東西に連邦道 B29号線(シュトゥットガルト -)ヴァイブリンゲン - アーレン - ネルトリンゲン線が市内を通っている。ヴァイプリンゲンからシュヴェービッシュ・グミュントまでは4車線のアウトバーン仕様の自動車道路に拡充されている。2013年11月25日から、長さ 2.2 km のグミュンダー・アインホルン=トンネルを経由するバイパス道路が通っている[61]。市内で B29号線から北に向かって連邦道 B298号線がガイルドルフ方面に分岐する。市の東部からアーレンまでの B29号線は2車線であるが、通行量が多いためしばしば渋滞が発生し、長年4車線への拡幅が検討されている。シュヴェービッシュ・グミュントの歴史的旧市街は大部分が歩行者専用道または遊戯道路として交通が制限されている。最寄りのアウトバーンのインターチェンジは、A7号線(ヴュルツブルク - フュッセン)のアーレン/ヴェストハウゼン・インターチェンジおよびアーレン南/オーバーコッヘン・インターチェンジである。
環境ゾーン
シュヴェービッシュ・グミュントの中核市区には、2008年3月1日から微細粉塵ラベル表示義務が生じている。この時点から中核市区内を走行、あるいは通り抜けるすべての原動機付き車輌は、少なくとも有害物質グループ2に属していなければならない。有害物質グループ1(ラベルなし)の原動機付き車輌はこれ以後通行禁止となった。2012年1月1日までに有害物質グループ2(赤ラベル)の車輌も通行禁止となり[62]、2013年1月1日には有害物資グループ3にまで拡張された[63]。
自転車
多くの観光自転車道がシュヴェービッシュ・グミュントをかすめている。ゲッピンゲンに至るアスファルト舗装された自転車・遊歩道「シュタウファーラント遊歩道・自転車道」は、わずかな高低差でレムスタールからフィルスタールに入ることができる。この道路は、1986年から1987年に線路が撤去されたホーエンシュタウフェン鉄道の軌道跡を利用している。この他に、多くの自転車道がこの街を通っている。
- レムスタール自転車道は、レムス川沿いにその水源からネッカー川に注ぐ河口まで伸びている[64]。
- ドイツ・リーメス自転車道は、ライン川沿いのバート・ヘニンゲンからドナウ川沿いのレーゲンスブルクまでオーバーゲルマニッシュ=レティシャー・リーメス沿いに 818 km にわたって伸びている[65]。
- シュヴェービッシェ・アルプ自転車道はこの街をかすめてボーデン湖からネルトリンゲンまで通っている[66]。
広域自転車道
シュヴェービッシュ・グミュントは、ドイツ・リーメス遊歩道の一部であるシュヴェービッシェ・アルプ協会のリーメス遊歩道沿いに位置している[67]。
航空
小型飛行機はホイバッハ飛行場を利用することができる(市内中心部から 12 km、自動車で約 15分)。最寄りの大きな空港はシュトゥットガルトにある(55 km、車で約 50分)。
裁判所、官公庁施設
シュヴェービッシュ・グミュントは、オストヴュルテンベルク地域連合の本部所在地であり、オストアルプ郡の行政機関支所がある。
この街には、税務署、区裁判所、公証人役場がある。シュヴェービッシュ・グミュント区裁判所はシュトゥットガルト上級地方裁判所エルヴァンゲン地方裁判所管区に属す。破産裁判に関しては、アーレン区裁判所がシュヴェービッシュ・グミュント区裁判所管区を管轄する。市内、旧ゴッテスツェル修道院に女子刑務所があり、335人まで収監できる。
バーデン=ヴュルテンベルク州農業および農村地域開発局 (LEL) はシュヴェービッシュ・グミュントに本部を置いている。
シュヴェービッシュ・グミュントには郡兵員補充局があり、ゲッピンゲン郡、シュヴェービッシュ・ハル郡、ホーエンローエ郡、オストアルプ郡、レムス=ムル郡を管轄している。
本市には、ヴュルテンベルク福音主義州教会シュヴェービッシュ・グミュント教会管区の本部がある。ロッテンブルク=シュトゥットガルト司教区のシュヴェービッシュ・グミュント首席司祭区は2006年6月30日に廃止され、新たに創設されたオストアルプ首席司祭区に統合された。
軍事
シュヴェービッシュ・グミュントは、数十年にわたって軍の駐屯地であった。第一次世界大戦直前に建設された兵舎(後のビスマルク兵舎)には、当初第180ヴュルテンベルク歩兵連隊の一大隊が駐屯した、この兵舎は1937年に完成した国防軍のアドルフ=ヒトラー兵舎(後のハルト兵舎)と同様に、1951年から1991年までアメリカ軍第7軍に利用された。当時、シュヴェービッシュ・グミュントは第56野戦砲司令部の所在地であり、その一部隊は1980年代にはパーシング-II中距離ロケット砲を装備していた。ムートランガー・ハイデのパーシング-II格納庫は、平和運動の抵抗と封鎖によって有名になった[68]。
地元企業
現在も盛んな金・銀細工職人は17世紀にこの街に定住した。貴金属および鉱物化学研究所 (FEM) もシュヴェービッシュ・グミュントに存在する[69]。20世紀初めに時計産業も根付いた。ビフォラ時計社は1970年代末までドイツ最大の腕時計専門会社であり、その国内における発展を主導していた[70]。
現在は、自動車部品、デザイン事務所、装飾品手工業がこの街の経済を支配している。シュヴェービッシュ・グミュントは、デザイナー密度がヨーロッパで最も高い街であり、「金と銀の街」というタイトルで彩られている[71]。
以下の企業は全国的に有名である。
- バルマー任意健康保険組合。ドイツ最大の任意健康保険組合であり、シュヴェービッシュ・グミュント=ベットリンゲンに運営管理本部を置いている。この会社は、バルマー任意健康保険組合 (BEK) と、1878年にシュヴェービッシュ・グミュントで設立されたグミュンダー任意健康保険組合 (GEK) とが合併して2010年1月1日にバルマー GEKが設立された。さらに2017年1月1日にドイチェBKK を合併し、新たにバルマー任意健康保険会社となった。
- エアハルト & ゼーネは、国際的に活動している自動車部品会社であり、2011年からマグナ・シュタイアの傘下にある。この古くからの地元企業は、かつては玩具や工芸品を製造していた。この会社は「ウニモグ」を開発し、1955年に特許を取得した灰皿で知られている。
- C. & E. ファインはベルガウにあり、電子工具を製造している。
- ヌーベルトは、拡声器を製造し、直売の形で販売している。
- フェストアルピーネ・ポリノームは、国際的に活動している自動車部品業者である。
- シュライヒ GmbH は1935年にフリードリヒ・シュライヒによって設立された企業で、おもちゃの人形で知られている。
- ヴェレダは、医薬および健康衛生分野の企業である。
- ロベルト・ボッシュ・オートモーティヴ・ステアリング(2015年までは(旧 ZF-レンクシステーメ)は、国際的に活動している自動車・トラック用部品業者で、約 5,000人の従業員を擁するこの街最大の雇用主である。
- オストアルプ金属加工 (MVO) GmbH は従業員約 200人の特殊鋼製造業者で、ゲオルクスマリエン精錬所の製造子会社である[72]。
- ハウス・リンデンホーフは、オストヴュルテンベルク地方で、障害者や老人のための施設やサービスを提供する社会福祉企業である。本社をシュヴェービッシュ・グミュントに置いている。
- シュヴェービッシュ・グミュント市施設局
メディア
市内で刊行されている日刊紙には、バーデン=ヴュルテンベルク州で現在も刊行されている最も古い日刊紙である「レムス=ツァイトゥング」と、ウルムのジュートヴェスト・プレッセの地方版「グミュンダー・ターゲポスト」がある。
健康、保健
シュヴェービッシュ・グミュントには多くの病院が存在する。シュピタールには、1985年まで旧市立病院(後に郡立病院)が入居していた。1984年に廃止されるまでシュピタールは現存するドイツ最古の病院であった[73]。1852年までは、内市街のシュピタールの他に、市壁の外に長期療養患者のためのカタリーネンシュピタールがあった。1942年から1966年末まで内市街に内科と婦人科を担当する聖ルートヴィヒ病院もあった。この病院は、ムートランゲンに新しい病院「シュタウファークリニークム」が開院したために閉鎖され、老人ホームに改築された。
シュピタールや聖ルートヴィヒ病院の他にフェデレーション・ヴィンツェンティン・ゲマインシャフトが婦人科および小児科のマルゲリーテン病院を運営していた。この病院は、2000年にムートランゲンのシュタウファークリニークムと合併したが、当分はその重点分野を保持していた。マルゲリーテン病院の閉鎖に伴い、それまで存続していた小児科医療は、拡張されたムートランゲンの郡立病院に組み込まれた。これによりこの病院の名称はシュタウファークリニークム・シュヴェービッシュ・グミュントに変更された[74]。これ以後グミュント市内に病院はなくなった。マルゲリーテン病院の建物は病院閉鎖後マルガリーテンハイム健康センターに改築された。マルガリーテンハイム健康センターには移動手術センター、ヴィンネンデン精神医学センターの分院、聖ヴィンツェンツ・フォン・パウル慈善姉妹団の聴覚障害者のための集団生活施設、マルガリーテンハイム産科施設、その他多くの診療所が入居している[75]。
ムートランゲンの郡立病院は、2002年から自然療法部門を設けており、2003年からドイツ赤十字社のシュヴェービッシュ・グミュントを管轄する中央救護施設となっている。また、2004年から健康および看護専門学校や物理療法の学校、多くの専門医による診療科、薬局、衛生棟を備えている[76]。
ハウス・リンデンホーフ財団[77]は、シュヴェービッシュ・グミュントやオストヴュルテンベルク地方で障害者や老人のための福祉施設を数多く運営している。この団体は、1971年4月30日にロッテンブルク=シュトゥットガルト司教区とカリタス会によって設立され、シュヴェービッシュ・グミュントに本部を置いている。
シュヴェービッシュ・グミュント市は、2007年から毎年市の会議センターで健康メッセを開催している。ここでは特に健康に関する知識や老人介護分野のサービスに関する情報について展示されている[78]。
教育
大学
シュヴェービッシュ・グミュントには単科大学 2校とハーゲン通信大学の学習センターがある。教育学専門セミナーや教授学および教員養成セミナー(基礎課程学校、本課程学校、実科学校の教員を養成する)をもつ教育大学には、約2,500人の学生が在籍しており、内市街(アルテPH)とハルト地区にキャンパスを有している。約500人の学生が在籍するシュヴェービッシュ・グミュント造形大学 (HfG) は、1776年創設の学校を起源とし、応用学問の単科大学となっている。ハーゲン通信大学のシュヴェービッシュ・グミュント学習センターは1990年に開設され、ZF レンクジステーメのヴェルク4にある。これはバーデン=ヴュルテンベルク州初の通信大学学習センターであった。その後は、シュトゥットガルト地域センターに属し、約1,500人の学生が利用している。2015年以降は通信教育大学の情報・アドバイスセンターだけがシュヴェービッシュ・グミュントにある[79]。オストシュタットのビスマルク兵舎からアメリカ軍が撤退した後、この兵舎は1992年にユニヴァーシティー・オブ・メリーランド・ユニバーシティー・カレッジ (UMUC) のキャンパスとなった。このユニバーシティー・カレッジは2002年に財政難から閉鎖されたが[80]、旧ビルマルク兵舎の建物には「ウニヴェルジテーツパルク」の名前が残されている。
その他の学校
シュヴェービッシュ・グミュント市内には、ギムナジウムが9校ある。市は、内市街の「ハンス=バルドゥング=ギムナジウム」と「パーラーギムナジウム」、シュトリュンプフェルバッハ学校センターの「シェフフォルト=ギムナジウム」の一般ギムナジウム3校を運営者している。市はギフテッドのための州立ギムナジウム学校連合に加盟している。この学校連合は、ウニヴェルジテーツパルクの「ギフテッドのための州立ギムナジウム・シュヴェービッシュ・グミュント校」を運営している。シュヴェービッシュ・グミュントにはさらにオストヴュルテンベルク夜間ギムナジウムもある。1994年まではこれに加えて寄宿舎を有する州立短期ギムナジウム (ABG) がヘルリコーファー・ベルクにあった。その建物には現在、カールスルーエ上級財務局の教育センターが入居している。
市はさらに、2校の実科学校(シュトリュンプフェルバッハ学校センターのアーダーベルト=シュティフター実科学校および内市街のシラー実科学校)、ヘルリコーフェン市区の特別支援学校ペスタロッツィシューレ、8校の基礎課程・本課程学校(アイヒェンラインシューレ・リンダッハ、フリーデンスシューレ、モーツァルトシューレ・フッセンホーフェン、ラウフバインシューレ、レーマーシューレ・シュトラスドルフ、ショイエルベルクシューレ・バルガウ、シュタウファーシューレ、ウーラントシューレ・ベットリンゲン)および6校の基礎課程学校(グロースラインバッハ、ハルト、ヴァイラー・イン・デン・ベルゲン、クレスターレシューレ、シェル基礎課程学校レヒベルク、テオドール=ホイス=シューレ・ヘルリコーフェン)を運営している。
オストアルプ郡はオーバーベットリンゲン市区の職業学校センターの職業学校群を運営している。この職業学校センターには、経営学校、栄養学ギムナジウム課程を有するアグネス=フォン=ホーエンシュタウフェン=シューレ、家政科学校、経済学ギムナジウム課程を有する商業学校、工学ギムナジウムが集まっている。
郡はこの他に精神・身体障害者のためのクロスターベルクシューレの運営者でもある。精神障害者には私立特別学校としては、ベットリンゲン地区のハウス・リンデンホーフのマルティヌスシューレがある。さらに、地元のヴィンツェンティン婦人会が運営する聴覚障害者のための聖ヨーゼフ学校がある。この学校はドイツでも数少ない聴覚障害者のためのギムナジウムである。この学校は社会学ギムナジウムとして運営されている。
この他の私立学校には、シュヴェービッシュ・グミュント夜間実科学校、カトリックのフランツィスクス基礎課程学校、自由福音主義の学校ドミノ・ゼルヴィテ・シューレ e.V. リンダッハ(基礎課程・実科学校)、シュトリュンプフェルバッハ学校センターにある自由ヴァルドルフ学園シュヴェービッシュ・グミュント、教育補助学校カニジウス=シューレ、聖ローレント社会職業研究所、A. & S. シュターデルマイアー商業職業専門学校、私立ドクトル・エンゲル職業専門学校、聴覚障害者および重度聴覚障害者のための聖ヨーゼフ私立学校、職業教育のための工学アカデミーがある。
郡はシュヴェービッシュ・グミュントに郡メディアセンターも運営している。このセンターは、教育メディアやその利用に関する助言を通じて、学校やその他の施設をサポートしている。
シュヴェービッシュ・グミュントは、多くの学校が存在することから、遅くともギフテッドのための州立ギムナジウム開校以後は「学園都市」とみなされている[81]。
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