選択律とは? わかりやすく解説

選択律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/27 16:20 UTC 版)

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物理学化学における選択律(せんたくりつ、または選択則選択規則)とは、2つの量子状態間の遷移が許される(許容である)か禁じられているか(禁制であるか)を簡潔に示した規則のことである。

遷移確率

ある量子状態i に相互作用が働くと、別の量子状態f への遷移が可能となる。相互作用が小さい場合は、その遷移確率Wi→fフェルミの黄金率で表される。

よって行列要素が値をもつかどうかで、その遷移が可能であるかどうかが決まる。

電子遷移

電子の光吸収発光は、電子光子相互作用によって起こる1光子過程である。この1光子過程の相互作用は、電気双極子遷移 (E1) の項、磁気双極子遷移 (M1) の項、電気四極子遷移 (E2) の項などの和として表すことができる。

電気双極子遷移の選択律

ウィグナー=エッカルトの定理を使って次のような選択律が得られる。

しかし次のような場合は例外的に禁制である。

さらにLS結合を仮定すると、次のような選択律になる。

しかし次のような場合は例外的に禁制である。

これをそれぞれラポルテ選択律スピン選択律と呼ぶ。

ラポルテ選択則
電気双極子遷移は、量子状態のパリティ偶奇性)が遷移前後で変化しなければならない。
スピン選択則
遷移の前後で、スピン多重度が同じでなければならない。

磁気双極子遷移の選択律

電気双極子遷移のときと同様に、ウィグナーエッカルトの定理を使って次のような選択律が得られる。

しかし次のような場合は例外的に禁制である。

さらにLS結合を仮定すると、次のような選択律になる。

電気四極子遷移の選択律

電気双極子遷移のときと同様に、ウィグナーエッカルトの定理を使って次のような選択律が得られる。

しかし次のような場合は例外的に禁制である。

さらにLS結合を仮定すると、次のような選択律になる。

振動スペクトル

赤外分光法では、振動によって電気双極子モーメントが変化することが許容条件である。

ラマン分光法では、振動によって分極率が変化することが許容条件である。


選択律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/07/08 21:10 UTC 版)

磁気双極子遷移」の記事における「選択律」の解説

磁気双極子遷移の選択律では (J: 全角運動量量子数) (: 全角運動量のJ成分) パリティ変化しない時に許容となる。

※この「選択律」の解説は、「磁気双極子遷移」の解説の一部です。
「選択律」を含む「磁気双極子遷移」の記事については、「磁気双極子遷移」の概要を参照ください。

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