すぐに食べられる栄養補助食品 概要

すぐに食べられる栄養補助食品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 16:14 UTC 版)

概要

すぐに食べられる栄養補助食品は、一般的な援助食糧であるトウモロコシと大豆を混合して大豆油、ビタミン・ミネラルを加えたコーン・ソイ・ブレンド(CSB)や強化混合食糧(FBF)だけでは不足してしまう栄養素を補うための栄養補助食品である[2]

食料の種類

  • 強化混合食糧(FBF:Fortified Blended Food) - 栄養不良に対する強化混合食料[2]
  • コーン・ソイ・ブレンド(CSB:Corn Soy Blend) - 栄養不良に対する食料であり、強化混合食糧の一つ[2]
  • 調理不要の補助食(RUSF:Ready-to-Use Supplementary Food) - 強化混合食糧(FBF)だけでは不足する栄養素の調理済みの補助食品[2]
  • 調理不要の治療食(RUTF:Ready-to-Use Therapeutic Food) - 重度の栄養失調に対する調理不要の治療食[3][2]
  • プランピー・ナッツ英語版(Plumpy’nut) - ピーナッツベースの調理不要の治療食の一つであり商品名。重度の栄養失調の人に与えられるもの。2005年より使用されている[1]

補助栄養食の必要性

世界食糧計画(WFP)は2007年に全世界で年間242,000トンの強化混合食糧を配布し、そのうち192,000トンはコーン・ソイ・ブレンドであった[2]

強化混合食糧とコーン・ソイ・ブレンドだけでは以下の問題が発生した[2]

  • タンパク質以外の必須栄養素、特に脂肪分が不十分
  • 必須栄養素の吸収を阻害する「抗栄養素(フィチン酸や繊維質など)」を多く含む
  • 単位容量あたりのカロリー密度が低い
  • 容量が大きいため輸送や貯蔵コストが大きい
  • 調理のために時間・燃料・水を必要とする

これに対応するために、調理不要の補助食(Ready-to-Use Supplementary Food:RUSF)が研究されている[1]

意訳による混乱

「すぐに食べられる治療食」が、過去に「すぐに食べられる栄養補助食品」(Ready-to-Use Therapeutic Food:RUTF)と意訳された事がある。

しかし、英語の"Therapeutic Food"は「治療食」という意味であり、「栄養補助食品」という意味を含まない為、意訳となっている(Therapeutic Food英語版"参照)[2]。ユニセフ英語版においても「治療食」という位置づけである[3]


  1. ^ a b c BOP ビジネス先行事例 ニュトリセット”. JETRO. 2017年4月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 第1章 一般的潜在ニーズ”. JETRO. 2017年4月4日閲覧。
  3. ^ a b Ready-to-Use Therapeutic Food Price Data”. UNICEF. 2017年4月4日閲覧。
  4. ^ インド共和国 栄養食品開発に係る事業準備調査(BOPビジネス連携促進)報告書”. JETRO. 2017年4月4日閲覧。[リンク切れ]


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