シベリア超特急
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 13:52 UTC 版)
評価
低予算で制作され、低品質な作品にできあがっており、総じてB級映画と評される。DVDのオーディオコメンタリーで水野、西田らが自ら言及しているほか、「シベリア超特急ファンブック」(ソニー・マガジンズ)にも記載されている。映画としての質はともかくとして、趣味的要素が非常に濃い映画であり、わざとらしい表現や過去作品のオマージュなど、映画通ならば楽しめる要素が多数存在する。
- 走行中の列車を舞台にした作品では画面を上下動させることで走行中の揺れを演出するのが常套手段だが、この作品ではそれが行われておらず、列車がベニヤ板であることがはっきり見て取れる。
- 登場人物を紹介するために車掌が切符を切る形(車内改札)で一人一人登場人物を画面に見せるわざとらしさ。
- 車掌が殺されているにもかかわらず、何事もなかったように列車が走り続ける不自然さ。
- 俳優としての経験も無いに等しい稚拙な水野晴郎の演技。
- ラストにカメラ目線で発言される不自然な台詞。
- (第3作)出番待ちしている水野晴郎が不意にカメラに映ってしまっている(業界用語で言う「見切れている」)。水野によれば、これも自らの映画に姿を見せるのが恒例となっていたヒッチコックへのオマージュ。
これらの点は独特の味わいとして好事家に受け止められ、カルト映画ともいえる高い人気を誇っており、公開年次はB級映画愛好者でもあるみうらじゅん、コサキンなどの高い評価を受けた(1996年、第3回みうらじゅん賞映画賞受賞)ため、第2作以降は集客力を高めるに至ったという。
映画そのものの評価とは別に寺島しのぶ、大塚千弘、尾上松也、片岡愛之助ら当シリーズ出演後に人気が上昇した俳優も見られる。歌舞伎関係の俳優が多いのは、水野自身が歌舞伎愛好者であり、梨園に人脈を持っていたことによる。
- ^ 水野は過去に山下を演じており、『本人に瓜二つ』と評されたという。
- ^ 片岡愛之助 水野晴郎『シベリア超特急』最新作出演計画浮上 - 週刊ポスト、2013年10月11日号、2013年9月30日閲覧。ただし実際には片岡や西田のスケジュールの都合により、2014年中は着手されなかった。
- ^ 東京スポーツ・2008年2月15日付 19面
- ^ 西田とは「お笑いスター誕生!!」以来の芸人仲間である。
- ^ 先述のように水野が「見切れ」ているもの。水野によれば「わざと」であるというが、真偽は不明。
- ^ シベリア超特急4 - Amazon.co.jp
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