p-ノルムの間の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 09:20 UTC 版)
一般にマンハッタン距離が直線距離より短くならないことは直観的に明らかである。正確に述べれば、これは任意のベクトルのユークリッドノルムがその 1-ノルムで抑えられること、すなわち ‖ x ‖ 2 ≤ ‖ x ‖ 1 {\displaystyle \|x\|_{2}\leq \|x\|_{1}} を意味する。これは、任意のベクトル x の p-ノルム ‖ x ‖ p {\textstyle \|x\|_{p}} は p に関して増大しないこと、すなわち次が成り立つことに一般化可能: ‖ x ‖ p + a ≤ ‖ x ‖ p ∀ x ∈ R N ∀ p ∈ [ 1 , ∞ ) ∀ a ∈ [ 0 , ∞ ) . {\displaystyle \|x\|_{p+a}\leq \|x\|_{p}\quad \forall \ x\in \mathbb {R} ^{N}\ \forall \ p\in [1,\infty )\ \forall \ a\in [0,\infty ).} 逆方向の不等式については、1-ノルムと 2-ノルムの間に次の関係が成立することも知られている: ‖ x ‖ 1 ≤ n ‖ x ‖ 2 . {\displaystyle \|x\|_{1}\leq {\sqrt {n}}\|x\|_{2}.} この不等式はベースとするベクトル空間の次元 n に依存する。コーシー=シュワルツの不等式より直接的に従う。一般に p > r > 0 に対して ‖ x ‖ p ≤ ‖ x ‖ r ≤ n ( 1 / r − 1 / p ) ‖ x ‖ p {\displaystyle \|x\|_{p}\leq \|x\|_{r}\leq n^{(1/r-1/p)}\|x\|_{p}} が成り立つ。右側の不等式は、凸関数 t ↦ t p / r {\displaystyle t\mapsto t^{p/r}} についてイェンセンの不等式を用いることで示される。
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