こぐま座ベータ星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/26 07:10 UTC 版)
特徴
こぐま座γ星と共に、地球の歳差運動により、紀元前1500年頃から西暦500年頃にかけて北極星であった。1つ前の北極星はりゅう座α星で、1つ後の北極星は現在のポラリスである。
現在、水素を使い果たし、核に溶け込むヘリウムを燃焼する段階に入っている。また、うみへび座α星アルファルドなどと同じくバリウム星としての性質を持っている。この恒星よりも大きかった当時の主星が巨星化して死を迎え、その過程で生み出された物質が流れ込んだのではないかと考えられている[8]。
名称
学名はこぐま座β星(β Ursa Minoris、略称β UMi)。固有名の、コカブ[2] (Kochab[3][4])は、アラビア語で「北の星」を意味する Al kaukab al shamaliyy の kaukab(星)の部分が残ったものと考えられている[2][3]。また一説には、ポラリスの別名である Alrucaba に由来するともされる[3]。2016年7月20日、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Kochab をこぐま座β星の固有名として正式に承認した[4]。
この星はこぐま座γ星と共に、「極の守護者」 (Guards of the Pole[7]) と呼ばれている[2]。北極星ポラリスの周囲にある、肉眼で見ることのできる明るい星としては、最も北極星に近いからであろうとされている[2]。
昔の中国での名称もあり、北極五星(太子、帝、庶子、后、北辰)のうち帝がコカブである。これが天帝(太一(大一)タイチー、太極、太乙)即ち天皇大帝である。その周囲を北斗七星など所臣が廻って守っているとされた。
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s “SIMBAD Astronomical Database”. Results for bet UMi. 2017年3月13日閲覧。
- ^ a b c d e 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、134頁。ISBN 978-4-7699-0825-8。
- ^ a b c d Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern Star Names. Sky Publishing. p. 58. ISBN 978-1-931559-44-7
- ^ a b c “IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年12月4日閲覧。
- ^ a b “NSV”. Results for NSV 6846. 2015年10月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i B.-C. Lee; et al. (9 May 2014). "Planetary companions in K giants β Cancri, μ Leonis, and β Ursae Minoris*". arXiv:1405.2127v1 [astro-ph.EP]。
- ^ a b c d 輝星星表第5版
- ^ Jim Kaler (2013年12月20日). “Kochab”. STARS. 2016年12月4日閲覧。
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