きっと、星のせいじゃない。
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DVD
本作のブルーレイとDVDは2014年9月16日に北米で発売された[58]。Little Infinities Extended Editionと銘打った物も発売されており、126分の劇場公開バージョンと133分の特別バージョンが収録されている。また、原作者ジョン・グリーンのカメオ出演も含めたいくつかの削除シーンも収録されている[59]。
評価
批評家からの評価
本作は批評家から非常に高い評価を受けた。特にウッドリーの演技とノイスタッター&ウェバーによる脚本は絶賛されている。映画批評集積サイトRotten Tomatoesには、166件のレビューがあり、批評家支持率は80%、平均点は10点満点で6.8点となっている。サイト側による批評家の意見のまとめは「ベストセラー小説の映画化という話題性に甘んじることなく、本作は知性に裏付けされていて、面白みがあり、感動的な作品となっている。」である[60]。また、Metacriticには45件のレビューがあり、加重平均値は69/100となっている[61]。なお、本作のCinemaScoreはA+寄りのAとなっている[62]。
フィラデルフィア・インクワイアラーのスティーヴン・レアは本作に4つ星評価で3つ星を与え、「ウッドリーは・・・優雅さと厳粛さ、機知と感情のバランスをとっている。」と評した[63]。デンバー・ポストのリサ・ケネディは「大作映画にはヒロイズムに隠された教訓があるが、本作のように人間が持てる程度の不屈の精神を語るのはよいことだ。」とした[64]。ニューヨーク・タイムズのA・O・スコットは「映画というものは観客を悲しくさせる。つまり、少しばかり鼻をすすらせたり、言葉に詰まらせたりするだけではなく、鼻水を垂れ流すほど泣かせたり、涙をボロボロ出させたりするものなのだ。この映画はその域に達している。」と述べている[65]。ボストン・グローブのタイ・バールは4つ星評価で2つ星半を本作に与え、「もしエルゴート演じるオーガスタスが浅薄な魅力しか持っておらず、極めて痛々しいものであるならば、本作は、自分の出演する映画に常に慎重な姿勢をとっている俳優、シェイリーン・ウッドリーの映画といえるのではないか」とウッドリーの演技に賛辞を送っている[66]。
クイックフリックスのサイモン・ミラウドは本作に5つ星評価で3つ星を与え、「『きっと、星のせいじゃない。』を見ると打ちのめされるような衝撃を味わうのは疑い得ない。」と評した[67]。シカゴ・サンタイムズのリチャード・ローパーは本作に4つ星を与え、「ウッドリーの演技は卓越していて、純粋で、本物だ。記憶に残るものだった。」と述べている[68]。フォーブスのスコット・メンデルソンは本作を「質が非常に高いエンターテインメント作品である。まさしく芸術作品だ」と評している[69]。エンパイアのアンナ・スミスは「ロマンスとシャイリーン・ウッドリーの最高の演技に出会える作品」と評価した[70]。ディジタル・スパイのエマ・ディブディンは「『きっと、星のせいじゃない。』は鮮やかで洗練された感動を与えてくれるお涙ちょうだいの映画で、知性溢れるティーンエイジャーたちが登場する映画だ。その重苦しい主題に痛烈なウィットとやさしさでぶつかっている。」と述べた[71]。デイリー・スターのアンディー・リーは「ティーンエイジャー二人の恋が進むにつれて、内容に重みが出てくる映画」と評している[72]。BlackFilm.comのウィルソン・モラレスはウッドリーとエルゴートの演技をほめたうえで、「演技をする2人は魅惑的で純粋だ。何とかしてこの強烈に胸を刺す映画を感動的で、ロマンティックで、面白いものにしようとしている姿を見て取れる」としている[73]。
『タイム』のリチャード・コーリスは「映画の中のヘイゼルとオーガスタスは、目先のことを考えて生きているように思える。それは、2人を演じている俳優が若いからだろう。」と述べた[74]。ダラス・モーニングニュースのクリス・ヴォンガーは本作にB+という評価を下し、「『きっと、星のせいじゃない。』はウィットに富んでいて生き生きとしている。ただ、ほんの少し感傷的なところがある。」とした[75]。USAトゥデイのクローディア・プイグは本作に4つ星評価で2つ星半を与え、「よい脚本とよい演技があり、甘酸っぱく、面白くて、かつ、深い洞察がある」と評している[76]。エンターテインメント・ウィークリーのクリス・ナシャワティは本作を「面白くて、甘くて、大いに泣ける映画」だとしてB評価を下した[77]。グローブ・アンド・メールのジェフ・ペヴェレは「本作は観客が現実の生活で持つ期待を裏切っているかもしれない。しかし、それはティーン向け映画のしきたりをバッサリと切り倒しているということなのだ。」と述べている[78]。マイアミ・ヘラルドのコニー・オーグルは本作を評して「突然あったかくなったり、ユーモアがあったりする、甘く、ロマンティックな映画だ。」といった[79]。A.V.クラブのA・A・ダウドは本作にB判定を下したうえで「電撃のようなウィットがちりばめられ、個性豊かで才能のあるキャスト陣によって魅力が増している。」と述べた[80]。ローリング・ストーンのピーター・トラヴァースは「新鮮で生き生きとした恋愛劇だ。感動とユーモアがあふれていて、その質をウッドリーの演技で高めている。ウッドリーはカメラをの前でミスをすることがないといわれるほどの大女優だ。」とウッドリーを称賛し、4つ星評価で3つ星を与えた[81]。
ガーディアンのピーター・ブラッドショーは本作に否定的な評価を下し、「この戯言のようなジョン・グリーンの小説を原作としたがん患者を題材にした妄想映画は、観客の涙腺を刺激することを目標にしている。しかもその狙いは見事に当たっている。」と5つ星評価で2つ星を与えた[82]。ロジャー・イーバートのウェブサイトで批評を行うクリスティ・ルミールは4つ星評価で2つ星を与え、「観客を悲しみでいっぱいにさせようとしているシーンが多いにも拘らず、それが失敗している。メリハリがない。」と述べた。また、ルミールはエルゴートの演技を批判する一方で、ウッドリーの演技には「自らの運命を受け入れようとする気迫があり、自然に出てくる感情を見事に抑え込んでいる」と称賛している[83]。デイリー・テレグラフのロビー・コリンは「オーガスタスは躁病を患った悪ガキの理想像のようだ。キルスティン・ダンスト、ゾーイ・デシャネル、ナタリー・ポートマンのようなガールフレンドに夢中になってしまう、世間知らずの若い男に見える。」と述べた[84]。ナショナル・パブリック・ラジオのデヴィッド・エーデルシュタインは「僕は『きっと、星のせいじゃない。』という題名のティーンエイジャーのガン患者を題材にした恋愛映画のトレイラーを見て泣いた人々を見た。彼らは涙の川に浸かるために日常生活に潤いを与えてくれるものを必要としているんだ。確かに僕の涙腺は刺激されたが、僕は泣かなかった。泣く寸前ではあったが。あの映画は少しばかりずるいところがある。あまりにも泣かせようとしすぎだ。でも、監督の演出は穏やかで、演技は見事だった。過ち(Fault)が何であろうと、それは星々の中に(in stars)あるわけじゃない。」と言った[85]。
米Facebookが発表した、2014年にFacebook上で話題になった映画トップ10で第6位にランクインした[86]。
宗教家及び神学者からの評価
2人のキリスト教を信仰する批評家と何人かの神学者が本作にキリスト教的なテーマが存在することに言及し、本作をヘイゼルが信仰の道へと進んでいく過程を描写した映画と解釈している[87][88]。カトリック・ニュース・エージェンシーのロバート・カロンは「ウォーターズ(オーガスタスの名字)と、グレイス(ヘイゼルのミドルネーム)がイエス=キリストの聖心において出会い、それによって、2人が苦しみを分かち合っているにも拘らず、自分の人生をもう片方に捧げようとしているのは全くの偶然ではないと思う。だからこそ、ヘイゼルは順調に自分の心の中に巣食うニヒリズムと唯物主義を否認し、死という障壁をこえてオーガスタスの『okay』という言葉を感じることができたのだ。」「この映画はキリスト教に対する信仰の表れとして十分な映画だろうか。そう聞かれると、十分なものではないと答える。しかし、生きがいと信仰に至る道を見出そうとしてあがいている人間にとっては、その探求の出発点にはなるのではなかろうか。」と述べている[89]。
受賞
賞 | カテゴリ | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|
第15回ゴールデン・トレイラー賞[90] | ロマンス映画部門 | 受賞 | |
ゴールデン・スペース・ニードル賞 | 作品賞 | ノミネート | |
ティーン・チョイス・アワード2014[91] | ドラマ映画賞 | 受賞 | |
ドラマ映画男優賞 | アンセル・エルゴート | 受賞 | |
ドラマ映画女優賞 | シェイリーン・ウッドリー | 受賞 | |
ブレイクアウト・スター賞 | アンセル・エルゴート | 受賞 | |
シーン・スティラー賞 | ナット・ウルフ | 受賞 | |
ケミストリー賞 | アンセル・エルゴート、ナット・ウルフ、シェイリーン・ウッドリー | 受賞 | |
キス賞 | アンセル・エルゴート、シェイリーン・ウッドリー | 受賞 | |
ヤング・ハリウッド賞[92] | 男優賞 | アンセル・エルゴート | 受賞 |
女優賞 | シェイリーン・ウッドリー | ノミネート | |
ブレイクスルー男優賞 | アンセル・エルゴート | ノミネート | |
スクリーン・カップル賞 | アンセル・エルゴート、シェイリーン・ウッドリー | 受賞 | |
キャスト・ケミストリー賞 | 受賞 | ||
フリック賞 | 受賞 | ||
アルゼンチン・キッズ・チョイス・アワード | 作品賞 | 受賞 | |
第18回ハリウッド映画賞[93] | ブレイクアウト女優賞 | シェイリーン・ウッドリー | 受賞 |
第41回ピープルズ・チョイス・アワード[94] | お気に入りのドラマ映画 | 受賞 |
リメイク
2014年8月6日、インドのフォックス・スター・スタジオがボリウッドで本作をリメイクすることを計画していると発表した[95]。スタジオのCEOであるヴィジャヤ・シンは2014年7月にインドで公開された英語版が100万ドル以上を稼ぎ出したと述べた[96]。9月19日、スタジオのプロデューサーはホーミー・アドジャーニャーがリメイク版の監督を務めると発表した[97]。同月25日、ディーピカー・パードゥコーンとヴァルン・ダワンが主演に内定したと報じられた[98]が、最終的にムケーシュ・チャプラ監督により『ディル・ベチャーラ』として、スシャント・シン・ラージプート、サンジャナ・サンギの主演で2020年に公開された。
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