だん‐きゅう〔‐キウ〕【段丘】
段丘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/30 09:48 UTC 版)
段丘(だんきゅう、英語: terrace)は、川・湖沼・海・谷筋に沿って分布する階段状の地形である。ほぼ水平で平坦な段丘面(だんきゅうめん)と、その周囲の急斜面である段丘崖(だんきゅうがい)とからなる[1]。台地とほぼ同義。
周囲の地形による分類
周囲の地形と比較してどのような位置にあるかによって、以下のように区分される[2]。
形成過程による分類
段丘になる前の低地の形成営力によって、以下のように区分される[2]。
- 河成段丘(fluvial terrace)…河川の作用によって形成した低地が段丘化したもの。
- 海成段丘(marine terrace)…海の作用によって形成した低地が段丘化したもの。
- 湖成段丘(lacustrine terrace)…湖の作用によって形成した低地が段丘化したもの。
- サンゴ礁段丘(coral reef terrace)…サンゴの作用によって形成した低地が段丘化したもの。
段丘になる前の低地の形成過程によって、以下のように区分される[3]。
内部構造による分類
段丘の堆積物の厚さ(段丘崖の高さと比較して)によって、以下のように区分される[4]。
段丘化の根源的原因による分類
低地が段丘となる現象の根源的な原因によって、以下のように区分される[5]。
河床・海面からの比高による分類
形成時代による分類
段丘の形成時代によって、以下のように区分される[6]。
相対年代による分類
一般に高所にある段丘ほど形成時代が古い。そのため、高位置にあり古い時期に形成された段丘を「高位段丘」(高位面)[8]、低位置にあり新しい時期に形成された段丘を「低位段丘」(低位面)、その中間の段丘を「中位段丘」(中位面)として、段丘面の高さによる分類を、相対年代による分類として間接的に形成時代を表していることがある[6][7]。日本では、各地で地形・地層の対比と編年の研究が進むにつれ、低位段丘は最終氷期、中位段丘は最終間氷期に、高位段丘は中期更新世に形成されたものを指すという用法が広まり[8]、各地で対応する段丘面が対比されている。
しかし、段丘の形成時期(形成過程)は地域により一様ではなく、河成段丘については上流部と下流部の交差や、海成段丘においても隆起の差異などがある[8]。河成段丘について、氷期には山地からの土砂生産が増し上流部での堆積が進む一方で、下流部では海水面の低下により下刻が進む。間氷期には湿潤な気候となり降雨量が増すことで上流部では下刻が進む一方、下流部では海水面の上昇により堆積が進むことになる[9]。土砂供給量と流量が安定していると河道が側方に移動して側方侵食(側刻)により侵食面の形成が進むことになる[10]。
1980年ごろから段丘の形成時期に海洋酸素同位体ステージ(MIS)を用いることが普及してくることにより、特定の時期の意味合いで高位・中位・低位段丘の語が用いられることは減ってきている[8]。
脚注
- ↑ だんきゅう【段丘 terrace】 世界大百科事典第2版
- 1 2 鈴木 (2000), p. 567
- ↑ 鈴木 (2000), p. 568
- ↑ 鈴木 (2000), p. 570
- ↑ 鈴木 (2000), p. 571
- 1 2 3 鈴木 (2000), p. 578
- 1 2 『地形の辞典』 (2017), p. 519, 「段丘の分類」.
- 1 2 3 4 5 6 7 『地形の辞典』 (2017), p. 237, 「高位段丘」
- ↑ 『地形の辞典』 (2017), pp. 181–182, 「気候段丘」.
- ↑ 日本地理学会 編「河岸段丘と扇状地」『地理学事典』丸善出版、2023年、210-211頁。ISBN 978-4-621-30793-9。
参考文献
- 日本地形学連合 編『地形の辞典』朝倉書店、2017年。 ISBN 978-4-254-16063-5。
- 鈴木隆介『建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地』古今書院、2000年。 ISBN 4772250158。
関連項目
「段丘」の例文・使い方・用例・文例
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