サントリーニ島 サントリーニ島の概要

サントリーニ島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/22 10:21 UTC 版)

ティーラ島(サントリーニ島)
Θήρα (Σαντορίνη)
イアの街とカルデラ
地理
座標 北緯36度24分 東経25度26分 / 北緯36.400度 東経25.433度 / 36.400; 25.433
諸島 キクラデス諸島
面積 73 km2
行政
ギリシャ
地方 南エーゲ
中心地 フィラ英語版
統計
人口 15,480人 (2021現在)
人口密度 212 /km2

カルデラ湾を望む断崖の上に白壁の家々が密集する景観でも知られており、エーゲ海の著名な観光地の1つである。一方で、サントリーニ・カルデラ内では現在も活発な火山活動がある。

名称

この島は、古くは「もっとも美しいもの」を意味する「カリステー」(Καλλίστη / Kallístē)や、「円形のもの」を意味するストロンギレー(Στρογγύλη / Strongýlē、あるいは「ストロンギリ」)、または「テーラ」(Θήρα / Thēra)と呼ばれていた。「サントリーニ」(Σαντορίνη / Santorini)の名は、13世紀にラテン帝国のもとでつけられた名で、ペリサの集落にある聖イレーナに献じられた教会から採られている。オスマン帝国の時代にも、これに由来する SanturinSantoron と呼ばれた。「ティーラ」(Θήρα / Thira)の名は、19世紀に島と中心集落の公式名称として再び用いられることになった(島の中心地フィラは、「ティーラ」の別発音である)。しかし、現在も日常的には Santorini の名が使われている。

Santorini のカナ転記としては「サントリーニ」が良く使われているが[1]、ギリシャ語の発音 [sandoˈrini] に従えば「サンドリニ」 が原音に近い。なお、この島の日本語表記には「サントリーニ」「サンドリニ」のほか「サントリニ」「サンドリーニ」「サントリン」[2]、「ティーラ」のほかに「ティラ」「テラ」[2]などの表記ゆれがある。

地理

サントリーニ島の衛星写真
サントリーニ島の地図

位置と広がり

サントリーニ島はエーゲ海南部のキクラデス諸島最南端にあたり、ギリシャ本土からは東南へ約200km離れている。

「サントリーニ」は、サントリーニ島(本島)のほかに付近の島を合わせた群島(サントリーニ諸島)の総称としても用いられる。サントリーニ諸島は以下の島から構成される。

群島で最大の島は、カルデラ東側で三日月形に広がるサントリーニ島本島であり、フィラやイアなど主要な集落はこの島に位置する。次いで大きいのは、カルデラ西北に位置するティラシア島であり、群島で人が定住する島はこの二つである。

主要な集落

人口1000人以上の集落は以下の通り(人口は2001年国勢調査時点)。

島の中心集落は、カルデラ東側中央の断崖上に位置するフィラ[3]。フィラの北にはフィロステファニΦηροστεφάνι、行政上はフィラの一部だが、しばしばフィラと区別して考えられる)、フィロステファニの北にはイメロヴィグリΗμεροβίγλι)の集落があり、カルデラに面した奇観で知られている。カルデラ北側にはイアΟία)の集落がある。人口約760人のイアは、島北部のイア地区(旧イア村)の中心集落で、「ブルードーム」と通称される教会や風車で知られる。

カルデラ側とは反対側、島の東南部には、ビーチリゾートとして知られるカマリペリサΠερίσσα)の集落があり、カマリの北方の平野に空港が設けられている。島の南部にはエンボリオの集落が広がっている。島の西南部にはアクロティリΑκρωτήρι)の集落がある。




注釈

  1. ^ ヨーロッパでは最大の噴火で、30立方キロメートルにも及ぶ噴出物で、紀元前79年に噴火したベスビオ火山の噴火物の15倍にも当たる[4]
  2. ^ クラカタウ火山の100倍の規模で、高さ30メートルを超える大津波が発生して、周辺の島々を水没させた[5]
  3. ^ 噴火があったと見られる時期に、大規模な気候変動があった形跡が確認されている。「夏のない年」を参照のこと。

出典

  1. ^ ギリシャ政府観光局など。
  2. ^ a b c d 「ティーラ〈島〉」、三省堂編集所編『コンサイス外国地名辞典 改訂版』(三省堂、1985年)
  3. ^ 『世界の美しい階段』エクスナレッジ、2015年、171頁。ISBN 978-4-7678-2042-2 
  4. ^ リチャード・フォーティ著、渡辺政隆・野中香方子訳『地球46億年全史』草思社 2009年 183ページ
  5. ^ 石弘之著『歴史を変えた火山噴火ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 58ページ
  6. ^ 石弘之著『歴史を変えた火山噴火ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 68ページ ISBN 978-4-88708-511-4
  7. ^ a b c d 畑聰一 布野修司(編)「サントリーニ島の洞窟住宅」『世界住居誌』昭和堂 2005 ISBN 4812204437 pp.218-219.
  8. ^ 『世界の美しい階段』エクスナレッジ、2015年、83頁。ISBN 978-4-7678-2042-2 


「サントリーニ島」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「サントリーニ島」の関連用語

1
サントリン島 デジタル大辞泉
100% |||||


3
イオス島 デジタル大辞泉
90% |||||

4
ティラ島 デジタル大辞泉
72% |||||


6
カマリ デジタル大辞泉
70% |||||

7
パリキア デジタル大辞泉
70% |||||

8
ペリッサ デジタル大辞泉
70% |||||


10
イア デジタル大辞泉
54% |||||

サントリーニ島のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



サントリーニ島のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのサントリーニ島 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS