ねるとん紅鯨団 概要

ねるとん紅鯨団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 11:39 UTC 版)

概要

『別冊宝島』にも1987年のサブカル・流行の1つとして名前が確認される[1]

番組タイトルは、前番組『上海紅鯨団が行く』(司会:片岡鶴太郎)のタイトルにあった「紅鯨団」と、とんねるずの倒語である「ねるとん」を組み合わせたものである。

放送開始から20回ほどは『上海紅鯨団が行く』の内容を引き継ぎ、毎回企画テーマが変わっていたが、とんねるずが司会をする集団見合い企画が好評だったため、途中から集団お見合い番組となった。これが爆発的な大ヒットとなり、番組全体の平均視聴率17.3%、最高平均視聴率24.7%(1989年3月4日)と土曜深夜枠ながら常に高視聴率をマークし、競合裏番組の『今夜は最高!』を終了に追い込んだ。

しかし1994年4月、競合裏番組に『恋のから騒ぎ』が開始して以降は視聴者の流出が徐々に始まり、同番組に敗れる形で同年12月に終了した。後継番組は『とんねるずのハンマープライス』となったが、この番組は『恋のから騒ぎ』と約3年半もの間、高視聴率争いを繰り広げることとなった。

当時の深夜番組としては珍しく、1989年から1993年までバラエティ番組の年間平均視聴率ランキングベスト5にランクインした。番組タイトルの「ねるとん」は集団見合パーティーの代名詞になった。

出演者

すれていない若者の視聴者参加番組というのが番組のコンセプトだったため、ナレーションも素人臭さを狙って、オーディションで一番下手だった女性が選ばれた[2]

とんねるずは当枠のスポンサーだった絡みからミズノのスポーツシューズ『ランバード』のCMに出演していた。

番組の進行

スタジオ収録部分では、とんねるずとゲストが本編VTRを見ながらフリータイム前と後、告白タイムの後にトークをする。なお、「SIDE A」および「SIDE B」の冒頭では「NELTUN CLUB」の画面が表示される。

オープニング

その日のゲストが入場しオープニングトークとなるが、番組後期にはゲストの入場後、事前に取った「恋愛プロフィール」というアンケートを紹介していた。その後、提供クレジット(一部地域では差し替え)を挟んで最初のCMに入る。

SIDE A

自己紹介と貴さんチェック

VTRはオールロケで、とんねるずの片方がロケに参加し進行する。毎回、男子全員スポーツマンのスポーツマン大会や、愛車自慢の男子を集めた車大会、高校生限定の高校生大会などテーマが決まっていた。

まず、男性陣の参加者紹介。テロップに、氏名、年齢、特技、好きな芸能人、彼女いない歴が出てくる。特技はその場で披露できるものは、その時に見せたりする。男子全員の紹介が終わったあとで、「君たちを待っている女性陣はあそこにいる」と男性陣のはるか遠方にいる女性陣をちらりと見せるが、石橋がMCのときには「オーケー! おめーらの気持ちはよーく分かった! おめーらを待ってるお嬢さん方はあちらにいる!(ここで男性陣の「オー!」という歓声) しかーし! おめーらが見る前に、恒例の(「恒例の」の際に少し引っ張る)タカさ〜ん、チェック!(チェックの時の親指と人差し指を立てる決まりのポーズがあり、また「チェック」のところ以外はウラ声)」と言って、石橋だけが先に女性陣の方へ行く(木梨がMCのときは何もせず女性陣のところへ行く。そのときに木梨の独特の歩き方があった。また、木梨は石橋より声が小さいので拡声器を常に携帯)。ただし、木梨が石橋の「チェック!」を若干真似したことが2回ほどあった。1回目は、「ノリさ〜ん… チャック!」と言いながら、自分のズボンの前のジッパーを指差すもの。2回目は「ノリさ〜ん… チャック・ベリー」と言いながら、ぴょんぴょん飛び跳ねながら女子の方へ向かうもの。

女性陣の紹介も男性同様、テロップにプロフィールが出て、特技があればそれも披露する。好きな芸能人で女性がとんねるずのその時のMCでない方を挙げると挨拶できる(例:木梨がMCなら木梨が「ほら今ごろ貴明がスタジオで見てるよ」と女性を煽り、カメラ目線で女性は「貴さん見てますか」と挨拶できる)。

ご対面

女性陣の紹介終了後、ご対面。対面後、アピールタイムとして、特技などを相手に披露(スポーツマン大会などは、自分がやっているスポーツを披露するが、陸上の長距離走の選手は必ずアピールタイムの前の自己紹介の時点で走らされる。そのトラックを走る光景を気にもせずに番組は進行してしまう)。アピールタイムの後、男性陣、女性陣それぞれに、第一印象で良い人を小声で聞いていく。大抵一部のルックスの良い人に人気が集中するため、この時点で1番人気や2番人気が決まってくる。また、第一印象が良いもの同士などもこの時に判る(この2人が接近すると画面下にハートマークが点滅する演出があった)。

その後はスタジオトークへ移り、CMに入った(CM明けにはVTRに戻る)。

フリータイム

フリータイムではカップルやグループで各自談笑する。フリータイム中に2人きりになって話していると、ツーショットと呼ばれる。また、1番人気の女子には多くの男子が集まり、女子1人対男子多数で話す光景が見られる。フリータイムの後は告白タイム。基本的に男性が女性に対して告白するが、年に数回(バレンタインデー=2月14日の直前の放送日等)、女性から告白する「女の子だって告白したい」大会も開催された。フリータイム後のスタジオトークで、その日成立するカップルが何組かを、ゲストが予想する。

フリータイム中に石橋(木梨)は少し離れた所にテーブルを構え、モニターを見ながら参加者の動向を面白おかしく実況するが、孤独でいる参加者(大概は男性)をテーブルに呼び、状況説明や今後の展開などを聞きアドバイスするなどして、進行を盛り上げる。

フリータイムのVTRを見た後、何組のカップルが誕生するかゲストに当てるというコーナーがあった。正解するとゲストの希望するスポーツ用品を提供していたが、女性ゲスト時を中心に、とんねるずがゲストの当てた組数が間違えていると仕草や顔色で表現してヒントを与えるため、スポンサーのミズノからクレームが付き、途中で廃止された(実際商品群が用意されていたり、正解時の商品の贈呈シーンなどは映されなかった)[要出典]

SIDE B

告白タイム

男性が1人ずつ女性に告白する。進行役の石橋(木梨)があらかじめ誰に告白するか聞いた後に、男性が意中の女性の前に立つ。他に競合者がいなければ、そのまま告白は進行するが、競合者がいれば「ちょっと待った!」と叫んで、競合者もその女性の前に立つ(ちょっと待ったコール)。女性に自分の気持ちを告白し、右手(あるいはプレゼント)を前に出す。女性が気に入った男性の手を取ったらカップル成立。気に入らなければ「ゴメンナサイ」と言って拒否する(前述の女子告白大会の場合は男女が逆になる)。このとき、拒否された男性は大抵の場合走り去っていく。海やプールで告白タイムに入ることもあったが、その際に拒否された男性は自発的に海へ泳ぎに行ったり、プールへ飛び込んだりしていた。

最終的に男性陣全員が告白した後に、今日のカップルを紹介。稀にカップルが不成立でゼロになることもあった。

エンディング

エンディング前に素人参加者の募集(「車大会」なら、彼女を自慢の車に乗せたい男の子と、そんな彼の車に乗りたい女の子)と、ゲストの今後の活動予定、最後にゲストに好きな芸能人を訊いて終了。サウンドロゴの映像を用いた提供クレジットの後、「Good Night!」と描かれたテロップとともに締めの挨拶で番組が終わった(一部地域では差し替え)。福山雅治がゲスト出演した回では、エンディングで内田有紀を好きな芸能人として挙げ、その後のワイドショーで話題になったこともある。

また、番組終了後の1999年に特番『とんねるず賀正』の1コーナーとして復活。翌年からは、企画ごと『とんねるずのみなさんのおかげでした』の年末スペシャルに移り、「ねるとん紅鯨団芸能人大会」として2004年まで放送されていた。2003年のクリスマス芸能人大会には大人気の高見盛が最終兵器として登場、さとう珠緒に告白をして成功。その場で連絡先をゲットした。その事実は直後の週刊誌ネタになっていた。2004年は男性陣は半分がお笑いタレントで占められていた(ペナルティワッキーのみのエントリーであることを最初のインタビュー時に初めて知り、相方のヒデはショックを受けていた)。2005年以降は放送されていない。


  1. ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.93.
  2. ^ 本橋信宏「テリー伊藤」『素敵な教祖たち サブカルチャー列伝 業界カリスマ17人の真実』コスモの本、1996年、p.17
  3. ^ 【放送事故伝説】とんねるずの番組で中森明菜が、連続殺人事件の犯人逮捕を予告?リアルライブ
  4. ^ あの鉄腕ミラクルベイビーズも再結成ライブ!天真乱漫祭大復活ナイト!戦うサラリーマンバンドF.C.B公式ブロク 2018年3月23日
  5. ^ ザテレビジョン北海道・青森版』1993年9月14日、21日発売分
  6. ^ 週刊TVガイド岡山・四国版1988年12月17日 - 23日号
  7. ^ 当然ながらスポンサーやエンド5秒は差し替えであったが、年末特番扱いで放送された最終回のエンド5秒は関西テレビと同一だった。
  8. ^ 日本テレビ系列とのクロスネット局だった1990年9月までは遅れネットだったが、フジテレビ系列のフルネットとなった同年10月以降は同時ネット。
  9. ^ 日本テレビ系列とのクロスネット局だった1994年3月までは遅れネットで、フジテレビ系列のフルネットとなった同年4月以降は同時ネット。
  10. ^ ミズノの提供ではなく、富士通ほか各社の提供だった。






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