あやしいわーるど 文化

あやしいわーるど

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 00:58 UTC 版)

文化

あやしいわーるどにおける感情表現

あやしいわーるどでは、半角カタカナや機種依存文字と並んで「ヽ(´ー`)ノ」の様な特定の顔文字が多用される。喜怒哀楽の喜・楽に属する投稿には必ずと言って良いほど、文末で用いられてきた。近年行われたログサルベージの結果、1995年8月26日センターネットという草の根BBSの「ゲストさん一言2号館」へ書き込まれたヽ( ´ー`)ノ が発祥と考えられている。 その翌月から出現したゲストのハンドル名「あれれ」が複数回用いている事などから、最初の書き込み主は彼ではないかと推測されるが、もはや立証する手段はない。[独自研究?]

尚、2008年現在では「ヽ(´ー`)ノ」ではなく「(;´Д`)」の使用率がもっとも高くなっている。[注 16][要出典]

あやしいわーるどのソウルフード

外食チェーンである餃子の王将があやしいわーるど住人共通のソウルフードとなっていることに異を唱える者はあまり居ない。2000年ごろからあやしいわーるどIIを中心に盛んに話題となる。深夜帯など、低調時(投稿が少ない状態)には「将」「王」「の」「子」「餃」といった文字を順番に一文字ずつ投稿し、本人の投稿のみでこれが連続するとミッション完了という余興も存在する。さらに忘れてはならないのが、あやしいわーるど公式スナックとして名高いキャベツ太郎(通称:キャベシ太郎)である。良心的な値段・質・量、コミカルなキャラクター、駄菓子の持つサブカル的雰囲気などが相まってネタとしての魅力を引き立たせ、爆発的な人気を呼んだ。あやしいわーるど内のネタ投稿としてはもちろんのこと、写真をアップロードするときにも、ネタのアクセントとして被写体に含まれることも多い。[要出典]

2ちゃんねるとの確執

抗争

2ちゃんねるはアンダーグラウンドな匿名掲示板への参加障壁をさらにひき下げ、新規参加者が入り込みやすい構造になっていたが、2000年5月3日に2ちゃんねるを利用していた少年による西鉄バスジャック事件が起きマスメディアで大々的に報道されたことで、ネット文化や歴史に詳しくない大量の新参が流入し、アングラ掲示板文化に染まるという流れができた[注 17]。結果、ギコ猫など、あやしいわーるど発祥[注 18]のマスコットや各種アスキーアートスラング、半年ROMといった掟などを2ちゃんねる発祥だと誤解する者が多くなり、2000年8月、あやしいわーるどがそれらをパクッて使用していると思い込む者たちにより、2ちゃんねるのハッククラック板にあやしいわーるどを攻撃しようという内容のスレッドが立てられ、実際にあやしいわーるど系掲示板に対する無差別な荒らし行為が行われた。

そもそも、掲示板のシステムから文化までパクリで成り立っていた2ちゃんねるを快く思っていなかった所に、その自意識ばかりが肥大した振る舞いを見せつけられ、中でも、煽りや荒らしの横行するあやしいわーるど内でも礼節を以て交ることが守られていたはじめてのあやしいわーるどを荒らしたこと、また、以前から2ちゃんねるにより、あやしいわーるど住民のために設けられていたアップローダーの借用などが頻発していたこともあり、Remixに"@2ch抹殺"のトピックが設けられると反2ちゃんねる感情が一気に噴出した。それにより、あやしい住民やゲスッによる反撃スクリプトPhaser等のツールを用いたサーバー攻撃が行われ、2chの幾つかのサーバーが落ち、ログが失われるといった事件が起きる。攻撃は更に本格化する構えであったが、2ちゃんねる管理人であるひろゆきが当該トピックやあやしいわーるど掲示板を訪れ謝罪[注 19]することで事態は一応鎮静化した。とはいえ、その後もあやしいわーるどにおける反2ちゃんねる感情は色濃く残り、そのスラングの使用や2ちゃんねるの話題を出すことは多くの掲示板で禁忌となった[3][17]

2ちゃんねるとの違い

2ちゃんねるに代表される中央集権型の掲示板は、中央の管理者による様々な統制や、自治による話題の規制、事後の削除など検閲下にあり自由な発言の行える掲示板とは言えず、何らかの理由でその中央が機能不全に陥ると全体が麻痺してしまう[注 20]。それに対し、あやしいわーるどは、初代管理人であった「しば」の引退後は特に、複数の管理人が独自に運営する複数の掲示板のゆるやかな集合体となり、それぞれの管理人の個性が反映された掲示板またはチャットを利用者が好みで選べる形式へと変貌した[2]。良い意味で捉えれば無政府状態で、官憲の干渉や局地的負荷攻撃にも耐えられる分散的存在形態となっている。そのためあやしいわーるどは、他の匿名掲示板と比べて一挙に崩壊しづらいと言える。[独自研究?]

また交流の場である掲示板に直接宣伝広告を載せ、莫大な利益を上げる2ch[18]と異なり、あやしいわーるどの管理人はしば以来原則的に無償奉仕で掲示板などの場を提供している[19]


注釈

  1. ^ 日本のアンダーグラウンドにおける唯一の人格者とも呼ばれ、あやしいわーるど管理の他、文筆家として諸雑誌に寄稿した。 ばるぼら [2005] 398頁
  2. ^ クサチュー語表記
  3. ^ 海賊版ソフトウェアや少年犯罪者の氏名・住所などの犯罪性の高い物、「チンコマンコ」「つーか、まんこ」といった卑語、死体画像やハッキングなど非道徳的なものなど。
  4. ^ 「「あやしい」を織田信長、「あめぞう」を豊臣秀吉、「2ちゃんねる」を徳川家康の政権に例えるものもいる」 鈴木 [2003] p.64
  5. ^ この最初に開設した掲示板のみ"ワールド"表記。 ばるぼら [2005] 198頁
  6. ^ 別説として、1996年4月、あいすたにより「新しい風」が始められ。6月に「あやしいわーるど」と改名するが、其の名に反してアンダーグラウンド的な書き込みは削除されたため不興を買い、しばが引き継いだ、というものがある。ただし、こちらは証言があるのみでログによる確認はされていない。[3]
  7. ^ しばが引退した理由の一つに、当時ゲスッの中心人物だったアリス・リデルとの抗争があり、両者間の協定に基づき1998年12月 7日に「あやしいわーるど」の名前で掲示板を運営しないようにとの要望が出されたため、一時期あやしいわーるどの名前を冠する掲示板は消えていた[11][12]。また、『サイバースペースからの挑戦状』 57-58頁でしばが閉鎖の経緯を語っている。
  8. ^ 例えばネットゲームのコミュニティでも、日本のネットゲームコミュニティでよく見られるような、「対戦ではこういった戦略は使わない」などの規則は存在しない。
  9. ^ 例えば、板にそぐわない分野の投稿、2chなど別のコミュニティで用いられる顔文字やスラングの使用など。
  10. ^ あやしいわーるどIIの管理人であるAGStarはIP制限を多用し、ブラウザクラッシャーと組み合わせて"弾き"と称していた。逆にds時代の本店では負荷攻撃がない限り制限は行わないなど管理人により対応はまったく異なる。[要出典]
  11. ^ この時代は背景色は黒板色でなく、提供先の設定に依存した。[3]
  12. ^ 転送量でペド侯爵の運営する掲示板と双璧をなし、アクセスカウンタは、あやしいわーるどらが六桁、その他大勢は三桁程度に過ぎなかった。最終的に40万アクセスを記録。 ばるぼら [2005] 191頁
  13. ^ "ネットサーフレスキュー[Web裏技]"と名乗っていた。2014年現在CGIレスキューに名前を変えている、
  14. ^ 一般にMinibbs型の掲示板は個人サイト等での簡単な連絡等に向いており、多人数参加型の掲示板には不向きであったが、当時スレッド形式の掲示板スクリプトはほとんど無かったため、Minibbsスクリプトが採用されたと思われる。
  15. ^ 例えば海外製ネットゲームCounter-Strike(CS)やAge of Empires(AoC)などには「CS班」「AoC班」などの掲示板が作られ、それぞれにコミュニティが存在し、各々が適当に活動を行っている。
  16. ^ あやしいわーるどIIのみ「(゚Д゚)」が一番使われている。
  17. ^ 俗に謂う"厨房"の大量発生。
  18. ^ ただし、あやしいわーるど発祥とされる文化の中にも、それ以前のBBS(パソコン通信など)などの文化を継承したもの、それらを基盤として発展したものも少なくない。
  19. ^ ハッククラック板のIP記録や希望者への削除権限パスの配布等を条件に和解した。
  20. ^ サイバーアタックや、国家機構により強制的に停止させられるなど。実際、あめぞうは圧力団体からの脅しが一つの原因となって閉鎖した。

出典

  1. ^ a b 河上 [1998] 43頁
  2. ^ a b c d 鈴木 [2003] pp.60-66
  3. ^ a b c d e 『あやしいわーるどの歴史』(2006/09/28 現在)
  4. ^ RADICA EXPRESS SELECTION あやしいわーるどが永久閉鎖!? 別冊 Mail Magazine Radica 1998年9月5日(土)
  5. ^ 哭きの竜 「真ザ・バトルウオッチャー・ロワイアル R2:電網英雄伝説~黎明篇~」 『B-GEEKS vol.2』 三才ブックス pp.96-97
  6. ^ 「ギコ猫」、タカラが商標登録を出願」、2002年6月3日、ITmedia
  7. ^ 「98年12月にあやしいわーるどに投稿された「ギコニャーニャー」と鳴く猫の文字絵がルーツだが、それが99年後半から2ちゃんねるにも転載はじめ、その際「ギコハニャーン」と鳴くカタカナの「ギコ猫」として広まっていった」 ばるぼら [2005] p.272
  8. ^ ばるぼら [2005] p.272
  9. ^ 「「あやしいわーるど」は96年8月21日にWWW上に登場し、98年9月3日に閉鎖された、しば氏管理による掲示板の名称である」 ばるぼら [2005]
  10. ^ あやしい論(その1),あやしい論(その2)
  11. ^ a b ぁ史 〜あやしいわーるどの歴史〜
  12. ^ 「あやしいわーるど」の歩き方 | ぁゃιぃWalker
  13. ^ 「ぁゃιぃWalker」の、あやしい歴史
  14. ^ ばるぼら [2005] p.197
  15. ^ ばるぼら 「掲示板文化の今後」
  16. ^ くずはすくりぷと - PukiWiki
  17. ^ ばるぼら [2005] pp.232,271-273
  18. ^ 2ちゃんねる元管理人が1億円申告漏れ 譲渡後も広告収入 - MSN産経ニュース
  19. ^ 河上 [1998] 58頁
  20. ^ アリス・リデル 掲示板荒らしの悪行まとめ @ ウィキ(有志によるまとめ) 閲覧日: 2017年2月24日





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